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読書1-『ミミズクと夜の王』

どうも、就活で忙しくて最近あまり本を読めていない陽毬(ひまり)です。

今日は初めて読書記録を書くことにしました。




Kindle Unlimitedについての余談

ここで少しKindle Unlimitedについて書かせてください。

私は読書が好きです。ビジネス書もたまに読みますが、小説を読むことが圧倒的に多いです。もちろん書店に行って紙の書籍を買ったりしますが、電子書籍も積極的に読んでいます。そして、私の読書生活においてなくてはならないものとして、Kindle Unlimitedというサブスクサービスがあげられます。

Kindle Unlimitedに加入してから新しい書籍と出会えました。ラインアップが豊富で、小説はもちろんのこと、ビジネス書や雑誌などもたくさんあります。また、定期的にラインアップが変わるので、常に読みたい本が見つかります。さらに言うと、最近話題になっている本もラインアップに加わったりするため、気になってたけどまだ買えていない…ような本も読めたりします。料金は人によって高いと感じるかもしれませんが、ビジネス書なら月1冊(小説なら1冊ちょっと)読むだけで元が取れるので全然安いです。大学時代から使用し続けてかれこれ5年が経ちましたが、今も愛用しています。

ただ気をつけるべきところは、読んだタイトルに似たテイストの本を薦められることが多いので、自分から積極的に他のジャンルの本に手を出さないと同じ傾向の本ばっかりを薦めてくることです。


概要

最近マイブームはファンタジーです。ファンタジー系小説が多く勧められる中、今回は『ミミズクと夜の王』という本が私の目に留まりました。

表紙イラストがかっこいいのと、あらすじにある「絶望の果てからはじまる小さな少女の崩壊と再生の物語」という言葉が気になったので、読んでみることにしました。

ストーリーの概要として、奴隷だった少女(ミミズク)が死を追い求めて、魔物がたくさん棲みついている森に魔物の王である夜の王に食べられに来ました。しかし魔物の王は食べてくれませんでした。そこで、死にたがり少女が夜の王に食べられるため(?)、彼との交流を図りました。それと同時に、その森の近くにある王国で夜の王を討伐する計画が立てられていました…という話です。


感想1-優しい人たちが作り上げた物語

全体的に読むと、非常に「優しい」物語だと感じました。

なぜ「優しい」かというと、登場人物は皆それぞれ大切な人を思いやっているからです。自分の幸せだけでなく、他人の幸せをも常に考えている。そういった思いやりがたくさん詰め込まれた小説だったので、誰かのために行動することで物語が動きました。読んでいてる途中、「あ、この人優しい…」「え、この人もすごく優しいんだけど」と何度も思いました。そういった優しさに気づく度、暖かい気持ちになりました。

一人の人間の幸せを、どうして他人が限定できるのだろう。

『ミミズクと夜の王 完全版 人喰い三部作』, 紅玉 いづき, 170ページ

「こうした方がきっとこの人が幸せになる」と決めつけるのではなく、「どうすれば正しいか分からないけれど、この人の選択に、行動に尊重する」という意志が伝わってきて、胸が熱くなります。なんて素敵な人たち。好き。


感想2-言葉で言い表せない気持ちがある

話の終盤で、少女はたくさんの愛をもらいました。自分に愛を教えてくれた人たちにどうやってこの気持ちを伝えればいいのかについて考えるシーンがありました。

言わなければならないことが、たくさんある気がした。ありがとう、ごめんなさい。ありがとう。  そんな言葉で足りるのだろうかとミミズクは思う。  どうしてだろう、こんなにも、言葉は教えてもらったのに。  言葉は、覚えれば覚えるほど、足りないような気がするのだった。

『ミミズクと夜の王 完全版 人喰い三部作』, 紅玉 いづき, 202ページ

伝えたいことがいっぱいあるのに、それらを全て伝えるための言葉が足りない。そんなもどかしさが伝わる文章でした。人との付き合いにおいて、自分の考えと想いを他人に伝えるために言葉は有効な道具として考えられていますが、それでも完璧に伝わらないことが多々あります。しかし言葉ではなく、視線や表情、動作によって、想いが通じ合うこともあります。大切だという言葉がなくても、想いが届くことを、私は奇跡と呼びたい。


感想3-剣を持つということ

本作の中で、「聖騎士」という名誉な称号があります。聖剣を鞘から抜いた騎士は聖騎士と呼ばれ、騎士団の象徴として戦争に参加し、国を守ります。外伝として収録された話では、ある男は幼い頃から聖剣に呼ばれ続けながらも、剣を持つ覚悟が決まらないまま、十数年間葛藤し続けました。

相手が人間であれ、人外の生き物であれ、無益な殺生はアン・デュークの好むところではなかった。己の剣はお飾りではなく、それを握る時は何ものかの命が消える時だとわかっていたから。

『ミミズクと夜の王 完全版 人喰い三部作』, 紅玉 いづき, 83ページ

大体の話では騎士はいつもかっこよく描かれます。剣を持つことは国を守るというふうに讃えられるのですが、その裏側には傷つけられる敵も必ず存在します。

自分の手を汚し、他人の幸せを奪うまで守りたいものは何?という問いに苦しみ続けた少年の姿を見て、私はとても感動しました。苦しい事実を直視して、考えた末に出した答えとそれに沿った生き方が、非常にかっこよく見えました。


最後:この本のちょっとした不足

とても素敵な話でしたが、この小説への一番大きい不満はそのページ数にあります。要するに、少女視点の話がメインだったので、夜の王についての描写が少なく、彼の気持ちの変化を汲み取るのは少し難しかったです。森で生活していた部分にもう1個か2個小さいエピソードを加えたら、夜の王の人物像がもっとはっきりしてくるような気がしました。

久しぶりの読書でしたが、とても気持ちよく読めた一冊でした。読書記録を書くか分からないけど、シリーズ二冊目も読む予定です。

このnoteを書くときは結構楽しかったので、これからも読書記録を書いていきたいと思います。ただ、他人におすすめしたい本についてしか書かないので、頻度が低めかもしれませんが、よろしくお願いします。

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