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#4 「やらない後悔よりやる後悔」! 4つの学生団体で活躍中の高校生・佐藤綾音さん



高校生が人生を語れるメディア・ひまわりの種会議。4人目のインタビュイーは、高校2年生の佐藤綾音さんです。

4つの学生団体に所属し、その中でも代表を務めるなど中心的な存在として活躍されている綾音さん。

受験生のメンタルサポートなど「人のため」となる活動に多く取り組まれている綾音さんによる、貴重な「自分語り」をお楽しみください。

司会:村田 聞き手:鈴木、尾熊








《綾音さんのプロフィール》


名前:佐藤 綾音

所属:
・学生団体empathie(エンパティー)
・全国学生創造連盟
・若者団体IAC 仙台エリア
・ここじゅ

年齢:17歳

座右の銘:
・自分ファースト (補足:「自分は最高で,自分がしたいように物事を選んで自分の好きなように生きていく、だって私は“私"なんだから」という意味で、ただの自己中とは違います!)
・ やらない後悔よりやる後悔

コメント:
活動の紹介をすることが多い分、自分の人生を語るという貴重な機会をいただけてとても嬉しかったです!活動だけではなくて、"活動している人"自身にも注目する方がひまわりの種会議さんを通じて増えたらいいな〜と願っています💭
ありがとうございました!


綾音さんのInstagramアカウント:




🌻




1.「22.5°の関係」とは?


村田:綾音さんは、empathie、学創連(全
国学生創造連盟の略称)、IAC、ここじゅ、という4つの学生団体に所属されているとのことですね。empathieとここじゅは、「悩みを抱える中高生を減らす」という感じでしょうか?

綾音さん:ここじゅは受験生の心の拠り所となる場所を提供しようというもので、empathieは悩みを抱えこむ中高生を減らしたいというものなので、趣旨が違う団体になっています。

村田:そうなんですね。ではさっそく、この二つについてお聞きしていこうと思います。empathieのほうなんですけど、「22.5°の関係づくりをサポート」ということを理念に活動されているとのことで、22.5°の関係とは何か、また、どうやってその関係を実現していこうと考えているかをお聞きしたいです。

綾音さん:22.5°の関係というのは、90°を親、0°を友達として縦と横の関係があるとき、その間にある斜めの関係で、縦でも横でもないからこそ関わりやすい、というものです。思いっきり他人の45°よりも、友達にちょっと近い——45を2で割って22.5°の関係、というのを私たちは創ろうとしています。具体的には、例えば“悩みカフェ”を作ることや、メンタルヘルスの勉強会、モヤモヤの共有会といった取り組みをしています。あと、“モヤまるシート”というものがあって、それを公開して使ってもらえるようにしています。今はそれの改良を進めていて、他にも(Instagramの)投稿でストレス解消法の紹介をするなど新しい取り組みをして、多角的にアプローチしていきたいと思っています。

“モヤまるシート” 表面


“モヤまるシート”はこのように、モヤモヤの種類を分類して、1から5までの段階で表すことができます。裏の方には、どうやってモヤモヤを落ち着かせるかについての簡単な説明。 あとはモヤモヤの原因と、どんな影響が出ているかと、この方法で改善する! ということを自分で書いてみる。この3つの構成になってます。

“モヤまるシート” 裏面



↑学生団体empathie(エンパティー)はメンバー募集中です!




2.代表としてのリーダーシップ観


村田:こちらの団体では代表を務められているとのことで、リーダーシップについてお伺いしたいです。事前質問シートの「趣味」のところに、リーダーシップなどに関するビジネス書を読むことを挙げてくださっていたので気になりまして。


綾音さん
:リーダーだけで問題や考えていることを抱え込んでしまうと、周りにシェアされていない分、自分ばっかり動くことになってしまって、それだと自分個人の活動になり、周りが補助みたいになっちゃうんですよ。だから私が意識しているのは、自分が考えたこととか思ったことはすぐにシェアするようにしたり、あとは、自分がその企画の中心になるというよりかは、 この企画はこの人にやってほしいとか、やりたい人を募集したりして、いろんな人がいろんな活動に携われるようにしています。リーダーだけでやらないようにすることです。


村田:ありがとうございます。ちなみにこちらの学生団体は、ご自身が創立メンバーとして設立されたものなんでしょうか。また、もしそうだとしたら、設立した経緯や動機なども合わせてお伺いしたいです。

綾音さん:学生団体empathieは、私が高1の時に高校生社会課題探究ゼミというのに参加して、カテゴリー別にやりたいものを選んでチームを作ったんですけど、そこでプロジェクトを行なった時に、今後もやりたいとなった3人が創立メンバーです。最初は、あえて代表を作らないようにしようってなっていたんですけど、活動をしていく中でやっぱりあった方がいいということで、 これから活動を続けていきやすい高1の私が代表になりました。



3.受験生のメンタルを支えたい!


村田:では先ほど話に上がった、ここじゅについて今度はお伺いしていきたいです。ここじゅという学生団体は、受験生のメンタルサポートみたいな感じの内容だと思うのですが、受験生に特化したメンタルヘルスのサポートを行うというところに対する、動機のようなものをお伺いしたいです。


綾音さん:そうですね、これを始めようと言ったのは英杜(豊田英杜さん。第2回目のインタビューで取材させていただきました)で、英杜のストーリーで立ち上げメンバーを募集していたので、私も入ろうと思って。英杜が実際に受験でメンタルを崩しちゃったっていうのを、動機としては聞いています。

それで私としては、メンタルケアに関する団体をしているので自分が役立てるんじゃないかと考えたことと、あとは自分も受験をした時、成績がやばかったとかではないんですけど、焦りはあって、今思えば結構メンタルやられていたなというのを思い出すと、自分も入りたいと思ったのもあります。


村田:ありがとうございます。では具体的に、ここじゅという学生団体で綾音さんはどういった活動をされているんでしょうか。


綾音さん:今はまだ、ここじゅ自体が始まったばかりで、どういうことをしようっていうのもまだそんなに話してないんですけど、私としては、受験をすることになった時にメンタルがきつくなってきたら、この団体に行けば大丈夫なんだっていう、そういう頼れる存在でありたいと思っています。

↑ここじゅ Instagramアカウント



4.IAC仙台エリアと学創連について



村田:IAC仙台エリアという団体にも所属されているとのことで、こちらの団体は「仙台の若者の色んな『やりたい!』を叶える」ということがモットーで、それに向けてイベントなどを開催されているようですが、どういったイベントを主催されてるんでしょうか。


綾音さん:私が所属している団体は、empathie以外は本当に最近できたばかりで、具体的な活動を実行する段階にはまだ至っていないものがほとんどなんです。今までいくつか企画を考えてきた中で、時期やメンバーの人数などでまだ実行が難しく、あまり進んでいないものもあります。ただ、IAC仙台エリアでは今大きいイベントを企画していて、そのコラボをある団体さんに交渉しているところです。


村田:ありがとうございます。ではもう一つ、学創連にも代表の一人として所属されているそうですが、こちらは「探究活動を頑張る学生や学生団体が繋がれるコミュニティ」とのことで、こちらに参加しようと思ったきっかけなどがありましたら教えてください。


綾音さん:自分の周りで全員が全員、学生団体に所属しているかというとそうではないので、他の場所で活動しているような団体ともっと繋がれるようになったら、例えば活動の宣伝をすることだったり、活動自体の規模やイベントの開催のしやすさが変わってくるんじゃないかなと、自分がイベントを企画したときに思って。そのときにちょうどIACの代表の遠藤光大さんと、花巻のほうで活動している芳奈さんとの3人で活動を始めようという話になりました。


鈴木:なるほど。綾音さんは学生団体など様々な活動をされていると思うんですけど、どういったものを軸やビジョンに持って活動されていますか?


綾音さん:メインはメンタルケアになるんですけど、やりがいがありそうとか、楽しそう、ワクワクするなとか、そういう自分の直感をもとに、ジャンル関係なく気になったものには参加するようにしています。empathieについては、悩みを抱え込む中高生が減ったらいいな、ということを軸に活動しています。

↑IACはメンバー募集中です!

↑学創連 Instagramアカウント




5.印象的な出会いは?


村田:今度は「印象的な出会い」についてお伺いしたいです。


綾音さん:一人は遠藤光大さんという方で、マイプロジェクトアワードの宮城サミットで出会ったんですけど、最後に参加した人同士が交流できる時間があってその時に知り合いました。私がこの活動を始めたきっかけは別なんですけど、活動がもっと広がったきっかけは光大さんかなと思っています。

もう1人は同じ高校の同級生の小林優奈という子で、学校が商店街のハロウィンイベントのためにお手伝いを募集していて何人か生徒が集まる機会があって、その時に同じ作業グループになって話していたんですけど、そこから私の活動の話とかになって。同じ学校の同級生で、活動についていっぱい話し合えたり同じプロジェクトをやったりと、すごく貴重な存在だなと思っています。


村田:活動が広がった一つのきっかけが遠藤光大さんとの出会いということだったのですが、遠藤光大さんとの出会いが、どのような形で綾音さんの活動を広げていったんでしょうか。

綾音さん:光大さんとインスタグラムを交換したんですよ。その後に光大さんがフォローしている人を、この人面白そう!と思って私もフォローしていったり。あとは、こういう面白いイベントあるよって紹介してもらえたり、それこそ学創連の話を持ちかけてくれたのも光大さんです。


村田:ありがとうございます。課外活動が広がったきっかけについてお伺いしたんですけど、最初に課外活動をやろうと思ったきっかけや、最初に参加した学生団体といったところについてもお伺いしたいです。


綾音さん:最初に参加したのは、高校生社会課題探究ゼミというものです。それまではあまりイベントとかには参加していなくて、それが最初の課外活動関係のイベントだったんですね。そこがきっかけで学生団体empathieができて、empathieに関係しそうなイベントとか、そこでの繋がりで別のジャンルのイベントにも行ったり。あとは他の学生団体を立ち上げるなどして活動の幅が広がっていきました。

あともっと言えば、IACの仙台エリアに所属したのは、IACの仙台エリア代表を優奈に任せます、という光大さんのストーリーを見たのがきっかけで。私はもともとIACに入りたかったんですけど、気仙沼だったので諦めていたんです。だけどそれが仙台にもできたというのを知って、入りました。




6.影響を受けた本について



村田:今度は、影響を受けた本などについてお伺いしていきたいです。一つ挙げられているのが、『LAGOM“私にとって、ちょうどいい”スウェーデンの幸せ哲学』とのことですが、こちらはどういった本で、どのような影響を受けたのでしょうか?


綾音さん:スウェーデンは幸福度がすごく高いと言われているんですよ。なぜ幸せなんだろう、ということで、スウェーデン人の夫と結婚した筆者の方が、スウェーデンの色々な考え方——“ランチタイムに行うべき5つのこと”や、おもてなしの方法、結婚式の方法、中古品の良さなどについて書いていて。こういう生き方があるんだ、というのもありますし、この本の雰囲気も自由な感じがしてすごく好きです。この本全体から影響を受けていると思います。


村田:ありがとうございます。もう一つ、『妖怪アパートの幽雅な日常』を挙げられていますが、こちらはどういった本でしょうか。


綾音さん:とある男子高校生が、入居予定だった学生寮に住めなくなってしまって、格安のアパートを探して住んでみたら妖怪がたくさんいる所だった、という物語です。物語の中に出てくる本人の気づきとか、アパートの住人の言葉だったりが心に残るものが多くて、そこからすごく影響を受けただろうな、と思っています。小さい頃に一回読んだことがあって、最近読み直しているのですが、やっぱり心に残るな、と感じていて、今また考え方の影響を受けつつあります。




7.うつ状態をどう乗り越えたか



村田:事前質問シートの「過去一辛かったこと」というところで、「高1のとき、うつ状態になったこと。毎日泣いていて、弱音はほぼ誰にも言えず抱え込んでいました」とありますが、empathieでの活動を始めるきっかけとして、この高1の時の体験があるんでしょうか。


綾音さん:そうです。高校生社会課題探究ゼミに参加した時に、フリースクールをされている伊藤真結さんという方がメンバーでいらして、そこで、自死について取り上げたプレゼンをされていて。私が実際に自死を考えていた人だったので、やっぱりメンタルケアって大切だなというのをそこで実感しました。そこから、悩みを抱え込まないで済むようなものを自分の経験を元にして作れたらいいな、同じように苦しむ人を減らせたらいいなと思ってプロジェクトを考えて、学生団体を実際に始めようと思いました。


尾熊:高1の時のすごく鬱っぽくなってしまった状態から今の活動的な状態まで、どういった経緯やきっかけによって立ち直ってこられたかについてお伺いしたいです。


綾音さん:もうこれダメだって思った時に、担任の先生に話して、 そこからスクールカウンセラーの方と、保健室の方のところへ行って話したのが一つ目です。あと、担任の先生からはノートに気持ちを書いていくことを勧められました。今までの自分だったら、多分そんなことはしなかったと思うんですよ。面倒臭いというよりかは、ノートに書いて何になるんだ、みたいな。でもその時はもう、それに縋るしかなくて。実際に書いていくうちに気持ちが整理されていって、うつ状態から回復しつつある中で、完璧主義をやめよう、とスクールカウンセラーの方から言われたんです。

私はものすごく完璧主義で、小テストで満点が取れないと、涙目になったりお手洗いでこっそり泣いたりするほどで。もう一人の他の先生から言われたのは、「bestじゃなくてbetterを目指せ」ということ。完璧主義だとどうしても、自分がうまくできないことを責めてしまったりとか。あとは、私は高校に首席で入ったんですけど、そうすると周りからのプレッシャーがものすごくて弱音も吐けなくて。でも、一旦そうしてメンタルが崩れたことで、成績落ちたんですよ。逆になんかそれで、頑張りすぎなくてもいいと思えるようになったというのはありますね。

あと、うつ状態が軽くなってきた時に、食べることや、景色や空の綺麗さとか、そういったことに癒されていました。その頃は朝ごはんを食べるために起きていました。




8.座右の銘を深掘り



村田:まだ構想段階のものを含めて4つの学生団体に所属されていて、しかも代表を務められているくらいアクティブな方なんだなっていうのを第一印象として感じていたんですけれども。座右の銘が「やらない後悔よりやる後悔」とのことで、行動力の源というか、なにかきっかけとなった出来事などがあればお伺いしたいです。


綾音さん:きっかけというより、私のもともとの性格なんですよ。すごい好奇心旺盛なのと、目立つのが好きで、他の人と違うことをしたいっていう人間で。気になったものになんでもかんでも突っ込んでいってしまうような感じで、逆にそれでキャパオーバーになったりもするんですけど。

あとは、他の人と違うことをしたいとなると、例えば勉強とか部活とか、そういうのってみんなやるものじゃないですか。そういう決められたことより、例えば中学生のとき執行部に入っていたりだとか、イベントや行事の運営とか、あとは学生団体での課外活動とか、とにかく何か自分で作っていくことやアイデアを出すことが本当に大好きで。だからもともと、やりがいがあることや面白いことをしたい、と思っていました。高校に入学して色々なことが自由にできるようになった瞬間、実際に行動していくようになったんだと思います。



尾熊:もう一つの座右の銘の「自分ファースト」という言葉と、その補足説明(『自分は最高で、自分がしたいように物事を選んで自分の好きなように生きていく、だって私は“私"なんだから、という意味で、ただの自己中とは違います!』)がすごく素敵だなと思ったのですが、そう思うようになったきっかけや、この言葉を体現できた体験などがあればお聞きしたいです。


綾音さん:きっかけというよりは、私、自己肯定感が高くて自分が大好きなんですよ。周りからのプレッシャーや期待に流されるんじゃなくて、自分の人生って自分のものじゃないですか。それに自分の人生で最後まで一緒にいられるのも、一番長くいられるのも、どっちも自分じゃないですか。それならもう、自分一番に物事を考えるしかないなと思って。体現できた体験というよりかは、もう常に、自分が何をしたいかということを一番に考えて生きています。





🌻



《ライターあとがき:尾熊》


「やらない後悔よりやる後悔」「自分ファースト」で自分の興味や直感を大切に行動し、気になったものには取り組んでみる綾音さんの積極的な姿勢を本当に尊敬します。その一方で、自分の考えをチームメンバーに押し付けることは決してせず、代表として一人ひとりが活躍できる団体を作り上げていくという彼女のポリシーは、まさに本物のリーダーシップだなと感じました。

また、少し個人的な話になってしまいますが、『LAGOM“私にとって、ちょうどいい”スウェーデンの幸せ哲学』が綾音さんの素敵な価値観に影響を与えているのだとお聞きし、私自身も北欧の考え方や生活様式に興味があるので読んでみたいと思いました。

学生団体での取り組みからご自身の座右の銘まで、幅広いお話をお聞きできてとても楽しかったです。ありがとうございました。






今後も様々な自分語りをお届けしていく予定です。

主に高校生を対象として、ひまわりの種会議はインタビューを行います。興味のある方は是非、以下のフォームよりお申し込みください。(メールアドレスは収集されません。)

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeSSkboIoG80H9J4s7iEv3__tcGjYLTBsUPcJaCXNRLrrxxuA/viewform?usp=sf_link



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