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第六話 不登校からその後①

不登校のまま五年生に進級して数日が過ぎたころ、新しい担任の先生が家にやって来た。四年生の時には教頭先生が数回来て「頑張って学校に来てね!みんなまってるよ!」とお決まりのセリフを言って帰って行くだけだったが、今回の担任は全く違ったタイプだった。

まず顔が怖いし言葉が厳しい、しかし私の話は時間をかけてでも、しっかり聞いてくれた。「とりあえず学校に来ないと何も始まらない。保健室でもいいから学校に行こう」担任が言う事はこの一点。

それが毎日毎日続いた。あんなにバイタリティーにあふれた先生は、今ではほとんどいないのではないかと思う。

いくら私が言う、子供の得意の言い訳「頭痛い・おなか痛い・気持ち悪い」を聞いても、担任が言う事は変わらなかった。私も本当は友達と仲良くしたい、学校で勉強がしたいと思っていた。

それを見透かしたような話のながれ、そしてなにより毎日家まで来る先生に根負けして、私はまず保健室登校から始めることにした。

久しぶりの登校はドキドキした。変に思われてしまうのではないか、何か陰口を言われてしまうのではないか、そんな事を考えながら、なるべく人に会わないように、1時間目の授業が始まったくらいの時間に保健室に着いた。

おはようございます」やっと聞こえるか聞こえないか程の声で私は保健の先生にそう言った。

おばさんの先生は、まるで10M先の人に挨拶するような声で「おはよう、よく来たね!」と言った。

まずは学校に来なくなった辺りから勉強しなおそうか?」と言われ四年生の教科書を用意するおばさん先生に、私は「大丈夫だと思います」と言った。

元々勉強は苦手ではなく、休んでいる間は暇潰しに教科書を読んでいたからだ。おばさん先生は少し驚いた様子で私の顔を見て「すごいじゃない」と言い、私はちょっとだけ得意気だった。

今回は保健室登校をするようになるまでのエピソードでした。

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次回に続く


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