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アラサーにして高速デビュー

コロナのため、移動はもっぱら車。
もちろん、不要不急のこと以外では外出は自粛を継続している。

東京の感染者数が過去最多となり、地方住みのわたしは、都会の脅威に毎日ビビって過ごしている。
東京に住む彼に「東京は母数が多いから」と改めて言われ、なんだかはっとした。
東京だけが特別じゃない。引き続きヤバいのはどこも一緒なのだ。

そんな危機的状況でも、新たな能力に目覚めるきっかけはどこにあるか分からないもので、アラサーにしてようやく高速道路デビューを果たしたのだった。

わたしはどちらかと言えば、車社会では空気を読み間違えるタイプ。それが高速道路ともなれば、100キロ越えのスピード感に乗り切れず、邪魔者扱いされるのを想像せずにはいられなかった。

今までずっと避けてきたので、ETCなんていう便利なものはもちろん持っていない。

が、高速道路デビュー前日の夜。
料金所を通過するだけで支払いが完了するETCのほうが、高速道路の支払いシステムがよく分からないわたしには易しいんじゃないかと思えてきた。
いくら24時間サービスが浸透したからと言えど、わたしの検索力と読解力では、手に入れることはできなかった。(手に入れられる人は入れられるのだろうか?)

いざ、最寄りのインターから初乗り。
早くも第一関門である料金所が目を光らせているのが見えてくる。

目指すのは、ETCじゃなくて一般の料金所。「もうアラサーなのだから」と唱えると、なんだか大抵のことはなんとかなりそうな気がしてくる。

何食わぬ顔で通行券を引き抜き、無事に第一関門突破。

どんなに恐ろしいところかと、手に汗を握りながら合流地点へのろのろと進んだ。
するりと車線変更して乗っかってみれば、90キロを出してもすかさず追い越されるスピード感に焦る。

安定の80キロで走る軽トラの後ろについてからは、ペースを乱されることもなく、左車線で優雅に運転できた。

信号がなく、目的地付近のインターまで、迷うことのない一本道。下道でわけの分からない道を走らされるより断然いい選択だった。

電車賃よりも数百円高くついた。お金を払えば、まだまだ便利なサービスはたくさんあるのだなと思い知る。

もうアラサーなのだから。
生きてきた年数がそのまま自信になる。情けないときだけに使う言葉ではないのだ。



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