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写真と妄想クラブと通貨のデザイン

今回ブログを講評いただける機会をもらいまして、書いてみたいと思ったテーマは3つありました。どれにしようかと思って書き始めたら、3つとも書いてしまいました。長くなりましたがお付き合いいただければ嬉しいです。

(※12/20追記 お金についての考察は別記事にしました。)

以下の3つにわかれています。

1.写真

2.妄想クラブ

3.円とはどんなお金だろう/通貨デザイン


1.写真

まずは私が大好きな写真の世界から紹介させてもらいます。

今年も写真をたくさん撮りました。

最近撮った写真を紹介します。

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カラスは黒くないんだな。という驚きとともにとても美しい色。

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通勤路にあった白くて細い美しいヌードのような死体のような・・・

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イルカのような少年のすべらかな日焼けした肌

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丸を描く

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うるさいなぁ、もう

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風に揺れるチューリップ/春の終わり

路地を歩くととてもおもしろいものが目に飛び込んできます。カメラを持った散歩が私は大好きです。

仕事の写真

仕事では以下のような写真を撮っています。一番最近撮影した建築家さんのポートレートです。

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以下は秋に撮影させてもらった結婚する予定のカップルの写真です。カップルの写真は難しさも有りつつ、とても楽しいです。

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写真 + 交流


写真は交流を視野に入れると、その世界はもっと豊かになります。

私は毎年インターネット上で写真で交流する遊びであるカンブリアンゲームに参加しています。一日一枚の写真が投稿できて元旦から3ヶ月間で100枚くらいの写真を投稿します。今年で6年目になります。

その世界を少しご紹介します。

例えば下の電車の窓の外の写真

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白菜につなぐと俄然面白くなります

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続いて他者が水の溜まった船を付けてくれる。

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水をためている船という、このモチーフにしびれる。流れも好き。
そしてそこにピッタリの写真が見つかります。

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船の水はマニュキアに、海はドレスに響きます。
何か意味があるわけではないけれど素晴らしい写真との出会いがたまらなく幸せです。

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それから下の何かの足跡の写真

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次に遺言書がつながれます。

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急に緊張してドキッとする。
そうか、一歩進むことは遺言書と書くような気持ちで行くものか…と考えたり

その後「遺言書」に金魚をつけました。

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くずし字と金魚のヒレが響きながら、3文字が3匹の金魚に対応し文字同士の関係は離散し遺言書の緊張も解けて弛緩する。遺言書の未来を上手くハックできたように思います。

これももうこの奇跡のような流れができて最高に嬉しかったです。

緊張と弛緩のフロー

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この写真、単体だとなんとも言えないけれど、

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以下のような太陽につなぐと私には「落日」に見えます。これは色がなくて無機質なコンクリートと鮮やかな太陽とのコントラストが生きる例です。

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このようにどんな写真でも文脈によって生きる可能性を持っています。

この写真の交流環境を引き続きワークテラス佐久にて実施しています。興味のあるかたはこちらからご参加可能です。

https://www.facebook.com/Anker670

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その一部を今年は小諸の旅館中棚荘さんにて展示をさせてもらいました。
参加してくれた方、中棚荘さんありがとうございました。とても楽しかったです。

日常の中には面白い出来事、形や色がたくさんあります。それは連画のなかで最大に輝きます。写真にまつわることの中で私は一番おもしろいトピックスだと思っています。

連画仲間のアーティストで哲学者のトサキさんは連画で芸術のすべての分野を食い荒らしてやろうと言います。芸術の中でもとても面白いトピックスなのかもしれません。


続いて、交流として写真のほかに私は今年、妄想クラブという対話の会していて、その話を書かせてもらいます。

2.妄想クラブ

私は今年、地下街さんの小説を読んで対話をする「妄想クラブ」という名前の読書会的な対話の会をやりました。

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身近な方にはこの妄想クラブという名前だけが聞こえてらしたようで、奇異な目で見られていました。私も40間近の男が妄想とか言うのはどうかと思う気恥ずかしさがあったのは事実です。

調度よい機会なので、妄想クラブがどういうものだったのか説明したいと思います。

妄想クラブは、地下街さん、山口さんの2人との出会いで始まりました。始めた理由を言葉にするのは難しいのですが、受付仲間の高地さんと4人でした話がとても面白く、それが何かになる予感がしたのでとりあえずそれを形にしたくなり始めてみました。

妄想クラブの名前は山口さんが小さい頃から妄想が好きだということと地下街さんがそのころ投稿していた小説のコンテストのテーマが「妄想」だったので山口さんが「小学生の考えそうなダサい感じでいい」といい「妄想クラブ」という名前をつけてくれました。

山口さんの妄想

山口さんの妄想は例えば「掃除用の箒(ほうき)にまたがるとそれぞれの箒の個性を感じられる」というものだったりします。
彼女は作家が作った個性的な箒をまたぐのが好きなのだといいます。
竹箒をまたいで飛ぶ、魔女の宅急便のようなあの感じが、それぞれの箒によって違って、安定して飛べそうな箒とか直線が早そうな箒とか材質や形の違いによってまたがると全然違うと言います。そういう個性を感じられるのだと熱弁されてました。

山口さんは、なにかそういう変わった話してくれるのです。

また彼女は感受性が強いようで、展覧会で素晴らしい作品に出会うとその帰りは気が狂れてしまい、人と一緒にいると迷惑をかけてしまうほどの状態になるため一人で帰るし、家でも一人じゃないと無理なのだといった趣旨の話もしてくれました。
こういう話が私は好きで社会に合わせられないほどの感受性にとても興味が湧き、山口さんの感性が何か面白いものを引き寄せて来る気がして、それが妄想クラブを始めようと思った理由の1つです。

私の妄想

私自身は妄想という言葉にこだわりはありませんでしたが、この言葉には取り憑かれるという表現があるのが面白いと思いました。空想や想像よりも、どうしょうもなさがあって、外部性みたいなものがあるのが良いなと思ったのでした。

妄想クラブがどんな形になるのか楽しみに思いながらクラブの説明を以下のように書いきました。

妄想クラブは色々な妄想を取り憑かせて喋らせようという、イタコになって楽しもうっていう感じの会です。そのための前座として今は地下街さんの小説の読書会をして士気を高めてから妄想がお喋りをするっていう会です。ただのお喋りのときもあります。

クラブの活動

こうして始まった妄想クラブは地下街さんの小説を読んでその感想を話しながら、対話をする場としてこの半年で5、6回活動を行いました。

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上の写真は一回だけ遠征をしてコミュティー農園で行ったときのものです。普段はワークテラス佐久でやっています。このときは農園の野菜と地下街さんの家で取れた野菜をサラダにして食べたのですが、高地さんが前日に用意してくれた3種のディップソースを、山口さんが手作りマヨネーズや日本産山葡萄のバルサミコ酢などのこだわりの調味料と蒸し鶏等をそれぞれ持ってきてくれて、とても美味しいランチを食べました。その後は小説を読んで対話をし、身も心も満たされたという特別会でした。

クラブの魅力

妄想クラブで創作物について作者を交えて話し。することはとても楽しい時間でした。作者が気が付かない作者の人間観がわかったりすることもあります。

私は地下街さんの小説の細かな表現が大好きでした。例えば、彼は少し積もった雪の下に氷が張っていそうで滑りそうな道について「歩道に積もる雪の下に調子のいい氷が潜んでいる」と表現します。この「調子のいい氷」という表現がたまらないです。 僕はそういう表現に出会うととても嬉しくて、ライムスター歌丸風に言えば5億点!!という感じで、もうそれだけでお腹いっぱいになります。あるいは、しっとりとした雰囲気のカップルの話の中で雨が降ってきてビニール傘に手を伸ばす描写があるんだけど、そのビニール傘は「ゆるく閉じられているビニール傘」だったりする。傘のこのゆるく閉じられている感じになにかとてもグッときたり・・・。そういうその喜びをすぐにそこの作者と妄想仲間に伝えられるというのは幸せ意外なんにもないような時間でした。

秋頃には普通じゃない薬剤師の大隅さんが加わってくれました。話した内容をサラッと文字でまとめてくれたりするスマートな反面、清潔で一部グロテスクなイラストを描かれます。妄想クラブに清涼感とアカデミックな雰囲気と死の気配が加わりました。

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大隅さんのイラスト

大隅さんのイラストを見て思ったのですが、私がこの会に求めているのは人をより楽しみたいということかもしれない。創作物って、作者をとても魅力的に見せると思う。ホムンクルスっていう漫画があるんだけど、その漫画で、主人公は脳の手術をしたら、他人の歪みが形になって見えるようになる。女性が砂でできてたりする。そのように創作物と作者って、創作物によって作者が変形してみえる気がする。

そんな風に人を見ているとき、僕はとっても感受性が高まる。どんな人か感じようと全開になる。そんな風に目や体表の感度がぐっと上がって、その目や体で人と交流がしたいのかもしれない。お酒のようなドラッグのような。

クラブの今後

そしてこの春、受験生だった地下街さんは巣立っていってしまうのです。

で妄想クラブはどうしようかなと・・・ヒントが出てくるかなと思って今文章を書いています。

今後は触発がポイントでしょうか。妄想クラブで作者とともに創作物に触れるとなにか触発される感じの高揚感を覚えます。この触発を生かして創り手と受け取り手が入れ替わっていくような感じが望ましい気がしています。僕が山口さんの妄想を聞いてワクワクしたり、高地さんの前のめりな勢いに引っ張られたり、塩川さんの小説から分岐を妄想して盛り上がったり、表現に感動したり、他人のことはわからないけれど、山口さんのアートを見たあとの高揚感というような、そういったものがあるはずだと思うので、そのエネルギーが循環していき、常識的には伸びないはずの枝が次々と伸びていく。そのような場所になれば良いなと思います。

僕の持ち札の一つの連画はそういう循環の好例なのですが、まだ繋げ方がよくわかりません。なにか良い感じの繋がりが見つければ絡めていきたいと思っています。

多分しばらくは地下街さんをリモートで召喚して、同じ形でやるのでしょう。まだ地下街さんにその話はしてませんが、大学生は時間がたっぷりあるから大丈夫ですかね。どうかよろしくおねがいします。

さて私は上のように楽しい世界が大好きですが、他方で私の考えが何に制約されているか知りたいという堅苦しい興味があります。それで私は10年くらい前からお金について疑問をもって、少しずつ調べていたことがあるのでその事を書かせてもらいます。


3.円とはどんなお金だろう/自由貨幣が見せる世界

以下のリンクになります。

https://note.com/hilaruhayashi/n/nd151cf05d264

上の文章は長いのですが、よろしければ是非ご覧ください。

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