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生まれ変わる街角: 土地の変容と地域社会

私の住む町には、かつて、賑やかなマンションが存在していました。家族や若者、高齢者たちが行き交う生活感溢れるマンションで、私たちは町内会のイベントを中心に様々な交流を楽しんでいました。しかし、建物はやがて時の流れと共に老朽化し、最終的に取り壊しの決定が下されました。マンションが消え、一面の更地となったその時、私たちは新たな可能性に期待しました。

しかし、その期待はすぐに打ち砕かれました。取り壊されたマンションが消えた後、最初こそはスッキリとした空間であったものの、その土地は少しずつ荒れ始めました。自生の草木が闊歩し、人々が通る度にその姿を見せつけていました。土地を囲っていたフェンスは錆びつき、放置された状態で風に揺れ、不法投棄の現場と化しました。地元の不良たちもバイクを乗り付け、たむろするようになり、治安も悪化し始めました。脇を通るのもはばかられるようになりました。

ある日、市の業者がその土地に姿を現しました。彼らはその土地の再開発を開始し、一日も早く元の美しい状態に戻すべく努力を始めたのです。まずは草木を刈り取り更地に戻ってからは、再び生命力を取り戻し始めました。古くなったフェンスも付け替えられ、コンクリートの舗装が始まり、再開発の過程で新しい公園が形成されていく様子は、私たちに新たな希望を与えてくれました。

そしてついにその日が訪れました。かつての更地が、新たな公園として生まれ変わったのです。公園に生まれ変わったその土地は、清潔で爽やかな場所として再定義されました。公園の存在は街の風景を一新し、新しい生活のステージを提供しました。今では親子連れが集まり、子どもたちがキャッキャと遊ぶ場所となり、人々の笑顔と活気があふれています。通り掛けに、ふらっとのぞいてみるようになりました。

また、公園ができてからは、以前のような不法投棄やバイクの乗り付けは全く見られなくなり、治安も大いに改善しました。公園が生まれたことで、土地の価値だけでなく、周辺の環境も改善されたのです。

私たちはこの一連の変化を通じ、土地を管理すること、再開発することの重要性を痛感しました。荒れた土地を見ると心がすさむ一方で、活気のある空間を見ると気分も晴れやかになります。土地は単なる場所以上のもので、私たちの生活を形成し、社会を作り上げる重要な要素です。そして、それを守り、発展させる行為は、私たち一人一人、そして私たちの共同体にとって非常に重要なことであることを学びました。

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国土交通省 「土地」に関するポスター・絵手紙、エッセイを募集します!
~令和5年度「土地月間」作品コンテストの実施~

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