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手術なき戸籍上の性別変更の実現② 転機 と 可能性

前回は こちらから ご覧になれます。

転機

2023年10月25日、千葉県松戸市から岩手県一関市に転勤した10月20日からまもなくのこと。

実の父「これ。見てみなよ。」

2023年10月25日報道
戸籍上の性別変更にあたって
いわゆる生殖不能要件については違憲
外観要件は高裁に差戻し
国会は今後 諸法令の見直しを迫られる というもの

私は日本の司法に期待をしていなかったので、この知らせを 父から聞くことになります。

いわゆるマイノリティ界隈での付き合いをパッタリやめて 久しく、「歴史的判断」と報じる意味も 父が なんだかワクワクする意味も 実のところ、当初はピンときませんでした。例えるなら 寝起きでポカンとしていて、何が起こっているか理解できない、といったところでしょうか。

奇跡であるのに間違いないが、このようなことが起こるとは 考えもしなかったな。

それよりも、報道の切り抜きがUPされているYouTubeのコメント欄を見ると、批判コメントしかなく そのことに 私は驚きました。

私の記憶では 一般の人の大半は無関心でありましたが、いつの間にか 私のような存在は ここまで非難されるようになったのか。

2023年10月25日報道
言い過ぎではなく、ホントに100%批判コメントの嵐
当事者意識の差は
ここまで 見解の差を生むものなのでしょうか

可能性

2024年11月1日。1週間分の新聞をまとめ読みすると、10月25日の一面には 例の違憲判決が掲載されていました。

「最高裁による法令の違憲判断は12例目となり」「生殖不能要件は 事実上 死文化された」

そうか。
「歴史的判断」と言われる所以は この判決が家事審判の申立人 本人のみに適用されるものではなくて、法令の要件そのものが無効となり、誰が申立をしても遍く適用されるものだからなのか。

性同一性障害の当事者のうちFtM(女 → 男)の場合、外性器の形状を問う外観要件については 昨今の戸籍上の性別変更事例を参照するに、いわゆる陰茎形成を要さず 戸籍上の性別変更ができるのか。

ということは 理屈で考えれば、申立をすれば 叶うことも あるかもしれない。

私は 新聞を読んで、途端に この法律を自分事として 考えるようになりました。

※性同一性障害の当事者のうちMtFについては、2024年7月4日時点で 外観要件として陰茎切除が必要となります。性別変更審判にあたっては、FtMとMtFで 司法判断では 性差があります。

壁の高さ

… と、ネットを漁ると10月25日より前、既に10月11日時点で 家裁にて生殖不能要件を違憲として 戸籍上の性別変更(女 → 男)が認められたケースを目にしました。

2023年10月12日報道
申立人は48歳、胸オペを受けている
最高裁の違憲判決に先立って
戸籍上の性別変更が認められた

この申立人は申立から2年かけて 性別変更許可が認められました。

「年齢的に 閉経していたから 生殖不能と同義であり、戸籍上の性別変更が認められた」

と嘘か本当か 分からない記述を見かけ。

私は 26歳で、当然 閉経する年齢ではない。
それに 要件では ないけれど、胸の手術すら 受けてはいない。

私は どれだけ時間が かかるんだろう。

申立の壁の高さを感じました。
しかし 可能性は 0ではない。

裁判所HPを見てみることにしました。

裁判所HPより
コレだけ読んだら、申立なんて すぐできそうな気がした
(大間違い)

申立書は 裁判所HPからダウンロードして 申立の主旨を書いて印紙を貼れば 出せてしまうし
戸籍謄本は 本籍地の埼玉県から郵送取得すれば 足りるのでは(間違い)。
診断書も ホルモン治療許可を得たときの診断書が2通あるからコレらを添付すれば いいか(大間違い)。

当時は 生殖不能にかかる手術を受けずに 戸籍上の性別変更をする手続き方法が 確立されていませんので、誰に訊いても「わからない」と言われることが目に見えていました。
マイノリティ界隈から 離れて久しく、詳しそうな知人も無し。
このため、私は 何ら参照先が無いまま 申立を検討することになりました。

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