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紫丁香花の薫る頃 − 2023年 写真月記 5月 −

八重桜、水仙、チューリップ、雪柳、山吹、ライラック、ツツジ、オダマキ、藤、芍薬に石楠花。

花たちの顔ぶれは冬なのか、春なのか、はたまた初夏なのか。
5月の北海道はいい具合にブレンドされている。

肌寒い日もあれば初夏を思わせる日もあるそんな時節。
移住6年目にして毎年驚いてしまうのは、ついこの間まで冬のような気温だった地域が、5月に入ると20℃を超え夏日になる日もあること。

ソメイヨシノが散る4月末、葉桜になると眩しい新緑が一気に輝き出す5月上旬。
ついこの間まで茶色かった山はふわふわな淡い緑色。
所々にヤマザクラのピンク色が見えて、自然界の春のパステルカラーが可愛い時期。

そんな花たちが咲き誇る5月なのだけど、やはり愛してやまないのはライラック。

北海道に住むようになり、ライラックを意識したのは5月に札幌に行かねばならない用事ができてから。それから毎年、その用事の為にライラックが咲く時期に合わせて出かけるようになりました。
もはや私の中ではライラックに会いに行く為、なんですけどね。
良いタイミングの用事に感謝。

もちろん道南でもあちこちに咲くのですが、札幌のライラックは種類が圧倒的に多い。
公園や街路樹に咲いているライラックを眺めながら歩いていればどこまででも行けるくらい本当に魅力的な花。

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2023年の5月も、ライラックの咲く頃に車を走らせました。

早朝に出発し、道の駅で休憩を挟み、札幌に到着するのは10時過ぎ。
まずはモーニングの為お気に入りのカフェへ。

トーストは札幌の老舗「おかめ屋」さんの食パン

札幌の珈琲屋さんと言えば…のモリヒコさん。
いくつかある店舗の中でも、私は市電が走る線路沿いのアトリエモリヒコさんの雰囲気が好き。
季節のフルーツサンドと迷ったのですが、以前同じ季節に食べたことがあるので(苺とバナナとコーヒークリームのフルーツサンドでした)、この日は初めてのトーストセット。
分厚い食パンにバターたっぷり。

中央大きなテーブル席にはまだ座ったことがないのですが、毎回こんな風に花が飾られていてとっても気になっています。

オリジナルグッズが置いてあるこの空間も好き

その後は怪しい雲行きのご機嫌を見つつ少し街中をぶらり。
どうやら、お天気は味方をしてくれたようなので初めての中島公園へ。

緑に染まりそうなほどの新緑。
池に映るのも緑色の風景だからなおさら。

札幌パークホテルさんの外壁のレトロなブルーが好き

街の中心部から歩いても行けるほどの距離にある中島公園。
周りは住宅地や宿泊施設、オフィスビルなどですが木々が多く自然を感じながら歩くことができます。草花も綺麗に手入れをされているので花好きの私も嬉しい場所。
鴨々川が流れていることや、ボートで巡ることができる菖蒲池の存在が敷地の広さを実感させます。

はて、中島公園を流れているはずの創成川を調べていたら出てきた「鴨々川」とは初耳ですが…。

定説はないとのことですが、創成川の上流2.5Kmの区間を「鴨々川」と呼ぶのだそうです。
ということで、鴨たちの写真。

綺麗な羽色の鴨〜!と思ったら、「オシドリ」なのですね。

この子たちはマガモですね。

白いライラックしか写していなかったのですが、予想以上にたくさんの種類が咲いていました。札幌の公園、良いな〜。

海棠の木がたくさん集まっている場所を見つけました。八重桜といい、濃いピンクは緑に映えます。

公園をぐるりと歩いて、お目当てのカフェへ。

窓側の席は満員御礼。
でも私たちが座ったここからの眺めがまた素敵でした。

カフェ選びの時はなるべく外の景色が見えるといいな…と思っていて、緑が見えたらなおのこと。

中島公園を後にした16時過ぎにようやく晴れてきました。

夕暮れの大通り公園。
薄暗くなってきましたが、名残惜しいのでライラックと夕景を。
明日はライラックをたくさん撮すぞ〜!

ライラック祭りを控えて、テントが設置された大通り公園。
週末の夕暮れを楽しむ人たちで賑わっていました。

朝6時のラウンジ

札幌に滞在する時には1番多く宿泊させていただいている宿。
窓から見える緑がお気に入りのポイントの1つです。

朝食前に創成川や大通りを歩くのが札幌滞在時のルーティン。

足元にはスズランが咲く季節。

大通り公園を歩いていて目に留まったのは紫の花に白い縁取りのあるライラック。綺麗なのですが、別の写真で密集しているのを見るとちょっとグロテスク…。
突然変異でできた「センセーション」というライラックだそうです。
(どんな植物でも突然変異すると斑が入ると初めて知りました。)
実は今年も同じ時期に大通り公園へ行ったのですが、見つけられませんでした。ライラック祭りの準備中だったのでテントの影だったのかな。

この淡い紫色のライラックが1番好きかも。
おそらくフレンチライラック「プレジデント・リンカーン」

いやいや、でも定番の紫色のライラックもやっぱり綺麗!

朝食の後、札幌に住む友人にも少し会えたので、カメラを持って一緒に大通公園を歩きました。

フィルムで写した2枚。一昨年はもっとたくさんフィルムで撮っていたのに、昨年は2枚だけ。

寒さには強いけれど、暑さには弱く、冷涼な地を好むライラック。
こんなにもたくさんのライラックに会うことができる場所を、私は札幌しか知りません。

色といい、姿といい、限られた土地にしか咲かない貴重さといい…
年々ライラックへの想いは増すばかり。

あぁ、もう来年の5月が待ち遠しい。

ー ライラック ー
モクセイ科ハシドイ属
和名 ムラサキハシドイ(紫丁香花)
英語 lilac ライラック
仏語 lilas リラ

モクセイ科と知り、なるほど。。
大好きな金木犀もライラックもどちらもとっても良い香りがすることも、花の形状が似ていることも納得です。

香りって、思い出そうとしてもなかなか難しくて…
味もそうなんですけど、頭の中に蘇る風景とかとは違うのでなんとももどかしい。
でもどこからか香ってくると「あぁ、この香り!」ってなるのですよね。
主張し過ぎず、でもライラックを見つけるともうすでに香りがほわほわと纏うような。ほのかに甘く、よーくクンクンとすると少しツンと濃厚な香り。

耐寒性がない金木犀は北海道では見かけなくて毎年寂しい思いをしているのだけれど、関東に住む友人は北海道にライラックがたくさん咲くことが羨ましいらしい。

金木犀もミモザもライラックも同じ地で楽しめたら良いのにな。


ぜひぜひ、5月の北海道でライラックを見てほしいと思います。
きっと大好きになってしまう魅力的な花ということを力説して、5月の月記をおしまいにしたいと思います。

今回も読んでくださりありがとうございました。



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