下剋上の極悪人 松永久秀
後世、゛下剋上の三極悪人゛の筆頭に挙げられるのが、松永弾正少弼久秀であった。
あるとき久秀が従属していた織田信長に拝謁していると、徳川家康が挨拶にやってきた。
信長が家康に、久秀を指して言った。
「三河どの、この老人が松永弾正でござるよ。心の許せぬ奴じゃが、この男、他人のまねのできぬことを三つまでやってのけた。一つは、主家の三好家を滅亡させたこと。二つは、十三代将軍・足利義輝を弑逆(しいぎゃく→主君や父親を殺すこと)したこと。三つには、奈良の大仏殿を焼き払ったこと。普通の