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指導教育 高校時代の学び 1

こんにちは。
スクラムヒューマンパワー代表 日原 達仁です。

私の記事を読んでいただいて、ありがとうございます。

指導教育というと、ひと昔前のような印象を受けるかもしれません。
しかし、いつの時代にも広く行き渡る、
普遍的な教育ともいえるのではないでしょうか?

35年前、私は山梨県立日川高等学校に入学しました。
夢、希望、やる気に満ちていました。
当時の日川高校には体育科があり、
山梨県内からラグビー、柔道、バレーボール、バスケットボール、
ウエイトリフティング、ハンドボール、野球、体操、サッカー、陸上と、
様々な競技より優秀とされた男子38名、女子2名、
計40名のアスリートたちが集まっていました。

甲府市は当時学区外だったため、何人かは自転車で
15㎞を超える距離を通学しました。私もその一人でした。
「質実剛健」の理念のもと、全国でも唯一無二の校風、
文武両道の伝統を重んじる、こてこてのトップダウン型の学校です。

体育科の先生も現役アスリートです。
今ではもう時効でしょう、朝の挨拶が鉄拳の先生もいました。
剛腕による愛の鉄拳です。
どこから飛んでくるのかわからないので、朝から気が抜けません。
在学中に年号は昭和から平成に変わりましたが、
昭和のにおいが残る、徹底した指導教育です。

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入学2日目から5日間、伝統のオリエンテーションが実施されます。
このオリエンテーションこそが、15歳の試練です。
理不尽な教育が否定される、
令和の時代には信じられないくらいの応援団指導。
2時間正座での応援練習です。

校歌、学生歌その1、その2、応援歌その1、その2、
応援節等の5曲を覚えます。しかも各曲1番~3番まであります。
新入生が覚えているか、無作為に指名して歌わせたりもします。
歌えない場合は前に連れて行かれ、演壇で正座させられたりもしました。
このオリエンテーションの様子を
NHK関東甲信越が取材に来るほどの有名行事でした。

最終日の5日目には、新入生450名が
一糸乱れず応援の型を合わせ、5曲を3番まで歌えるようになります。
不可能と思われたことが可能になります。
人間の極限状態における危機管理能力はすごい、
と子供ながら感心したことを覚えています。

オリエンテーションの最終コーナーでは、
今まで厳しい指導を繰り広げていた応援団、
生徒会と新入生のグループディスカッションが行われます。
厳しい先輩は優しい先輩に変わり、
「なんでも困ったこんがあったら遠慮しんで相談するずら
(甲州弁:「なんでも困ったことがあったら
                      遠慮しないで相談してね」の意)」と声をかけてくれます。
最後は応援団長、書記長からの励ましの言葉に、
新入生は号泣しオリエンテーションは終了します。

先生方はオリエンテーションに直接関与しません。
生徒会と応援団の主動で開催され、運営は学生に任されていました。
厳しい指導教育に隠された、自主、主体の芽です。

責任は学校が持ちますが、学生に権限を与え、
規則の中で自由に後輩を指導する。
「日川高校としての責任とプライド」を教育し、
将来の社会を担う自立型人間を育成します。

指導教育の中にも、自主の芽を育てる、
「目的・目標に向けて努力をいとわない、
芯の強い人間の育成」を、
高校時代に学ぶことができたのだと思います。


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