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フリーで仕事をする、それは簡単に稼げるということではない

AIが人の仕事を奪う、とよく耳にしますが、私は
スマホアプリがプロの仕事を奪う、なのだと思っています。

プロの、イラストレーターも写真家もライターもアプリに仕事を奪われるということ


先日の話です。
会社と取引のあるデザイナー(Webデザイン)との契約を終了されるという話を聞きました。
契約終了の理由は以下の通りです。

・納期を守らない
・レスポンスが遅い
・人によって態度を変える(役職付きの言うことなら聞くが下っ端社員のことは小馬鹿にして注文を跳ね返す)
・提出されたデザインに修正を依頼すると機嫌が悪くなる

プロとしてのプライドを持ってお仕事をされているのだとは思う、
ただそのプライドが依頼者側のストレスになる
だったら<契約解除する>という結論に至る。

通販サイトのページ作りは社員ができるようになった

アパレルの内勤をしていた時の話です。

通販サイトの立ち上げと運営に関わっていたのですが、
サイト立ち上げの時は商品の説明のライター商品撮影のためのカメラマンを雇っていました。
けれど通販での売り上げ(粗利)が外注(ライターとカメラマンに支払うギャラ)に支払う分に消えるということで自分たちでやることに

実際やれちゃうんですよね。

商品撮影後の加工は画像加工ソフトを少し使えればできる。
なんなら撮影から加工までスマホだけで完了する。
広告媒体用の写真ではないし、
1シーズン掲載するだけの商品なので
そこまでのクオリティは必要ではない

じゃあスタッフが撮るのでいいか、になる。

商品紹介の文章も同じこと。
サイズや色展開、商品に関する詳細情報をライターにメールで伝えるのですが、
そのメールの文章は手を入れたらサイトに掲載できる商品紹介文になる。

ライターやカメラマンに発注する手間が省け、上がり(返信)を待つ時間がなくなる。

サイト掲載までのタイムスケジュールを社員側でコントロールできる、
商品を販売する側にとってメリットしかなく、
お金をかけて効率も悪い外注はデメリットとなる。

アパレル内勤時代にフリーのライターやカメラマンを見てきましたが皆さん大変そうでした。

フリーランスといっても黙って家にいるだけで仕事が来るわけではない
仕事を取りに行く、常に営業(自分の売り込み)をしに出かけて回らないといけない



仕事が取れなさすぎて精神を壊す人もいた。
(SNSで仕事に関する愚痴や精神不安定を書き込んでいる人がいたけど、そんなのクライアントに見られたら敬遠されるばかりだよ)

そこそこ固定のクライアントを抱えているライターさんは、
みんな元雑誌社勤務で、
そこで獲得した取引先を持ったまま独立した人たちばかりでした。

今の仕事も営業部が隣のブースにありますが、
朝から鬼のような電話掛けをしてクライアント獲得に奔走してる。
今の私の仕事はそんな営業さん達がとって来てくれた案件を整えるだけ。

フリーだとそれを1人で行わないといけない。
営業先の新規開拓から営業・作成・納品・アフターフォロー、そしてもちろん納期厳守。

ネットに広告を出せば仕事の発注が大量に来るという簡単な話ではない。
(それこそネット広告だらけの中を誰が自分にたどり着けるのかという話)

プライドは大事


noteで有料記事を書いて稼ぐと書く人がいらっしゃいますが、
それはお金を出してまで読みたい記事なのか、
自分の記事にそれほどの価値があるのか、
という視点が徹底的に欠けている。

ブログやInstagramなど、素敵な文章・記事を書く人はたくさんいる。
それこそ芸能人やYouTuberなどの発信する情報が無料で読めるというのに、
文筆家でもなければ芸能人でもない個人が書いた記事が有料で閲覧してもらえると簡単に考えすぎてはいませんかね。

エンジニアになれば、ライターになれば、フリーになれば、
仕事は向こうからやってくると簡単に考えてはいませんか?

アプリで簡単にできることをあえて頼みたいと思わせる
実力とネームバリューがあるのか

SNSで精神不安や政治批判、芸能人の悪口を発信している人に
クライアント(企業・人)は仕事を発注してくるのか

プライドは大事、自己主張ももちろん大切
でもそれは仕事をする上で有効なのかということ

「フリーで仕事をしている」という肩書きに憧れて、自分の能力を直視せず簡単に「フリー」になろうとしている人が多くないですかねぇ、と考える元アパレル販売員なのでした。