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枯 れ 花

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悲しみは 涙より多く
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2023年12月の記事一覧

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

もしも 今 居る
この難解で 複雑な迷路に
『出口が在ることが約束されている』と
この世界で一番偉い人が言うなら

君の手は温かで 柔らかで
酷く愛おしいのだけれど

『出口なんて 在りはしない』と
この世界で一番偉い人が言うなら

君の手は ただただ 重いだけなんだ

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

死神が死んだので
医者と棺屋は失業した

歴史屋は馬鹿らしくなって筆を折ったが
退屈に負けて記録を再開したらしい

予言屋は洪水の到来を予言し
誰もが方舟造りに精を出したが
港に並んだ方舟は全て小さく
どれも一人しか 乗れそうにない

あヽ世界とは 世界とは
綺麗事が無ければ 分かりやすい

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

最終列車が大深夜まで延びて
今日と昨日の境は あざといから
僕と 僕たちは
知らなければならない事が たいへん増えた

それは だけど
とても幸せなことかも知れない

破壊をもって
持ち切れない様な 嘘と嘘と嘘
今更と言うのも 今更だ

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

スナフキンの帽子が欲しいな

テレビの上に置いて
毎日 素敵な話しを聞かせてもらうんだ

僕が餓死するまで
いや 餓死しても ずっとだ

でも 解ってる 解ってるさ
被っちゃいけない

この僕はスナフキンじゃないし
スナフキンにはなれないのだから

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

明日の晩ご飯はハンバーグを食べに行こう

今日はなんでかな 少しもお腹が空かなくて
ジーンズを たくし上げ 夜の川を歩いた

転んで びしょ濡れるのを
心の端っこで望んでた

対岸に着いて 今日も独りぼっち

なんて簡単に僕は生きている

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

Jazzって どんな音楽ですか
って 聞かれても

僕は こんな風にしか言えないから
いつだって間違っていくのだけれど

日常が直線とするだろ
それを裏切る様な 直角や急斜角であったり
時には分断する様な
クールなスリルなんだよ

って 先ず自分に説いてから

相手には 解らないや
って 言うんだよ

いつも いつ時も

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

君が永遠なんかを欲しいって言うなら
腹を抱えて 思いっ切り笑ってやるから
なにも心配するなよな

僕の愛は 大体 学校のプール 一杯分

そりゃ淀むから 濁るけど
夏の間くらいは
疲れていても 涼しく楽しませてやるよ

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

愛だとさえ言えば
許される気がするんです

それは 正義だと言うより
もっと ずっと 確かに

許される気がするんです

滅ぼしても 滅んでも
泥を噛んでも 噛ませても

許される気がするんです

愛だとさえ言えば
それを 愛だとさえ言えば

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

お金なんて要らない
なんて 言えない

愛と希望に唾を吐く
なんて 出来ない

錬金術師のフラスコが
錬金術師のフラスコが
防弾ガラスなら どうしよう

流れっぱなしの涙を
拭わずになんて居られない

この花束を
この花束を
ガードレールには まだ飾れない

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

世界が君の敵に回るなら
僕も君の敵に回るだろう

僕は君を世界に一人だとは言わないし
君が僕を世界に一人だと言えば
僕は君を信じない

その上で 君を愛すると言う僕を
どうか君よ 愛してくれないか