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おばばの現象学的日記 ー何食べたい?ー

日曜日にお気に入りの農産物直売所へ出かけた。90になる母を久しぶりに連れての買い物だった。
車椅子の母を押しながらの買い物は正直ちょっと面倒くさい。
ただこのところ毎日母が何を食べたいのか?なので、一緒に買い物しながら探ってみたかった。
そう、母が何を食べたいのか知りたかったはずだった。

母「この白菜美味しそうね。」
『そうね、二人だから半分でいいかな。』
母「ごぼう」
『…』 通り過ぎる。
母「ピーマン」
『家にあるからね。』
母「トマト」
『家にあるからね。』
母「お赤飯」
『そうね。お昼に食べようか』
母「唐揚げ」
『お赤飯と一緒にね。』
母「おやき」
『え〜、今お赤飯買ったし、唐揚げもでしょ。』
母「美味しそう」
『そうだね。じゃあ、お赤飯は夕飯かな?』
お会計がすみ、外へ出ると、マルシェで美味しそうなものがたくさん!
母「焼き鳥」
『…』 こんなに買っちゃったら、きっと食べないものが、無駄になっちゃう。
野菜もたっぷり2週間分かな?献立考えなきゃ?

翌月曜日からの平日、冷蔵庫の中身を考えながら、夕飯の献立を考える日々。
水曜日残業 夕飯に母が食べたいと言っていたラーメン、ラーメンだけのためにスーパーにも寄れず(なぜだろう?)でもテイクアウトも罪悪感(なんで?)。
仕方なくスーパーに立ち寄り、結局またラーメン用の野菜パックに手が伸びて罪悪感。(冷蔵庫の野菜たちよ、ごめんなさい。)

帰宅して必ず母に聞くこと
『お昼何食べた?』
「お腹すいたからこの間のお弁当食べた。」
『…』 え〜 お腹すいてないってことだな〜
案の定
母「急がなくっていいよ、今食べたばっかりだから」
がっかり…

どうして人のために献立考えちゃうんだろう?
テイクアウトに罪悪感を感じているけど
母はその方がいいのかな?
今日もだったらテイクアウトにすればよかった。
そろそろ冷蔵庫の野菜たちはくたびれてきている。

罪悪感 何に?誰に?じぶんに?