フランス語が1番得意なのに英語でケンカをし日本語でアニメをみる息子たち
私はフレンチ系カナダ人の夫と一緒に、2人の息子を育てています。
住んでいるところは、英語話者がほとんどのカナダにあって、唯一フランス語が公用語のケベック州。
なので、家から一歩外に出るとフランス語があふれています。
では我が家はいったいどのような言語環境なのか。
夫(フレンチカナダ人)⇔ 私(日本人)→ →→英語
私 ⇔ 子どもたち →→→ 日本語
夫 ⇔ 子どもたち →→→ 英語80%フランス語20%
家庭外(親戚、学校、友達、習い事、買い物等)→→→ フランス語
このような家庭の言語環境で育った息子たちは何語が1番得意なのかというと、
実はフランス語なのです。
赤ちゃんの頃は日本語と英語が拮抗する感じでしたが、保育園に通い始めた途端あっという間にフランス語が1番におどり出ました。
子どもたちは基本的に1日の大半を家の外で過ごすので、結局は社会生活で使う言葉にふれている時間が1番長いということになります。
◆兄弟間の会話はなぜか英語
フランス語が1番得意なのに、家族内は英語という習慣が染み付いているからか、兄弟で会話する時はほとんど英語。
ケンカをする時も英語で言い合いしています。
正直言って、なぞです。
ケンカするとなると、1番得意な言葉でやり合いたい気がします(大阪の人が標準語でケンカしても本領発揮できないみたいな)。
言い争いに使うような英語はおそらくお互いよく知っているのでしょう。
母としてはそれもどうかと思うけど……。
ただ、息子たちの間に誰かが加わると、その人が1番得意な言語に自然に切り替えています。
フレンチ系の人だったらフランス語に、英語系の人とは英語で、日本人とは日本語でという感じ。
◆家の中ではいつフランス語を話しているのか
夫も息子たちも英仏同じくらい得意ですが、あくまで第1言語はフランス語。
でも、普段の会話は基本的に英語です。
これは私がそうして欲しいと子どもができた時に夫にお願いしてそうなりました。
私たちは、家庭で英語をやらなければ、子どものうちは話す機会がないくらいフランス語環境で生活しています。ですが、以下の理由から英語は小さい頃からさせておきたいと思いました。
私と夫の会話が英語であること
私たちと交流があるのはフレンチ系の人だけではないこと
ケベック州から一歩でればカナダの他州もお隣アメリカも英語圏であること
それじゃあ、家庭内ではいつフランス語を話しているのか。
夫の家族やフレンチ系友人が来ているとき(またはビデオ通話)
子どもたちの友達が遊びに来ているとき
学校の課題や宿題を手伝うとき
くらいでしょうか。
おもしろいのが、学校のことになると途端にフランス語モードに切り替わること。
多言語を話す人は、シチュエーションや場面ごとに得意な言語が異なることがあるらしいです。
相手や場所によって武器を変える勇者みたいでかっこいい。
バイリンガルの人が、
「普段の会話はフランス語だけど、仕事の話をする時は英語の方が話しやすい」
と言っていたのを聞いたことがあります。
うちの子たちもそんな感じかもしれません。
◆私とは日本語で話すのが当たり前
我が子と自分の母国語で話せなくなるなんてことは避けたい、日本語をなんとしても死守せねば!
という私の頑固さが勝利しました。
赤ちゃんの頃から私が頑なに日本語でしか話しかけず、子どもたちが日本語で知らない単語は、英語やフランス語で言わせてから私が日本語で言い直すなど徹底していました。
そうしたら成長した今では、私と英語やフランス語で会話するのは変な気分がするらしく、100%日本語で話しています。
Netflix等で見られる日本のアニメや映画も、なるべく日本語で見たいらしい(一応英語字幕ON)。
とにかく、私を含め日本発祥のものには日本語で関わりたいという感覚のようです。
ただし私以外には、日本語を話す相手がたまに会う日本人の友達、日本の家族くらいしかいないので、語彙力が追いついていません。
それでも、日常の会話は問題なくできているのでよしとしています。
* * *
先日の母の日、長男はチューリップを、次男はチョコレートバーをそれぞれのおこづかいで買い、メッセージを添えてプレゼントしてくれました。
こういう時のメッセージもがんばって日本語で書いてくれます。
次男はトレジャーハント風に色んなところにメッセージを隠すスタイルでプレゼントをくれましたが、がんばって全部日本語で書いてくれていました。
息子たち曰く、「今はグーグル翻訳があるから分からなかったら調べればいい。」とのこと。
息子たちは、読み書きに関しては小学校2年生止まりで、それ以降は特に真剣にやっていません。
ですが、普通に会話はできるし、相変わらず日本大好きだし、このデジタル時代、これくらいの基礎レベルがあればいっかなと思うようになりました。
そう、大事なのは日本にルーツがあることを誇りに思い、日本人として日本を大好きでいてくれること。
なんだかタイトルを回収できているか分からない記事になりましたが、
とにかく、
今日も我が家には英語の兄弟喧嘩と、私が日本語で息子たちを怒る声と、フランス語で必死に課題を手伝う夫の声が響き渡っています。
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