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【読了】浅原ナオト「彼女がすきなものはホモであって僕ではない」


あらすじ

同性愛者であることを隠して日々を過ごす高校生・
安藤純は、BL(ボーイズ・ラブ)好きの同級生・三
浦紗枝の告白を受け入れ、付き合うことに。しか
し、純には身体を許す既婚の中年男性のパートナー
がいて……。純、紗枝を応援するクラスメイト、唯
一純の苦悩を受け入れ共有してくれるネット上の友
人「ミスター・ファーレンハイト」……周囲との軋
轢の中、すれ違う二人が導き出した理想の関係と
は? 決して交わることのない少年と少女が、壊れ
そうな関係を必死に守ろうとする姿を追う感動の青
春群像劇。(版元ドットコムより)

心理描写がとにかく凄い

この本の魅力はやっぱり主人公・安藤純の心理描写の巧みさです。


主人公の真面目さと純粋さ、少女・三浦紗枝との関

わり、そして同性愛者としての悩みや苦悩。

同じ立場ではない私には簡単には共感できない感情

なはずなのに、手に取るように鮮明に感情が伝わっ

てきました。

どこからかペリカンの甲高い鳴き声が聞こえる。泣きながら叫んでいるみたいだと、僕は思った。
by安藤純

この文章は特に私が好きな心理描写です。

こんな綺麗で繊細な表現が出来るのか、と浅原ナオ

トの世界にどんどん惹かれていきそうです。


他にもありますが、全てあげたらキリが無いので一つだけ紹介しました

最後に

親やクラスメイトが放つ同性愛に対しての無自覚な

否定。

見たくないものに蓋をして都合よく世界を簡単にす

る周囲の人々。

その中で生きる安藤純の幸せや葛藤は同性愛者でな

くとも共感できることが多くあります。

まだ読んでいない方は是非1度手に取ってみてくださ

い! 日々の日常で忘れていた大切な何かをおもいだ

させてくれます。


この本の中の人々と作者に、幸福が訪れますように

最後まで読んでくれてありがとうございます

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