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仕事が暇な時、つまらない時、何をしてますか?

365日仕事が楽しくて仕方がない、明日の仕事が楽しみで寝れない、仕事中に脳汁が止まらない、、、そんな状態の人もいますが、そういう人ばかりではないですよね。

今回は「暇になった時」「つまらない仕事ばかりの時」にどうするか。そこから、Growth Mindset、「環境を変えることの是非」について触れていきます。

「自習」に向かう人が多すぎる

Inputは麻薬

私の周りで「仕事がつまらないな」と感じた人の多くは、「自習」に向かいます。つまり、TOEICや簿記やUSCPA、、、そういった資格を取るために出来る限り早く「つまらない仕事」を終わらせて勉強時間を確保しようとする、ということです。その背景には

“つまらない仕事や暇な状態から得るものはない。勉強してスキルを一つでも身につけよう”

おそらくこういう思想があると思います。

私は自習自体は全く否定しません。知識や資格は武器になりますし、やらないよりやった方が絶対に良いです。

私自身、初期配属部署は仕事の繁忙にとても大きな波があったので、空いている時間を使って証券アナリスト資格を取得しました。この時得た知識のお陰で、その後の多くのアサインメントをクリアすることが出来たと思います。

しかし、誤解を恐れずにいうと「Inputは簡単」なのです。特に大学受験や複数の受験を乗り越えてきた方々にとって、勉強することは得意分野。目標もはっきりしているし、自分の進捗もある程度掴める。充実感も得やすい。

なので、「Inputを始めると、その充実感に酔ってしまいOutputが疎かになる」という現象が発生しかねません。

Inputはコモディティ

Inputして得られる情報というのは「誰でも得られる情報」です。その取得の難易度が違うだけです。

昔は「その情報に至るための難易度」✖️「情報を吸収する難易度」でしたが、前者はGoogleさんのお陰で大きく下がりました。そうなると、根気か頭脳があれば、皆が自分のものに出来る訳です。そこで差別化するのは大変に厳しい。

何が勝負を分けるか。これからは「その情報の使い方」しかないのです。情報を自分なりに咀嚼し吸収し、そして他のものと掛け合わせるか。その為に我々のような一般人が出来ることは、Outputを繰り返す。これしかありません。

自分で考えたことを世に出してみて、それに対して反応を見て、評価をもらい、次に生かす。このサイクルを繰り返した者だけが「Inputをして意味があった人」になります。

Outputを促せる組織とは(初期配属を振り返って)

とはいえ、Outputするのは怖いものです。自分の成果・価値を見える化するのですから。しかし、私は初期配属部署で勝手に分析して、勝手に資料作って提出していました。

もちろん使って貰えることの方が少ないですが、このOutputの繰り返しが、自分で勉強した簿記一級やら証券アナリスト資格を通じて得た知識を血肉に変えてくれたと思っています。

では、なぜ私がそんなことが出来たのか?元々物怖じしない性格、というのもありますが、一番大きかったのは「Outputの質は厳しく評価されるが、そのトライ自体を否定されることはなかった」ことでした。

つまり、心理的安全性が担保されていたのです。心理的安全性は二つ前のnote(リンク埋込)でも紹介しましたが、

“チームの他のメンバーが自分の発言を拒絶したり、罰したりしないと確信できる状態”

エイミー・C・エドモンドソン, 恐れの無い組織, 英治出版, 2021 年

のことです。「1年目・2年目の若僧の分析なんか」という態度を取られたことは一度もなく、真剣に向き合ってくれました。そういう上司に巡り会えたことと、私自身の性格が掛け算されて、Outputを続けられたのだと思います。

読者の方で組織のリーダーだったり、上司だったりする方がおられましたら、是非そういった姿勢で向き合ってみてください。大化けするかも知れませんよ。

Growth Mindsetという考え方

近年、Growth Mindsetという考え方が注目されています。これは、一言で言えば

能力は努力や方法によって変えられる

ということで、とても当たり前のことのように思えます。

ですが、2014年にマイクロソフトCEOに就任したサティア・ナデラ氏は、このGrowth Mindsetこそが企業の成長において必要な考え方だと捉え、それを植え付けるための大規模な取り組みを行い、右肩下がりだった業績を立て直しました。(同氏著「Hit Refresh」より。リンクは最下部に)

「自分の能力は努力によって開発可能」と心から信じられるマインドを持つことで、チャレンジに対して前向きになることができ、失敗もFailではなくOpportunityとして捉えられるようになる、というものです。

私は、この考え方を持っている上司と巡り会えるかどうか、が各人のキャリアにおいて物凄く大きな分水嶺だと信じてます。自分の部下や後輩に対して「貴方は絶対に成長できる。それを全力で支援します」という姿勢を持てる上司や部下であれば、自然と心理的安全性も付いてくると思います。

私はそういう人間で居続けたいと思いますし、是非そういう人がどんどん増えて欲しいなと思っています。Growth Mindsetを提唱したスタンフォード大学キャロル・ドウェック氏のTED講演を載せます。10分ほどの動画ですので、是非。
(英語教材としても優れていると思います)

では、運悪く「心理的安全性のある組織」や「Growth Mindsetのある上司」に出会えなかったらどうしたらいいのでしょうか。

「石の上にも三年」は辞書から消しましょう

日本には沢山の諺がありますが、その中にはもう伝承しない方がいいものもあると思ってます。そのうちの一つが「石の上にも三年」。

日本人の「美徳」を体現したような諺ですが、石の上に三年いても何も起きません。腰やら足やらを痛めるだけです。

この諺のせいで、コロコロ場所を変えようとすると「辛抱がない」とか「堪え性がない」とか、「環境のせいにしている奴はダメだ」とか言われます。しかし、「我慢」は成果が期待出来るからこそするものです

何の見返りもないのに、肉焦がし、骨焼く鉄板の上で焼かれたい人、いますか?

本当にその組織で成長出来ないのなら、先ず環境を変えましょう。石の上からトランポリンの上にでも移動しましょう。そうしたら運動神経も良くなり、オリンピックにも出れるかもしれません。石の上は・・・いる意味ないですね。

何が言いたいかというと、

「今いる組織に不満があり、仕事もつまらないから自習しよう」という決断にすぐ至らないで欲しい

ということです。その状態が続くと、どんどんInput過多・Output欠乏になり、結果的に使いこなせない道具が大量に足元に溜まることになります。

心理的安全性のある職場、Growth Mindsetを持った方は沢山存在します。「あ、運悪かったな」と思い、堂々と職場を変えてください。

周りに何か言われても、自分の人生です。無視して素敵な職場環境を追い求めてください。私も、そうします。

おわりに

私の12年間の社会人人生を3つに分けると、こうなります。

初期配属:心理的安全性めちゃ高組織
二箇所目:心理的安全性めちゃ低上司
     (でもGrowth Mindsetはあるという奇妙な上司)
三箇所目:独立独歩

自分が最初に「成長」を実感したのは二箇所目ですが、こうやって書いてみて、初期配属の部署の環境がとても大きかったのだなと理解することが出来ました。

これから人を率いることも増えてきそうなので、改めて「愛」と「Growth Mindset」を大事に生きていきたいと思います。

このnoteが皆様の人生の何かしらのヒントになっていましたら幸いです。では、また次回お会いしましょう。

細田 薫

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