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集団の形と理想の組織 5 -他律・馴れ合いから崩壊へ-

こんにちは。
スクラムヒューマンパワー代表 日原 達仁です。

私の記事を読んでいただいて、ありがとうございます。

厳しさが愛情に変わる瞬間がありました。
私が大学1年生の春休み、2年生になる直前のことです。
大阪へ旅行に行きました。
柄にもなく、大阪の高級ホテルのディナーが目的です。
春に卒業した4年生が招待してくれたのです。

運動部の、寮生の嗜みといいますか、
1年生から4年生に声を掛けることはできません。

▶大学時代の厳しい寮生活の話はこちら

しかし、緊張する姿をみた先輩は、
「気などつかわなくてええで」と、とても優しく接してくれました。
先輩は関西人のノリでギャグを交えながら、
終始楽しい話と美味しい食事を頂きました。

これまでの先輩とは違う姿に面喰いながらも、
すっかりご馳走になってしまいました。
わざわざ招待してご馳走してくださる時点で、
とても優しいということがわかるようなものですが、
当時の私には難しかったんでしょう。

先輩は、厳しさを演じていたんです。
部活中はどんなに厳しく当たっていた先輩も、
卒業すると素の姿、優しい良い先輩に戻っていきます。
愛情を持って厳しさを伝える。ひと昔前の教育ですね。

しかし、厳しいだけでは今の時代の人材育成にはミスマッチです。

厳しさはあるが優しさが足りない。
仕事の成果、能力を数値化して管理しますが、
あちこちから評価の不満ばかりが聞こえてきます。

上位下達が多い職場は、できる人とできない人をはっきり区別します。
できない人や、本当はできていても伝え方が上手くなかったり、
誤解されてしまったり、「できない」と判断されてしまうと、
その組織は人を攻撃するようになります。
仕事ができるということよりも、
立ち回りがうまいことが求められてしまいます。
昔務めていた職場でも、できないという烙印を押され、
相当辛い経験をした方がいました。

外からみたら元気な会社に見えても、実際は希薄な人間関係で、
白けたムードの会社なんてこともよくあります。
仲間の活躍を喜べないし、
本心では「あいつ、失墜すればいいのに」なんて思うようになります。
ミスをしても助けないし、最悪なケースでは「俺の責任ではない」と、
部下にミスを押し付けるようになります。

カリスマ経営者と呼ばれたり、伝説の営業マンが存在するような会社が、
蓋を開けてみたらそんな傾向だった、なんてこともよくあります。
金融、商社、不動産、病院などの業界に多いかもしれません。
リーダーに認められるためには他人を踏み台にしてもかまわない、
そんな風潮が見られます。

規律より成果、貢献より利益。
仕事のできない人を馬鹿にして、成長を促すわけでもなく、
偉そうにしている人が多いようでは理想の組織とはいえません。

そんな風潮に追い詰められ、自信が持てない人が多い職場では、
仕事に集中できずミスが増えていきます。悪循環です。
不安ばかりが心を占め、仕事以外に時間を優先したくなっていきます。

他律型組織の多くは、コミュニケーション不足に陥っていき、
会社や組織を辞めたいと言い出す人が後を絶ちません。
馴れ合い型組織は、優しさに対して厳しさが足りません。
職場や組織で3~5人の小集団がいくつもできて、
規律を守らずにお互いに敵対意識を持ちます。

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人間関係の揉め事も増えるため、ひとりでいることに不安を感じます。
ルールが形骸化していくと、マナーや規則を平気で破り、
一体感が薄れていきます。周りに合わせ、
同じ行動を取ることで安心感を得ようとします。
これが悪化していくと、集団でいじめが始まります。

他律型や馴れ合い型を放置していると、
組織は崩壊型に向かうんです。

では、崩壊型とはどんな組織でしょうか?
次回、崩壊型についてお話しいたします。


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