大月輝

好きなことを書きます。 はてなブログ→ https://hikaru-otsuki.h…

大月輝

好きなことを書きます。 はてなブログ→ https://hikaru-otsuki.hatenablog.com/

最近の記事

セーフ・プレイスは外国語とその人々

レッスンの1分前まで泣いていたのに。 そのあとの25分で笑顔になれるとは思ってもいなかった。 おかしいな、と思う兆候はいくつもあった。 睡眠時間が伸びている、友達に会う気持ちにもならない、会話がままならない、空き時間にはSNSしか見れなくなっている。 疲れているだけだろう、次の休みになれば回復するだろう、と思って二週間は経った。 あれ、と思う間に突っ張っていた神経が切れて、どうあがいても気分が上向かなくなる。 大好きな勉強も進まず、スタバの待ちに待った新作も楽しめず、伸びき

    • 適応障害になって、できなくなったこと

      今年の春、一年勤めた会社で適応障害になりました。今は休養二ヶ月目。 普通に、ホワイトな職場だったと思います。コンプライアンスもしっかりしているし、苦手な人間関係もありませんでした。それでも、精神的に崩れてしまったからには、できなくなってしまったことがたくさんあります。 適応障害で休む時、大抵「好きなことをたくさんして、リフレッシュすることが大切」とアドバイスされます。 それでも、抑うつ症状が強いと、そもそも好きなことができない。やる気も湧かない。 今も、何かをしたいと思えな

      • 本を紹介すること、開胸すること

         オススメの本ってありますか?と、よく聞かれる。個人対個人で質問してもらえると、なんだって答えたくなってしまう。  相手の好みや読書歴を聞いて、これ!と思ったものを紹介し、それが相手の趣向にヒットすると、本を読んできてよかったな、誰かの助けになったんだな、と安心する。  けれども、オススメの本を文章で、特にブログで紹介しようとすると筆が止まる。共有する対象があまりにも漠然としているし、多すぎるように感じられる。誰に?何の目的で、どうして伝えなくてはいけないのか?  確か

        • サニーサイドアップ

           手のひらを上にした時、見えるくらいの長さの爪でキーボードを叩いている。昨日は褒められたのに、もう色が剥げてきた深紅のマニキュア。  寝室にあるネイル落としを思い浮かべながら、カチャカチャのキーボードの合間に携帯をチェックする。  彼女からの連絡はまだない。爪の音が忙しくなる。  ほらね、もしかしたら彼女、私の気持ちに気付いちゃったのかもよ。後ろめたい感情は、自分の業務の中に埋もれていく。メールもプレゼンの資料もデータも、全部用意したって、彼女がこっちを振り向いてくれる

        セーフ・プレイスは外国語とその人々

          知らないって言い続けてよ

           誰も私の声なんて聞こえないような嵐の夜に  聴いてよ  私が今the 1975の曲で幸せを感じてるってこと、ストーリーで投稿しようとして嫌になった。今日でもう、4つ目のストーリーの投稿になる。  一体、GAFA以外の誰が私の現在位置を知りたいなんて思ってるんだろう?  この投稿に何の意味があるわけ?  涙が出るほど笑っている絵文字が頭の中で爆発する。よく投稿で見る絵文字。何がそんなに楽しいんだろうか、と思う私は冷めてるんだろうな、そのくせ「聴いてよ」なんて押し付け

          知らないって言い続けてよ

          時間の手綱

           今は午前何時ですか?丑三つ時を過ぎた時計を見て思う。文字盤に表示された数字を見ても、それがどういう意味を成すのかが分からなくなる時がある。午前二時、その意味は何?  仕事に疲れたのなら寝ればいいのにと毎日思う。そして毎日失敗する。数字に急き立てられて八時間以上の勤務を終えると、そこに広がっているのは空虚な流れだった。電車に乗り、私の身体も時間も横並びに流れていく。音楽を聴いたり、SNSを見ているうちに一時間弱が通り過ぎ、私は最寄駅に吐き出されている。機械的に歩く。空気がつ

          時間の手綱

          金持ちジュリエット

          十数年前、ロミオっていう目の綺麗な男の子がアプローチをしてきてね。私に一目惚れだったんだって。でも彼、私の家と敵対する家の子だったから、隠れて会うことしかできなかった。いざとなったら私のお金で駆け落ちすればいいよって伝えてたんだけど、ロミオはあんまり乗り気じゃなかった。私のお金に頼るのが嫌らしくて。 ある時、ロミオが親友の敵討ちに私の家系の人を殺めてしまった。ロミオ、青ざめて私の元に来て、今が一緒に暮らし始める時だって言うの。それはそうかもしれないんだけど、もう家同士の争いに

          金持ちジュリエット