手術無き戸籍上の性別変更の実現③ 機会損失に気づく
前回は こちらから ご覧になれます。
機会損失に気づく
2023年11月1日のこと。
この頃、以前noteに認めました申立のキッカケとなった話がバッティングすることになります。
別の回で改めて述べます、性同一性障害の当事者が 戸籍上の性別変更理由として 社会生活上の不便•不都合の例として挙げられます 婚姻は、これまで 手術を受けなければ 克服不可能な問題でした。
そもそも 私は 婚姻の形態に拘りがなく、異性婚できない以上は、自力で 別の形を希求することが筋と考えていました。
しかし 25歳を迎えたころ 社内の同期の多くが婚姻し 結婚生活や子育ての話を しきりに持ち出すようになると、どの話も 私には とても現実味ある話と思えず、何周にも及ぶ周回遅れ感と、何か隔たった壁が 同期と私の間にあることに気づきます。
そして 先の違憲判決を機に、婚姻とは別の形を模索するという回り道が 1つ社会生活上の不都合であることに気付かされ、実質 婚姻以後のライフプランを諦める形となったことで 生じた 機会損失に、甚だ問題があると考えるようになりました。
権利がないことで 将来のライフプランについて考える機会そのものを 得られないということは、私個人にとって 大きな損失でした。
違憲判決を機に 今までを振り返り、私にとっては 大きな不都合(生きづらさ)となっていたことに気づかされました。
まずは 権利を得ることから始めなければ。
今 私は 申立の土台に立つことができる。
トライしてみよう。
2023年11月4日、私は 申立することを決めました。
2019年頃から 一切 性同一性障害関連のポストをやめ、気づけば マジョリティに紛れて生活していました。フォロワーも マイノリティ方がほぼおらず、私が性同一性障害の当事者だと 知られていないような状況で 私はSNS投稿をしていましたが、唐突に ポストをするようになりました。
戸籍上の性別変更の申立は 住所から最寄りの家庭裁判所にて行うこと、とある。
所在地を調べてみると、なんと 徒歩7分の距離に最寄りの 盛岡家庭裁判所一関支部がありました。
なんだか 申立しろと 言われているようなものだ。
運命かな。
申立書を書いてみる、が…
申立の意志も段々と固まってきたため、早速申立書を書いてみることにしました。
申立書を書いてみる、が…
1、2、3、4、5…
最低限の要点を書くだけで、殆ど 行数が埋まってしまう。手術を受けて申立した人と 同じような内容、アプローチ方法で 果たして大丈夫なんだろうか…
記載例を見るに 社会生活上の不便•不都合の内容の他、特例法の各要件に照らした記載がされているようだ。つまり、生殖不能要件を満たしていないなら、最低限それも分かる記載をする必要がある気がする。この記載例は 手術を受けたことを前提に考えられたものであるから、同じという訳にもいかない筈だ。
不安だ…
裁判所HP記載例を参照しながら 同様に埋めつつ、戸籍上の性別変更事由の妥当性を担保する 手術歴が全く無いため、少しでも足しになれば と申立の主旨に重みを持たせて書いてみたつもりです、が。
… 今思えば こんな長々文章を書く必要は無いと思いますネ。コレから申立する若い子達は、私ではない 端的な記載例を参照して書いてくださいネ。
この申立書の他、現在の本籍地の戸籍謄本(これだけでは不足)、ホルモン治療開始時に医師2名から取得した診断書2枚(間違い)を持参して 翌週 盛岡家庭裁判所一関支部に申立することにしました。
申立を翌週に回したのは、兼ねてからの私の夢の実現にあたって 気がかりなことがあり、計画外であった 戸籍上の性別変更の申立が その支障にならないか 今一度 考えたかったからでした。
追記 :
当時 戸籍上の性別変更申立にあたって必要書類の集め方をnoteに まとめました。
一部 情報が古いというか、現在とは 状況が変わっている箇所がありますが これから申立される方は 参照ください。