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東京小受ストーリー

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東京の小学校受験をテーマにした短編集のようなエッセイのようなものです。フィクションときどきノンフィクション。点で書いていますが、最後に全てが線となる・・かも。ネイビーの戦士たちに…
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夏の終わりの転塾

夏の終わりの転塾

今日も私はUNIQLO UのクルーネックTシャツに身を包んで出陣する。これは国民服だ。
ネイビーではなく、ブルーしかないところが悔しいが、小受はまだまだマイナーだから仕方がない。数年後小受もメジャーになり、この国民服にもネイビーが当然のように加わるのだろう。そんな未来を予想しながら、滴り落ちる汗を国民服に吸収させて夏期講習へと向かう。こんなに国民服を着ているお母さまは私だけだったという事実だけ、こ

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国立小学校受験に向かってまた立ち上がる

国立小学校受験に向かってまた立ち上がる

「それはいつ!?何年何月何日、地球が何回回ったら?」

反抗期を迎えたばかりの少年のような言い方で中年は激怒した。
「まだ発表が残っているじゃん。希望は捨てたくないよ。」
夫がそう言ったからだ。

私は願書を書く手を止めてありったけの「いつ」を聞いた。
こんなふうに明確な日程を示してくれと叫んだのは、20代の頃大好きだった彼にフラれたとき以来だ。
あの時は友人がかけてくれた「またいい人が必ず現れる

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小学校受験 考査の結果を受け入れる

小学校受験 考査の結果を受け入れる

秋の風に往復ビンタを食らった。

たしか「秋の風が頬をうった」と始まる小説があったが、今の自分はビンタだ、しかも往復の。

11月1日。ついに小学校受験の初日を迎えた。
いわゆる「ついたち」校だ。第一希望や、熱望校と呼ばれる学校の受験をこの日に選ぶ家庭は多い。我が家も迷わずその日を選んだ。

今思えばもっと戦略的にできたのかもしれない。子どもの状態や過去の倍率などを参考に違う選択肢もあったのかもし

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神奈川校考査結果を受けて、東京校出陣までのメンタル

神奈川校考査結果を受けて、東京校出陣までのメンタル

「ただの数字が特別になる」

その言葉の持つ意味が、子どもを持つようになってやっとわかった気がする。
子どもの生まれた日が今までの私の人生においてかつてないほど特別な日になった。
生まれて3か月、1歳、3歳、と子どもの成長を想うにつれてその歳の数が特別な数字に変わっていった。

私が40歳になったとき。
きっと子どもが居なかったら、40か、としんみりとした気持ちや親へ感謝の思いを馳せただけで終わっ

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