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「山頭火全句集」を一章ずつ⑭⑮

「山頭火全句集」を一章ずつ読んでいくこの試み。

今回は「大正十五年」「昭和二、三年」の章です。

         分け入っても分け入っても青い山

           鴉鳴いてわたしも一人

有名なこちらの二句は、「大正十五年」の章にありました。

意外です。

こんなに有名な句ですから、もっと山頭火が年を取ってから作られた句なのかと思っていました。

いやぁ、いいですよね。

私がこの本を読もうと思った理由はこの「鴉鳴いてわたしも一人」なんですよ。

「ヨルシカ」ナブナさんのボカロ、「ヨヒラ」の歌詞にこの句のオマージュがあって、「わ、絶対読もう!」って。

「思想犯」を聞いて放哉の全句集は読んでいたので「咳をしても一人」のオマージュは気づいていたのですが、「鴉鳴いてわたしも一人」のところは放哉の句集の解説で出てきて知りました。

この句、「放哉居士の作に和して」なんですね。

すごい、ナブナさんすごい!ってはしゃいでいました。

「ヨヒラ」には両方の句が入っているんだ!って思って。

「分け入っても~」の方も好きです。

私のイメージは熊野古道です。

皆さんの「青い山」はどこでしょうか。

ぜひコメントお願いします。


「昭和二、三年」の章にはこちら。

           踏みわける萩よすすきよ

がありました。

その他にも「草木塔」掲載の句がたくさんあって(というかこの章にある句は全て「草木塔」に掲載されているようです。)、見覚えのある句がたくさんありました。

やっぱり山頭火の旅中の句、好きだなぁって思います。

山頭火意外の人間はあまり出てこないし、寂しそうな句もありますがとんぼとか月、彼岸花。自然の多彩な色が山頭火には見えていただろうし、一人でも孤独ではなかったのかな。

そう感じました。

「ほろほろ酔うて」っていうのが好きで、山頭火のお酒の句って嫌な感じがしないんですよね。

受ける印象もほろほろしているというか、酔いたくてお酒を飲んでいるんじゃなくてお酒が好きだから飲んでいるんだろうなって。

「ほろほろ」の言葉の響き自体も好きです。

山頭火全句集を一章ずつ、バックナンバーはこちら↓
「山頭火全句集」を一章ずつ⑫13|ひかり/読書ノート|note
「山頭火全句集」を一章ずつ①|ひかり/読書ノート|note

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