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素直に「写ルンです」

「写ルンですで切り取る冬の北海道」
という記事を執筆することになり、久しぶりに「写ルンです」と過ごす日々が続きました。

「最近、修学旅行生がよく買っていくんだよ」
とは、いつもお世話になっている老舗写真店のオーナーさん。

昨年35周年を迎えた「写ルンです」が、デジタルカメラ主流となった今も学生たちに人気なのも不思議ではありません。
SNSの影響でフィルムカメラを好む人が増ていますし、「写ルンです」は最も簡単にその世界観を楽しめるカメラなのだから。

いや、もとい。
いざ使ってみると

あれ?

撮れていない(泣)

カメラを持っている自分の指、撮っちゃってるよ…

なんてことが、時々あルンです。
でもね、間違いも失敗もぜんぶ好きって思わせてくれるその記録たち。

ここでは同じ日に撮影したけれど、記事には載せていない写真をご紹介させていただきますね。

「写ルンです」1本目。
少し高い場所で、走ってくる列車を正面から撮ろうとしたのですが、シャッターを押したらフィルムが巻き切れておらず。
振り返りながら巻いて撮影したエピソード。
実はこの写真の前にも1枚同じことをしました。笑

さすがに3回目はきちんと巻いて正面から撮ることができました。

初めはなかなか感覚を掴めず、こんなハプニングもありましたが、通り過ぎた列車を素早く撮ることができたのも操作が簡単なおかげです。

週末によく、ドライブに出かける大沼国定公園。
大小の湖沼は冬になると湖面が氷結し、その上を歩くことができます。

雪解けとともに、春の訪れを告げる水芭蕉が咲く遊歩道も、この時期はすっぽりと雪で覆われています。

木々に巻き付いた枝に螺旋状に積もった雪や、小動物の足跡、雪の上には大きな雲や木立の影ができたり。
白いキャンバスは目に映るものを一つの絵のように見せてくれます。

北海道駒ヶ岳のツンと尖った頂上を撮影したかったのですが、次々に雲が流れてくるので湖面の上で飛び跳ねながら(暖をとるためです…)シャッターチャンスを待ちました。

結局、頂上にかかる雲はなかなか途切れず、
それでも、麓の一部を陽の光が照らした光景がとても良かったので、シャッターを押しました。

晴れていても数分後にはどんよりと雪雲が立ち込めて、吹雪いてくることもある気まぐれな北海道の冬の空模様。
時折、急な風雪に視界がぼんやりと霞んでも、
「写ルンです」はその景色を捉えてくれていました。

多少暗かったり、粗い描写もあるけれど、見られないことはないし、むしろそれは「記憶」として私の頭の中に残っている風景に近い。

クリスマスの次の日、木に積もった雪が水玉のようでした。

大晦日の夜、フラッシュを使用して降る雪を撮ってみたら…
空だけ⁇

初詣に行く途中、干し柿が整列したお茶屋さんの窓辺。
美味しくなりそうですね〜。

トラピスト修道院へ出かけた帰りの海。
暮れ始めた空色がとても優しい色をしていました。
水色、灰色、淡いピンク。

フラッシュで降る雪を撮ってみた、テイク2。今度は成功!

*  *  *

発売当時は、まだフィルムカメラが主流の時代。
かと言って、決して安価に買えるものではなかったはずです。

カメラを購入せずとも、カメラの操作を知らずとも、誰もが気軽に、簡単に、楽しめるよう生まれた「写ルンです」。

「撮りたい瞬間を撮る」
素直な気持ちのままに。

今のように、シャッタースピードとか、絞りとか、カメラや写真のあれこれを知るわけも、考えもしなかったあの頃に撮った写真を思い出して懐かしく思います。

いまだから私が興味深く感じた「写ルンです」の特徴や、ポケットに入れて持ち歩きながら写した、普段の北海道の冬の風景写真を並べました。

【ONE SCENE】の記事、今日のnoteとリンクさせて眺めいただくのも楽しいかと思います。

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