自律神経が乱れた時に凄く効果的なテクニック
お久しぶりです皆さんあゆむです。
コロナによる緊急事態宣言が解除された地域も多いですが、まだ元通りの生活になるには時間がかかりそうです。生活習慣が以前と比べて大幅に変わったことで自律神経が乱れた方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?。
かくゆう私あゆむも最近油断していたのに加えての巣ごもり生活で、久しぶりに軽い自律神経失調症になってしまいました(笑)。
ほんとに何度体験しても自律神経の乱れというのは嫌なものです、心が休まらない+ネガティブになる+イライラするしで生きた心地がしません。そこで今回は自律神経の乱れに凄く効果的なテクニックを紹介したいと思います。
その名も自律訓練法というのですが、これはリラックス効果が大変大きく、自律神経が乱れた方はもちろん、不安障害・強迫性障害、パニック障害、HSP等の神経が昂りやすい方には大変有効なテクニックです。
もちろん不眠や焦り、心配、動悸、緊張、緊張性の頭痛等個別の症状にも効きます。
自分は上記の症状をほとんど多かれ少なかれ持っている筋金入りの神経症型?人間なのでいろんなテクニックを試したのですが、神経を鎮めてリラックスする効果はこの自律訓練法が一番高いんじゃないかと個人的に思っています。
(ただ、効果が高い分注意点もあります、心臓の疾患がある人、糖尿病の人、頭痛の持病がある人、脳波に異常がある人、急性精神病や統合失調症の激しい時期の人、妄想性の精神疾患のある人は悪化する危険があるようです。また、その他の心身の疾患を持っている人も注意が必要な部分がありますので、心身に何らかの疾患をお持ちの場合や、その心配がある方は必ず医師と相談の上行って下さい。)
自律訓練法とは
自律訓練法はドイツの精神医学者であるヨハネス・ハインリッヒ・シュルツによりつくられたテクニックです。彼の名著である「自律訓練法」の初版が出版され自律訓練法が世に出たのが1932年なので、かなり古くから現在まで使われている息の長い信頼できるテクニックです。
この技法は催眠療法をベースに作られていますが、頭寒足熱などの東洋的な思想も取り入れられています。というのもシュルツはこの技法をつくる際、禅やヨガからヒントをえたそうです。また繰り返し自分で訓練して効果を深めていくという点でも禅やヨガと似ているといえます。
そしてこのテクニックの基本的な目的は、ずばり緊張の緩和そしてリラックスです。先にあげたシュルツの著書の副題が”集中的自己弛緩”となっている事からもこれは明らかではないでしょうか。
自律訓練法の効果
緊張の緩和とリラックスに大きな効果がある自律訓練法ですが、それだけではありません、ではこのテクニックの効果を詳しくみて見ましょう。
1.蓄積された疲労の回復がえられる。
2.イライラせず、おだやかになる。
3.自己統制力が増し、衝動的行動が少なくなる。
4.仕事や勉強の能率があがるようになる。
5.身体的な痛みや精神的な苦痛が緩和される。
6.内省力がつき、自己向上性が増す。
(佐々木雄二・1976年・創元社・自律訓練法の実際・p40)
と、このように幅広い効果があるもよう。
そして実際どのような症状の人にこのテクニックが使われるかというと、、不安、緊張、恐怖などを主な症状とする神経症(不安障害や強迫性障害、パニック障害等)や、心理的ストレスが強く影響している各種の心身症(気管支喘息、本能性高血圧、心臓神経症、片頭痛、胃・十二指腸潰瘍、過敏性大腸症候群、、、etc)の治療に使われるようです。
やはりストレスや神経過敏がからむ症状にはよく効くようですな。
自律訓練法に入る前の準備と心構え
自律訓練法に入る前の準備を簡単に書いていきます。
まず、なるべく外部の刺激が入らないリラックスできる落ち着いた環境を選びます。そして、あまり身体を締め付けないゆったりした服装で行いましょう。
またトイレに行きたい場合はトイレに行っておき、空腹の時はなにか食べておいて下さい。外部的にも内部的にもストレスがかからない事が重要です。
行う姿勢ですが3つの基本姿勢があります。
1.仰臥位(上向きに寝た姿勢)
2.単純椅子姿勢(普通の椅子にもたれかからず座る姿勢)
3.安楽椅子姿勢(ソファーなどにもたれかかって座る姿勢)
この中で一番効果が出やすいのは1番の寝た姿勢のようです、自分もやはりこの姿勢が一番効果がでます。ただし他の姿勢でもしっかり効果はでますし、自分はいいのかわかりませんが胡坐や坐禅の姿勢でもやっています。
まあ自分がリラックスできて、あんまり変な姿勢じゃなければいいのではないでしょうか、たぶん。
さて、姿勢が決まったら軽く目を閉じたら背景公式「気持ちが(とても)落ち着いている」を心の中で唱えます。
ちなみに自律訓練法では心の中で繰り返す決まった言葉の事を公式といいます、なんか数学っぽくて独特ですよね。
ちなみにこの公式を心で唱える際は強引に強く唱えるのではなく、受動的受容的に唱えるのがポイントです。
この背景公式を例にとると「気持ちをおちつけるぞー!」というのではなくてあくまでやんわりと、そして既に落ち着いている気持ちに気づくというような感じで唱えます。
ここらへんは以前書いたマインドフルネスのコツとも共通する部分だなと感じました、やはりこういった手法では我が出て強引にやると良くないんだと思います。我が出るとどうしても神経は緊張の方向にいっちゃいますからね。
これは本番の公式を唱える際にも重要なポイントになってきますので良く覚えておいてください。ただしそんなに難しく考える事もなくて、リラックスしてやんわりっていう感じでいいと個人的には思います。
自律訓練法の6つの公式
では自律訓練法のメインである標準訓練の6つの公式を紹介しましょう。
背景公式で気持ちが落ち着いてきたら第一公式に移ります。
第一公式「両手両足が重たい」 重感練習
「両手両足が重たい」と心の中で腕や足の重さを感じながら唱えます。最初は自分の利き腕からはじめます、指先から肩までぼんやりとした受動的な注意をむけながら感じ、そして利き腕が右手なら右手が重たいと心の中で唱えます。
そうすると力が抜けるからか実際に手が重く感じられるようになってきます、右手にその感覚が出るようになれば左手も同じ要領でやっていきます。そしてそれができれば両腕同時に感じていきます。それもできれば両足へと範囲を広げていき、最終的には両手両足同時に重たさを感じていきます。
ただ手に比べて足は重感を感じにくいので、ある程度感じられたらOKみたいです。ちなみに自分は面倒くさがりなので最初から両手両足一気にやってました。
第二公式「両手両足が温かい」温感練習
重感が出るようになったら今度は「両手両足が温かい」と心の中で唱えます、要領は第一公式と全く一緒です。これも感じながら公式を繰り返していくとリラックスして血行が良くなったからなのか、実際に温かく感じられるようになってきます。これも慣れたら両手両足同時にやっていくといいでしょう。
第一公式と第二公式は自律訓練法の中では基本的かつ重要な位置づけであり、この二つが出来たら普通のストレス対策としては充分とも言われています。
第三公式「心臓が静かに規則正しく打っている」心臓調整練習
先の第一と第二公式が充分出来るようになったら、第三公式です。心臓の鼓動に意識をやんわりと向けつつ「心臓が静かに規則正しく打っている」と唱えます。
もうだいぶ心身ともにリラックスしていると思うので心拍数も下がり、鼓動は静かになっています。
ただ公式を唱える事でより静かになってくるので不思議です、やはり暗示が効いているのでしょうか。
ヨガのマスターは心臓の鼓動をコントロールできると聞いたことがあり、半信半疑だったのですが、どうやらある程度は自分でもコントロールできるようです。
ちなみにこの公式は心臓に影響を及ぼすものなので、心臓に持病がある人、また心臓が悪いと思っている人も行わないほうが良いそう。そういう方々はこの公式を飛ばして次の公式に進んで下さい。
第四公式「楽に呼吸をしている」(呼吸調整)
ここまで進むとかなり心身共にリラックスしているので、心臓の鼓動と同じく呼吸も穏やかになっているハズ、それを感じつつ「楽に呼吸をしている」もしくは「呼吸が楽だ」と唱えます。
これも不思議なもんで公式を唱えるとさらに楽になってきます。
個人的にはこの公式までくるとホントに落ち着いてきます。
この公式は呼吸に関わるものなので、呼吸系の病気(気管支喘息、過換気症候群)がある方は行わずに次の公式に進んでください。
第五公式「お腹が温かい」(腹部温感練習)
ここでいうお腹とはもともとは太陽神経叢のあたりらしいのですが、位置はみぞおちとへその中間あたり、そしてお腹と背中の丁度真ん中にあるそう。
そこを意識しながら「おなか(太陽神経叢)が温かい」あるいは「胃のあたりが温かい」ととなえます。
自分はこれがあまり出来ていないのですが、できるようになるとあがり症に効果があるのだとか。
この公式も注意が必要な人がいまして、胃・十二指腸潰瘍の方はとばしておいたほうがいいとのこと。他の腹部の症状を持ってる方も医師の指導の下でないかぎりやめておいたほうがいいらしいです。
また糖尿病の方は特に注意が必要のようなので控えたほうがいいでしょう。
第六公式 「額がここちよく涼しい」(額部涼感練習)
最後の公式です。おでこのあたりに意識を向け、公式を唱えながら額にかすかに涼しい風が吹き抜けているイメージを描くといいでしょう。
今までは温感が多かったのですが、この場合は涼感です。これはリラックス効果より冷静にスッキリとする効果を狙ったものだと思います。
東洋では昔から頭寒足熱の状態が最も良いとされてきました、この公式はそれを目指したものでしょう、この公式までできたら完璧でしょう。
この公式をしてはいけない人は、もともと頭痛のある人、片頭痛やその他の血管運動性頭痛のある人、てんかん、頭部外傷後遺症など、脳波に異常があるといわれたような人です。
消去動作
これで公式は終わりですが、どの段階で終わるにしても必ず消去動作を行わなければなりません。
何故かというとこの技法は催眠療法をベースに作られているので、行う人は催眠状態でまどろんだような状態になっている事があります、その状態のまま日常生活に戻るのはあまりよくないので消去動作を行うというわけです。
やり方は簡単で、両手で何度かグーパーを繰り返します。そして今度はこぶしを握った状態で少し力を入れて腕の曲げ伸ばしを5回ほどします、最後に大きく背伸びするようにして2.3回深呼吸をしたら目を開きます。
まだ重たい感じがあればこれを繰り返しましょう。
自律訓練法・一連の流れ
ちょっと長くなってしまったので簡単に流れを書いておきましょう。
・リラックスできる環境を整える&姿勢を決める
・背景公式「気持ちが(とても)落ち着いている」
・第一公式「両手両足が重たい」
・第二公式「両手両足が温かい」
・第三公式「心臓が静かに規則正しく打っている」
・第四公式「楽に呼吸をしている」
・第五公式「お腹が温かい」
・第六公式「額がここちよく涼しい」
・消去動作
という流れになりますが、必ずしも第六公式まで全部しなきゃいけないわけじゃございません。第二公式までとか第四公式までとかでもOKです。
ただし、どの段階で終わるにせよ最後は消去動作を行いましょう。
実際にやってみての感想・まとめ
ほんとはこのテクニックは少しずつ着実に第一公式から時間をかけてやっていくようなのですが、自分は実はかなりアバウトに一連の流れを10分くらいでやるというのをくりかえしていました。
それでもしっかりと効果は出ました。何をしても鎮まらず落ち着かなかった神経が、このテクニックによってようやく鎮まり、リラックスすることができたのです。例えると、やっと家に帰ってゆっくり休む事が出来た、という感じでした。
この感覚は自律神経の鎮静化、もっと詳しく言うと過剰になってしまった交感神経の働きを抑えるとによって得られたものでしょう。
そして冒頭にも書いた通り、興奮した神経を鎮めリラックスさせる効果はこの自律訓練法が数ある手法の中でも一番だと思います。
自律神経というのはいったん乱れてしまうと並大抵のことではもとに戻らないですし、生活習慣を改善するにしてもそれなりの時間はかかってしまいます。
しかし、そんな時でもこの自律訓練法というのは習熟していれば即効性もありますし、けっこうな自律神経の乱れも治してしまうパワーも持っていますので是非みなさんお試しください。
ただ毎度毎度同じ事を言って嫌われるかもしれませんが、生活習慣の改善が全てのベースになりますのでその点もお忘れなきように(笑)。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!
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