伝説の背景:グロリアと娘の実在
「グロリアと3人のセラピスト」とは
伝説的(世界で一番視聴されているとも言われている)
心理療法映像。
ロジャーズ(来談者中心療法)
パールズ(ゲシュタルト療法)
エリス(論理療法)
という関連書籍には
必ず載ってるような
心理療法の開祖3人自らが、
30代同一女性にそれぞれ
セッションを行った映像
(Youtubeにも公開されているが、大丈夫…なのか?)
セッションは出だしから赤裸々に…
ロジャーズ:
「グロリア」と名乗る若い女性クライアントは、
冒頭からロジャーズに対して、
赤裸々に語り始める。
シングルマザーであること。
男を連れ込んでいること。
9歳の娘にその男とセックスしているか聞かれ、
嘘をついたが自己嫌悪に陥り
どのようにふるまうか悩んでること。
自分が両親のセックスを見て嫌悪感を持っていたこと。
等々…
法政大学、末武先生の報告(娘の実在)
法政大学、末武先生のドキュメントを読んで、驚きがあった。
「女優さんとかがやってるのかなぁ」と思っていた、
この女性クライアント、グロリアさんは実在の人物で、
話に出てくる娘さんも実在だった。
グロリアさんは本名であり、
既に亡くなっていた。
(一部の人に噂されていたような自殺ではなかった)
グロリアはフィルム制作についての詳しい説明を受けず、「自分がどのぐらいリアルでいられるか」試して、演技や脚色等まったくなく話したらしい…
エリスとのセッション
元非モテとして紹介したエリスとのセッション。
グロリアは最初、
エリスの著作を読んでいたり、
尊敬の念、近づこうとする
意識的なものを示している感じがある。
しかし…
その相手の空気を読まず、
屁理屈こねて長々と一方的に話すようにも見える
元非モテのエリス君…
天才エリスには他のいろんなものが
瞬時に見えていてそのルートに行こうとしたのかもしれない。
エリス本人も時間が足りなかったといってるが、
時間があれば違った感じになったかもしれない。
でも結果的に、
グロリアの心に触れられなかったように見える。
考えるネタは与えたが、深く印象を与えられず、
パールズのようにコメントして
語られることもなかった結果になったのかもしれない。
パールズ
感じの悪さが際立っていた、
パールズとのセッション。
パールズには理論的な背景&計算もあったのかもしれない。
しかし、後年、
グロリアがパールズを批判する言葉は痛々しい。
涙を流して、セッションを中断したと語るパールズに
グロリアは後日、猛烈に批判したという。
セッション当日、灰皿扱いされて、
粉々にされたとも。
パールズを世界的な有名な
権威者としてあがめ立てたりしないとも。
死の直前まで(15年間の交流)
「理想の父親」とグロリアから言われ、
「娘のように感じた」と答えたロジャーズ。
転移等の問題は様々な議論を呼んだ。
結果として、二人は死ぬまで15年間交流があったという。
その後も関わり、圧倒的に影響が大きかったのはロジャーズだった。