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#19 水の中を巡る旅 今年も春の石垣島 2024年4月

4月26日、早朝5時。
晴れ渡った空の下、巨大なキャリーケースとバックパックを携え、渡月橋を渡って阪急嵐山駅へ。ツーリストの姿はなく、ランナーが1人、2人と行き交い、橋のたもとでは壮年のグループが体操しています。
目指すは、春の石垣島。

▲ 早朝の嵐山。観光公害の象徴のように取り上げられていますが、爽やかな朝や、ライトアップされる夜は人も少なく、時間をずらした『分散型観光』がお勧めです。

前夜、サッカーU23アジア選手権など見ていたせいで寝不足。ボーッとしていて、ダイビング器材を収納したキャスターバッグを忘れて家を出、エレベータの中で気づいて慌てて引き返したほど。
しかし今回は、仕事上の色々な懸案事項が昨日までにひと通り整理でき、久しぶりでスッキリした気分で、渡月橋を渡ります。
わたしの勤務先はこのGW、土日祝日に加え、4/30〜5/2も休み。5/6は出勤日ですが、代わりに本日(26日)、3月に休日出勤した代休をくっつけまして、十連休のはじまりなのです。ハハハ。

◆ 石垣島への道

伊丹空港は、日帰り出張へ向かうのであろうビジネスパーソンで、朝から混雑していました。わたしも数年前まではその一人だったことであるなあ、などと想いを巡らせつつ、ラウンジでカツサンドとコーヒーの朝食。
朝からビール、の誘惑も抗しがたいところなれど、最近、頚椎ヘルニアが再発し、重症化せぬよう治療中。ほろ酔い気分で機内でうたた寝し、変な姿勢で首を痛めると大変なので自重。

▲ たぶんラウンジより、出発前のひと時

機内では日本語教育の本を熟読する予定でしたが、機内エンタメで「翔んで埼玉 琵琶湖より愛を込めて」が放映されており、爆笑をこらえながら観ているうち、あっという間に那覇へ到着。

前線の影響で、石垣島には大雨注意報が出でいます。那覇からのフライトは、多くの家族連れを乗せて、厚い雲の上を、時々大きく揺れながら石垣空港へ。
ターミナルを出ると、まるで雨季のジャカルタのような蒸し暑さです。早く半袖短パンに着替えたい…

連休前日、空港から市内へのバスは早くも満員。ドライバーから往復チケットを買って乗り込みます。
路面は濡れているが、雲の切れ間から青空が覗いていました。
満員の乗客のほとんどは、終点のバスターミナルの一つ手前、離島ターミナルで下車。わたしを含め乗客2人だけになったバスが出発するなり、スコール到来。
激しい風雨の中、バスターミナルで雨宿りしようか、とも思いましたが、取り敢えず腹が減ってたまらぬ。
ルートビアがとても恋しい気分でもあり、折り畳み傘をさしてA&Wへ駆け込みました。
少し遅めの昼飯に、モッツアバーガーとルートビアのセットを食べているうち、雨はすぐに止み、通りには打ち水の後のように爽やかな空気が流れました。器材を入れた重いキャリーバッグを転がして、コンテナの積まれた港湾地区を、ホテルへ向かいます。

▲ 雨上がりの730交差点

今回の宿泊先はベッセルホテル石垣島。部屋が広いので器材を広げやすく、洗い場やランドリーが充実しており、また朝食バイキングも品数が多い、ダイバーに人気のホテルです。
仕事のメールが若干入っていたのでやり取りしたあと、早速街へ出かけたいところでしたが、なにせ昨晩は3時間ほどしか寝ていません。おかげで少々身体がだるい。
まず軽く昼寝して、ダイビング器材の準備にかかります。

◆ ダイバーの老眼対策

今回は、カメラに装着するマグニファイア(拡大鏡)を持参しました。わたしはどちらかと言えば魚群や地形が好きなワイド派のダイバーですが、元々は伊豆ダイバーなのでマクロも嫌いなわけではなく、特に昨秋の愛南ダイブ以降、また細かいものが好きになっているのです。
しかし、老眼と軽い乱視のせいで、マクロ系生物が見えなくて往生しております。
特にカメラをダイビング用コンデジの定番であるTG-6に変えてから、その性能を引き出すためフィッシュアイレンズを装着していることもあって、ハナタツ系やらカクレエピ系やらが、全然見えんのです。

一般的なダイバーの老眼対策も、これまで、幾つか試してきました。
まず、マスクに老眼鏡を取り付けるという手。眼鏡のツルを外し、インシュロップでマスクのベルト部分に取り付けるのですが、このインシュロップがこめかみに当たるのが不快なうえ、ピントも合いにくく、すぐ取り止め。
次に、マスクの下半分に拡大シールを貼り付け、遠近両用メガネのようにして使う方法。比較的安価でもあり良さそう、と思ったのですが、日常生活では細かい字を読む時以外メガネを必要としないわたしには、何だか視界が不自然でなりませんでした。しかも貼り方がいい加減だったのか、曇り止めのためマスクを洗っているうちシールが剥がれてしまい、この方法も取り止め。
ダイビングショップで勧められて、シート状の拡大鏡をアームでハウジングに取り付けるタイプのマグニファイアも試してみました。結構いいお値段だった記憶があります。しかし、これも水中でピントを合わせるのが意外と難しく、しかもアームが華奢なためエントリーかエグジットの際に外れて紛失しまい、それきりに。

ということで、いよいよ、ハウジングに直接装着するタイプの、かなりいいお値段の製品を購入。ついでにフィッシュアイレンズも、4年間使用してドームの傷が目立ち始めているため、水中での脱着が容易なマグネット式に交換。

航空券、ホテル代、ダイビングフィーなどと併せ、年度末賞与ほぼ全額を、今回の海旅のため費やすことになりました…堅実な生活を誓った年頭所感はどこへやら。

今回は3日間9ダイブと若干の長丁場。また、明日の夜には不良中年仲間が二人やって来て、連夜の酒盛りとなること必至なので、体力温存のため初日の晩は時々一人で行く居酒屋で軽めに済ませました。本土とは実質的に一時間ほどの時差があるので、夜7時なのにまだ明るい。しばし街を散策して宿へ戻りました。

▲ 夜7時の港
▲ 夜7時の空

🔳 初日(2024年4月27日)

朝8時少し前、いつもお世話になっているショップのお迎えを受け、馴染みのボートへ。
この連休前半、八重山諸島は全線の影響を受け、ずっと雨や曇りの天気予報。しかし、陽が射す時間も短くはなく、運悪く雨雲の下に入ってしまうか否か次第ですね、とガイドさんは笑っていました。 

◆ 一本目 大崎ミノカサゴ宮殿

潜水時間 45分  透明度 15m
最大水深 31m      平均水深 12m
水温 27℃   
スーツ 5mmツーピース

この時期の大崎と言えばコブシメの産卵ですが、それは明日のお楽しみということで、今日は若干深めのポイントでいきもの探しです。
例年より水温が3℃ほども高い石垣島。いつもならフードベストが欲しい時期ですが、今年は5ミリツーピースでなくともワンピースで、または多少気合を入れれば5ミリロングジョン+3ミリジャケットでも行けそうでした。
このポイントは「ミノカサゴ宮殿」(通称ミノQ)ですが、近年ミノカサゴは減っており、濁りで少し暗めの水中で、アナゴ、アカククリ、根に群れるハナダイなどを観察しました。

◆ 2本目 グルクンの根

潜水時間 49分  透明度 15m
最大水深 31.4m      平均水深 15.5m
水温 27℃   
スーツ 5mmツーピース

石垣へは何度も来ていますが、このポイントは初めて。
ここでは、深場でサロンパスフィッシュ(スミレナガハナダイ)が見られました。
そのほか、オレンジ色が鮮やかな  、ヒトヅラハリセンボンなどが観察できました。

▲ サロンパスフィッシュ
▲ ヒトヅラハリセンボン
▲ 高く売れそう

午前中は、昨晩までの断続的なスコールと強風のため、石垣島にしては透明度が今ひとつ。
昼食の後、マンタポイントへ向かいます。

◆ 3本目 川平マンタシティ

潜水時間 37分  透明度 15m
最大水深 9.7m      平均水深 8.2m
水温 27℃   
スーツ 5mmツーピース

ここは根の上で旋回するマンタを下から見上げる形のため、少し距離感がありますが、最近ではここでマンタが絶賛求愛行動中、最も高確率で見られるポイントとのことです。
しかしそれ故に多くのショップが集まります。八重山ダイビング協会では一度に停泊できるのは5艇まで、またアンカリングから離脱まで60分以内、などの申し合わせがあるのですが、順番待ちに1〜2時間を要することも珍しくなくなっているそうです。待ち時間の長さなどに対するゲストからのクレームも増えているとのこと。
この前夜にも協会の会合があり、一度に停泊できる艇数を増やそうかとの意見も出ていたそうです。
「僕は反対したけどね。それでマンタが来なくなったら、元も子もないし」と、船長は話していました。

しかし連休初日の今日は、さほどの混み具合ではなく、すんなりとアンカリング。

根に向かって泳いでいくと、5枚のマンタが旋回中。
7枚の乱舞が見られた去年には及ばぬものの、これは幸運。一枚は振られてしまったのか間もなくどこかへ去っていきましたが、残る4枚はずっと青春映画のような追いかけっこを続けていました。

🔳 🔳 🔳

ここまでお読み頂き、ありがとうございました。引き続き、2日目の海と、その前に不良中年仲間との石垣島ナイトも少し、綴っていきます。よろしければ続きもお読み頂ければ幸いです。

▼ 水の中を巡る旅 これまでの記録はこちらです。


私は、2020年に勤務先を早期退職した後、関東から京都へ地方移住(?)しました。noteでは主に旅の記録を綴っており、スキューバダイビング旅行の記録のほか、ロードバイクで北海道一周した記録、ブロンプトンを連れてローカル線や地方都市を訪ねる旅、また海外旅行のことなども書いていきます。宜しければ↓こちらもご笑覧下さい。


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