第二十一話 やまちゃんと私の話
顧問からレギュラーから外すといわれた日、部活が終わってからやまちゃんの家に向かった。「なんかムカつくから遊ぼうぜ」私は言った。「なんかあったの」と聞かれたので、その日あったことを話した。「なんだ!そんなことかよ!」とやまちゃんは笑って言った。直結してパクった原付に乗って二人で私の家に行った。タバコを吸って、シンナーを吸って、ラリッた状態でひたすら愚痴っていた。
中学生はほとんどの子が小遣制だろう。私とやまちゃんも、もちろんそうであったので、タバコはまだしも、シンナー・マリファナを買うには全然お金が足りなかった。Cビン(リアルゴールドやデカビタの瓶に入れて売られていた)一本2~3千円、ℊ(大麻1グラム)3千円もするのだ。工事現場等にも盗みに行ったりしたが毎回成功するとは限らなかった。。。
私服に着替えて少し離れたパチンコ屋に千円札を握りしめて行く。当然秒殺される。ゲーセンに行って生意気そうなやつに喧嘩を売って(自分ルールで弱い者虐めはしないことにしていた)金を稼ぐ。そんなことをしょっちゅうやっていた。当然返り討ちにあって、二人でボコボコにされたりもしたが、それはそれで楽しかった。
部活をさぼり始めたころから、コピーバンドの活動も本格的に始まっていった。とはいえ、私はサポートメンバー兼キーボードだったが。(素人なのでみんなに教えてもらいながら)
ナンパもその頃から始めた。やまちゃんは背も高いし、顔も良いし、喧嘩も強かったので学校でも外でもよくモテていた。当然女好きだった。柔道部の友達は女関係はからっきしなので、そういった面でもやまちゃんと一緒にいるのは楽しかった。夜の街で同じ年くらいのヤンチャそうな女の子に、Cビンを見せれば一発でナンパも成功した。家に連れ込んでシンナーや葉っぱを吸いながらみんなでSEXするのが面白かった。ヤバイ彼氏がいる子にちょっかい出して大変な目にもあったりもしたが。。。
そんな生活をしていると交友関係もどんどんと深みにはまっていく。今までは先輩等を通して買っていたモノも売人と直接やり取りしたり、暴走族の先輩を通してケツ持ちのヤバイ人たちとも繋がっていった。。。
それに慣れてしまったら、たまに部活に顔をだしても皆との距離がどんどん広がっていって、余計に行きにくくなっていった。皆タバコぐらいは吸ってもそれ以上のことはしていなかったのだから、当然ではある。
やまちゃんと私の関係はそれからも、太く長く続いていくのでこれからの話にも、よく出てくるようになると思う。
今回は自制がきかないまま、ズルズルと深みにはまっていく様子を少しだけ書いてみました。今の時代にも自分の感情がコントロール出来ずに、転がり落ちるように、悪いほうに流されて行ってしまう子は多いと感じる。私がもしこの頃に戻れたなら、悩みに対して冷静になって考え、時には大人の意見も聞くことが必要であった。経験を語ることは出来てもその後の人生のプラスになったことは少ないように思う。
次回はバンド活動について書いていきたいと思います。
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