筋肉を大きくする為に知っておく事
筋肉を大きくするためのトレーニングというと従来、
「高強度のトレーニングをひたすら行う」
最新だと
「低重量のトレーニングでも回数を増やせば高強度と同等の効果が得られる」
というようにも考えられています。
しかし近年では
「筋肥大の効果を最大化する決め手となるのは、従来考えられていた運動強度ではなく、総負荷量にある」 と言われています。
〇総負荷量 = 重量 × 回数 ×セット数
【筋肉を大きくする方程式】
<筋肥大のカギは、筋たんぱく質の合成>
・筋肉は数千から数十万本の筋肉が束になって形作られている。
・筋繊維は、1つの細胞(アクチン・ミオシン)が長くなったもの。
・筋肥大は筋繊維の一本一本を肥大させていくことで生じる
・身体は食事などで十分な栄養を摂ることで、筋たんぱく質の合成と分解が均一に保たれ、現状の筋肉量を維持することができている。
・食事+トレーニングを行えば筋たんぱく質の合成が分解を上回り筋繊維が肥大していく。
・どうすれば積極的に筋たんぱく質が合成してくれるか
カギとなるのが、
【哺乳類ラパマイシン標的タンパク質(mTOR)】
mTORは細胞の増殖や分化、自食作用などをコントロールする役割を担っています。
例えばアームカールでは、上腕二頭筋の一本一本の筋繊維が収縮することで大きな力が発揮される。
この筋繊維の収縮が、筋たんぱく質の合成を促進させるスイッチとなる。
・筋繊維が収縮しようとすると・・・
①筋繊維内にある筋小胞体から「カルシウムイオン(Ca2⁺ )」が放出される。
②筋繊維の収縮そのものが刺激となり、細胞膜を構成する「ホスファジン酸(PA)」が増加。
③細胞の成長を調整する「インスリン様成長因子(IGF-1)」の分泌が増加。
この3つの因子によって活性化されるのが【mTOR】
・3つの因子によって活性化されたmTORは、筋たんぱく質の合成を促進させる「p70S6キナーゼ(p70S6K)」を活性化し、一方で合成を抑制する「4EBP-1」を不活性化させる。
○これらの一連のメカニズムがあるからこそ、トレーニングを通じて筋たんぱく質の合成が促進され筋繊維が肥大化し、筋肉が太くなっていく。
【筋肥大を左右する「運動単位」】
・上腕二頭筋の筋繊維は、平均21万本あるといわれている。
・筋肥大をさせるには、単純に考えると21万本すべての筋繊維を収縮させればよい。
ならばどのようにすればすべての筋繊維を余すことなく収縮できるのか・・・
「サイズの原理」
「サイズの原理」とは、筋肉は大きな筋力が必要になると、発揮する力の大きさに応じて小さな運動単位から大きな運動単位を順番に動員させていくこと。
〇運動単位は
①一つの運動神経が数十本の筋繊維を支配する「小さな運動単位」
②数百本から数千本の筋繊維を支配する「大きな運動単位」
・この大小の運動単位は、全身の筋肉に様々な割合で分布している。大小の運動単位は発揮する力の強度に応じて収縮に動員させる運動単位を変えている。
例えば、
低強度のトレーニングは小さな運動単位が優先的に動員され、強度を高めていくと大きな運動単位が動員されるようになり、使われる筋繊維の数も増えていく。
〇筋繊維が収縮する数は、発揮する力の強度に応じて異なるサイズの運動単位を使い分ける「サイズの原理」に基づいている。
・収縮する筋繊維の数が発揮する力の強度により変わるのであれば高強度トレーニングを行うことが、すべての筋繊維をまんべんなく収縮させるための最も効率的な方法だと考えられる。
・「筋肥大には高強度トレーニングが有効である」とアメリカスポーツジム医学会が公式声明を2009年に発表している。
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