夏目漱石著「こころ」と祈り
「こころ」の中の「私」は、先生から目方の重い遺書を受け取ったときから祈りがはじまったと言っている。それも自然にはじまったと。
「私」の人生に影響の深い人がじぶんの手が届かないところへ行こうとしていることを察して祈りはじめた。人は五感では認識できないものを感じた時にそれを探して祈りは始まるのではないかと思う。
「私」の目の前の父はとても落ち着いていてどこか遠くを見ている。この時の父は神との対話である祈りの世界にいるのではないだろうか。父から離れると「私」には不安がおそってくる。