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手術無き戸籍上の性別変更の実現④ 夢を描きなおす

前回は こちらから ご覧になれます。

戸籍上の性別変更を行うことは 夢の実現にあたって正しい積み上げなのか

申立する直前まで 悩んだことは 表題の通り、私の 夢の実現にあたって これが 正しい積み上げなのか ということでした。

申立した後 裁判所に追加資料として提出した
「社会生活上不便なことリスト」

この資料についての詳細は 別の回で改めて述べますが、戸籍上の性別に起因する 社会生活上の不便•不都合は、婚姻 を除くと その他全てが 戸籍上の性別それ自体や  性同一性障害の当事者 本人に問題があるというよりも、不便や不都合(生きづらさ)を生み出す社会構造に問題があるために発生しているものです。

•出生時の性別を明かされることによる 差別や無理解が存しないこと
•戸籍上の性別に起因する 不利益が何ら存しないこと

上記が実現された社会で、戸籍上の性別変更を行う人は どれだけいるのでしょうか。

「手術無き戸籍上の性別変更① 前夜」より引用

そもそも「出生時と異なる性別で支障なく生きられる社会」が実現されていれば 社会生活上の不便•不都合も存しないのだから、戸籍上の性別変更は不要、とは言わずとも 殆ど意味をなさなくなります。

そのような社会が 希求されるべきであり、私の夢は そのような世界線にあると言えます。
それなのに現状の不便•不都合ある社会に当事者側が合わせる ことは 根本的な問題の解決になりません。むしろ 不便•不都合(生きづらさ)は温存されると考えることができます。私は それに加担することになると言えますが、果たして良いのだろうか。

私の今までの生き方に反していないだろうか。
夢を 自分から挫いてはいないだろうか。

私は このことが気がかりでした。

 「再現性ある生き方」を見つめ直す

私は 私の生き方が できるかぎり 再現性ある生き方であることを 重視しています。
完全な自己満足ですが、若い子達の参照例の1つになったら 良いなと 考えているからです。
こんなような書き物をして、投稿をしているのは このためです。

私は 他者から金銭的等の援助がなければできないことはしないし、生得的な 知能に恵まれなければできない進路選択はせず、また個人のタレント性が強く求められるような特殊な職業に就くといったことは 行いませんでした。これらは再現性が乏しいからです。

できることの積み上げをすることで実現できる、少し背伸びをしてみたらできる と思えるような。
「ちょっと頑張ってみよう」と 可能性を感じてほしくて。
そうして 明るい気持ちになってくれたらいいな と考えているからです。
まず 前向きな気持ちになって 行動しようと思えなければ、何も始まらないですから。
明るい将来と夢を描く若い子が1人でも増えたらいいと 私は願っているので、再現性ある生き方をすることは 私の指針になっています。

再現性ある生き方。

戸籍上の性別変更が 手術無しでできる可能性が示された今、若い子達は これから どのような人生選択をしていくんだろうか。

現状 戸籍上の性別変更を 行うことは 社会生活上の不便•不都合を 少しでも減らしていくために必要な手続きであると言えます。
私にとっては そうであると言える。

手術無しで 戸籍上の性別変更を行うことは、いずれ普及していくものと思われます。
まずは 早くその道を開く方が良いような気がする。1例でも多ければ その後の若い子達は 同じだけの苦労をしないと思いました。

たまたま 私は今26歳であるから、若いかどうかで言えば ぶっちゃけ ビミョーな年齢ではあるけれど、ギリギリ 若い子達が「自分もできるかも」と可能性を感じる年齢であるような気もする。

これからの 再現性ある生き方 なのかもしれない。

夢を描きなおす

私の人生計画では 想定外であった 戸籍上の性別変更は 夢の実現にあたって必要な積み上げになるのか。

依然として、戸籍上の性別変更をすること それ自体が 正しいかと考えると、先述の通り 問題があります。

しかし 手術無しで戸籍上の性別変更が 普及していくと、当事者の数は とても少ないけれど、幾分か 戸籍上の性別の意味それ自体が 段々と無くなり、考えようによっては 戸籍上の性別表記に起因する 社会生活上の不便•不都合は 結果 無くなっていくかもしれません。

結果 他に問題が発生するかもしれないが、その度に試行錯誤して 積み上げた先に 夢の実現があるかもネ。全ては この繰り返しです。

私は たまたま この時代に生まれて、この機会を得たから 天命だと思って遂行するのが 良い気がしました。

いずれ 戸籍上の性別に関わらず、また 出生時の性別に関わらず 別の性別で支障なく生きられる社会が実現するはずです。

申立の時

2023年11月8日のこと。
私は ひっそり 盛岡家庭裁判所一関支部に戸籍上の性別変更を申立てしました。

2023年11月8日
盛岡家庭裁判所一関支部にて
思い出に 紅葉を背景に写真を撮りました

これから 想定外の試練や出来事が おとずれるとは露と知りませんでした。

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