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手術なき戸籍上の性別変更の実現① 前夜

ども、洸(Hikaru)です。
本日からnote投稿も実名でやろうかと思ったところです。

5月に 裁判官達との面談日が決まってから本日までの約1ヵ月は、取材を受けたり SNS等での反響に対応したり バタバタして過ごしておりました。

それはそうと、少し落ち着いてきましたので 以前から告知しておりました「手術無き戸籍上の性別変更」について 少しずつ noteを書いて行こうと思います。

最近では 手術を受けずに戸籍上の性別変更をすることは、当事者内では周知が進み、続々と事例が出てきていますので、あまり noteを書いても真新しくは ないような。

手続きそれ自体は 過去のnoteで書きましたので、そちらをご覧なさってください。
違憲判決から現在までの 社会の変化、申立にあたって私自身が考えたこと、身にあったこと等、ある性同一性障害の当事者の一経験を書くことが noteとして意義があるように思います。

note投稿者の来歴

手術無しでの戸籍上の性別変更審判の土台に立つまでに、そもそも 長い道のりがあります。

投稿者の 大まかな来歴は下記より 確認いただけます。

性同一性障害(性別不合)の当事者の方へ

このnoteを届けたいと 私が考えている層は、後の世代の若い子達です。

将来が明るいこと。
少しでも その可能性を感じて欲しくて、私はnote等で投稿を行っています。

これからの人生どうしようか、と思うとき 戸籍上の性別変更が ご自身にとって本当に必要か、考えるヒントとなれば良いと考えています。

手術無しでの戸籍上の性別変更について、当事者間でも賛否両論あります。
戸籍上の性別変更の要件を満たしていながら、意図して申立を行わない方もいらっしゃいます。
戸籍上の性別変更は 人生選択の1つであり、私は 手術無しで戸籍上の性別変更を行いましたが、これを推奨するものではありません。

•出生時の性別を明かされることによる 差別や無理解が存しないこと
•戸籍上の性別に起因する 不利益が何ら存しないこと


上記が実現された社会で、戸籍上の性別変更を行う人は どれだけいるのでしょうか。

する人はする。

それでも 私個人は上記が実現されない社会に生まれたから、戸籍上の性別変更をしました。
出生時の性別と異なる性別で差し障りなく生きられる日が到来すること、そんな社会が実現することを 私は願っています。

このnoteを お読みになる非当事者の方へ

このnoteに興味をお持ちいただき、ありがとうございます。
私は性同一性障害の当事者ですが、当事者にも様々な方が おられて、私は そのサンプル1に過ぎないことを 理解いただきたいです。

性同一性障害は「生物学的な性別とは別の性別(他の性別)であるとの持続的な確信が継続する状態」と説明されるようですが、この確信があれ どの程度の治療を望むかは 人それぞれです。

「性同一性障害」と診断される方の割合は 1人/ 10,000人とされており、そのうち 生殖線を除去する手術を受けて戸籍上の性別を変更する方の割合は さらに1/12に絞られるといいます。
手術を受けても 戸籍上の性別を変えない方もいらっしゃいますから一概には言えませんが、生殖腺の手術まで受ける方は 当事者全体で考えると 少ないであろう ことが理解できます。

手術を受けない理由は、心と身体の折り合わせがある程度上手くいき 手術を要すほどではない他に、現在は死亡事故が殆どの起きなくなったそうですが 手術による身体的負担が大きいから、金銭的な負担から 受けたくても受けられないからなど。親族からの反対を理由に挙げる方も多いです。このように 理由もまた様々あります。

性同一性障害の当事者にも 様々な身体の在り方があります。
このうちの一部の方に 2004年から 「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」にて 戸籍上の性別変更が認められたところ、2023年10月25日の生殖不能要件の違憲判決により、この審判を受けられる当事者の範囲は 大幅に広がる可能性が示されました。20年の節目に、転換期が訪れました。

•なぜ戸籍上の性別を変えるのか、社会生活上の不便、不都合とは何か
•戸籍上の性別変更までに どのような過程を踏むのか
•今後の課題

このnoteをお読みいただき、少しでも 性同一性障害の当事者の問題について 考えていただけるキッカケになれば幸いです。

前夜

2022年12月、千葉県船橋市で 働いていたときのこと。

「あなたは “ 仕事 “ のためだったら、何だって努力できますから、食や金に困ることはありません。そこは 安心してください。」

金ピカのロードスターに乗って来た輩のような私に、占い師の男性は 開口一番 この通り述べました。
この方は 会社経営をする傍ら、四柱推命を用いて占いをしているそう。結果を淡々と述べて、それ以外のことを都合良く話すことはしないから、好感が持てました。

「総合鑑定で。」という連絡しか入れておらず、確かに私は仕事の話をしようと思っていましたが、何も前触れなく お話しされるので、とても驚きました。

“ 仕事 “

私は仕事とプライベートを切り離して考えることをしないため、この言葉を聞いて 私の人生をかけての使命というか、夢ではないかと考えました。

営業マンになってから、3年目。
夢が何かか 忘れたことはないけど、いつの間にか 寝かせたままに していないだろうか。

占い師「あなたは運が、この通り各年2つか3つあって、2-3人の人生を一人で生きているようです。このため、良い運は2倍にも3倍にもなるし、悪い運も うんと悪くなることがある。浮き沈みが激しい。いわゆる吉凶混合と言います。」

そんなような 気はする。

占「極めて真面目で 競争心も強いのに、細かいことを気にしない おおらかさもあって、おちゃめさがあり、それにより周囲からギャップがある人として認知され、その人間味が 好かれるようです。」

そか。

占「2022年からの10年間は人生で1番ってくらい、運気が良いですよ。」

「2022年から2023年は 転勤の暗示があります。引っ越すのが良いでしょう。」

私「既に今年(2022年)の4月に 東京都の本社から千葉県の船橋市に転勤しているし、そんなにすぐ 引っ越すと? 現実的な話とは思えない。」

と言いながら 翌年2023年の1月に千葉県松戸市、同年10月に岩手県一関市へ転勤を命じられることになります。

占「2024年は「終結」と「休息」がテーマです。過去10年間積み上げたこと。正しい積み上げは成果となり、誤った積み重ねは失敗を生むことでしょう。体調については 良くない暗示があります。手前に そのサインが出ますから、それに気づいたら すぐに休んでください。この点を上手く調整できれば、2024年は 努力の結果が全て出揃いますから、実り多い年となります。」

当然のことながら、2023年の10月25日に人生を変えるニュースがやってくることを 私は知る由もありませんでした。

2023年9月のこと。
私は1月に千葉県松戸市に転勤していました。

課長「大滝、ちょっと来なさい。」

そんなような気はしていたが。

私「この通り 今 契約中で、PCが落ちる前に 印刷するものがありますので 待ってはいただけないですか。」
※勤務先のPCは夜になると強制シャットダウンします。

課「いや。ともかく来なさい。」

対面すると、丁度壁に大きな日本地図が貼ってありました。

課「うーんと… ここ” いっせき” と言います。」

「異動… できるかな。」

私「(いちのせき、な。)」

また 私は 使い捨てられた。

色々なことを考えました。
岩手県で専門医を探すことは難しいこと。注射を別の場所で打てるのだろうか。できなくはないことは知っていました。

ここまで耐えて また異動か。もう言い訳して断ってしまおうか。

… …

絶対に性別のことで言い訳しないと決めて今まで生きてきたのに、この程度のことで折れてどうするのか大滝。
しょうもない言い訳をするなよ。
と声が聴こえて。

PCがシャットダウンするまで あと20分。
時間もない。

その場で「行きます。」と答えました。

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