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【海外旅行】オーストラリアは最高です

人生を見つめ直す旅

社会人として10年近く働いてきた私は今後どのようなキャリアを築いて、何を目標にして生きていけばよいのかわからなくなっていた。そんな時にふと思い立った。オーストラリアにもう一度行ってみたい。自分の生きる軸となる何かが見つかるのではないかと思った。

人生初の海外一人旅はオーストラリアだった。社会人になる前に海外で語学留学がしたいと思い、日本が真冬の季節に真夏のオーストラリアに飛び立った。ワクワクと刺激に満ち溢れた1ヶ月間。ホストファミリーは明るいお母さんとユーモアたっぷりなお父さんに子供3人と犬、家はプール付きで庭でバーベキューという絵に描いたような(picture-perfect )家族だった。そして語学学校で出会った世界中の仲間との時間は人生の貴重な宝物となり、自分の価値観を大きく変えたのだった。

オーストラリアは最高だ

約10年ぶりとなるオーストラリア。突き抜けるような青い空と青い海。日差しは強いがカラッとした空気で風が心地いい。真夏から秋に向かう季節で半袖で過ごせる。周りは外国人ばかりで英語が飛び交う環境が自分の気持ちをリセットしてくれる。カフェやアイスクリームのお店に入ればレジで店員さんが「How are you?」と笑顔で声をかける。「I'm really good, thank you. And you?」何気ない会話がとても心地いい。支払いを終えると「Have a nice day.」と笑顔で声をかけてくれる。世界共通語は英語ではなく笑顔だということを現地の人は教えてくれる。同時に英語がもっと話せれば自分が笑顔を与えることもできるし、世界はもっと広がると思った。

旅の目的

今回の旅の目的は自分の人生を見つめ直すこと。ありのままの自分の気持ちを感じて新たな気づきを得たいと思った。留学の時に通った語学学校とホストファミリーなど思い出の地。残念ながらホストファミリーには予定が合わず会えなかったが、当時の語学学校に行ったり、ビーチでのんびりしたりカフェを巡った。この景色や空気を記憶に残しておきたいと思い、携帯のカメラで写真を撮りまくった。

事件

旅の最終日が迫ってきたある日。以前から訪れたかったビルズ(bills)に行くことにした。ビルズは世界一の朝食とも言われるほど美味しいモーニングを提供している。特にリコッタパンケーキは人気があり、日本でも行列ができる有名店だ。そんなビルズの第1号店はオーストラリアにある。私は日本でも行ったことのなかったビルズに行ってリコッタパンケーキを食べてみたかった。

朝早くホテルを出発し、シドニーの中心部から電車で数駅の場所にビルズ本店はある。iPhoneのマップで場所を確認しながら店に向かって歩いていた。その道中、一人の白人男性に声をかけられた。電話を少し貸して欲しい、友達が迎えに来るが電話がないので連絡がとれないといった内容だ。何も疑うことのなかった私は親切心からiPhoneを手渡した。そして男性の横でその様子を眺めていたところ、その男性は私の携帯で電話をしながら歩き始めた。私は男性に早く携帯を返すように言ったが返そうとしない。オーストラリアで出会った人は皆いい人ばかりで何も疑わなかった私が悪かった。男性は私の前から消えてしまった。慌てて探したが男性は見つからない。私の大切なiPhoneは盗まれてしまった。自分はなんてバカなんだろうと自分を責めた。

警察へ

自分の甘さと世間知らずを思い知りながら落ち込んだ。携帯電話が盗られたことはまだ仕方なかったが、その中の写真まで無くなってしまったことがショックで仕方なかった。保険を使えばiPhoneは返って来るかもしれないが、この旅の思い出の写真は戻らない。

気落ちしながらも意を決して警察に向かった。現地の人に警察署の場所を尋ねながら歩いた。近くまで来たところで「ファウンテン」という言葉を使って案内された。「ファウンテン?」相手のジェスチャーでわかった。fountain(噴水)のことだ。警察署は噴水の近くにあるという説明だった。本当に英語がわからないなぁとまた落ち込みながらもなんとか警察署を見つけた。

英語力

やっとの思いで警察署に到着した。iPhoneが盗まれるまでの一連の出来事を全て話した。相手の警察官は私の説明をしっかりと聞いた後、こまめに確認しながら事件の概要を整理していた。私の拙い英語は警察官のおかげでなんとか伝わったようだ。警察官が言うには状況はわかったが、その携帯はきっと戻らないだろうとのことだ。そしてこの件に関して何か分かればメールで連絡するということで終わった。仮に犯人が捕まったとしても携帯は返ってくることはないだろし、やることはやったということで当初の目的地であったビルズに向かうため再び歩き出した。

まさかの結末

警察署を出て2〜3分歩いたところに一人の男性がベンチで寝ていた。さっきの白人男性だ。まだ夏の暑さが厳しい気候にもかかわらず、パーカーを着てベンチで寝ている姿は明らかに異様だった。すぐに警察署に戻り警察官と一緒に犯人のところに向かった。そこで犯人は現行犯逮捕。警察官が言うにはおそらく犯人は薬物中毒とのことだった。身に危険が及ばなかっただけでもよかったのかもしれない。結局、犯人を捕まえることはできたが、私の大切なiPhoneは見つからないままであった。

おわりに

オーストラリアで人生を見つめ直す旅はiPhone盗難事件で完全に塗り替えられてしまった感はあったが、現地で警察官と話したこと、最後に犯人を捕まえたことは稀な経験であり、海外は危険ということを身をもって体感した。HappyなこともUnhappyなこともあった旅行だったが、それでもオーストラリアは最高だと思った。青い空と青い海、笑顔が印象的で素敵な人が多い国は自分をリセットしてくれた。

これからも自分の人生はいろんなことに挑戦し続けながら探していくことになるが、笑顔を大切にしながら人生を旅するように生きたいと思った。そして、いつかまたオーストラリアに行きたい。




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