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冬と「うつ」

季節性うつをご存知でしょうか

季節性うつ病は、特定の季節(通常は秋から冬にかけて)に症状が現れるうつ病の形態です。典型的な症状には、憂うつ感、意欲の低下、エネルギー不足、睡眠障害、食欲変化、集中力の低下などが含まれます。

どんな症状か

DSM-5(精神障害の診断・統計マニュアル 第5版)では、「季節性パターンをもつうつ病性障害」として、季節性うつ病を説明しています。

DSM-5では、以下の基準に該当する場合、季節性パターンをもつうつ病性障害と診断されます:

  1. 繰り返しのうつ状態が、特定の季節(通常は秋や冬)になって起こり、その季節が終わると自発的に消失または軽快する。

  2. 他の季節には、そのような症状はほとんどまたは全く見られない。

  3. これらの症状が、少なくとも2年にわたって繰り返し発生する。

  4. 季節性うつ病の症状が、通常のうつ病の症状と同様であること。

原因は

この状態の原因はまだ完全には解明されていませんが、以下の要因が関与していると考えられています。

  1. 光の影響: 光のレベルが減少する冬の季節に、体内時計(循環リズムを調整する生物学的メカニズム)やセロトニンとメラトニンといった神経伝達物質の分泌に影響を与えると考えられています。特にメラトニンは、体内時計のリズムを調整し、睡眠パターンを制御することで知られています。

  2. 遺伝: 季節性うつ病は家族間で見られることがあり、遺伝的要因が関与している可能性があります。

  3. 神経伝達物質のバランス: セロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質のバランスが季節の変化によって影響を受け、うつ症状が引き起こされるとする研究もあります。

診断には、症状の季節的なパターンと患者の病歴を考慮し、うつ病の診断基準に従って行われます。治療法としては、光療法(特に冬季に日光の不足がある場合)、抗うつ薬、心理療法、ライフスタイルの変更(運動や規則的な睡眠など)が一般的に使用されます。

研究や根拠は、この状態が実際に季節によって引き起こされるという様々な臨床的証拠や、光療法が症状の改善に効果的であることを示唆する研究に基づいています。ただし、季節性うつ病に関する研究はまだ進行中であり、完全なメカニズムや治療法についての理解は進化していると言えます。

光の影響

季節性うつだけじゃない、太陽のチカラ

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