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コーチ・コンサル・セラピストがセッションだけでは食えない業界あるあるについて。

実際にセミナーを受けた、某・自己啓発系のセミナーコーチは前年度は1億、今期は1億8000万ほど売り上げたらしい(普通に公言してます)。

彼のセッションは1時間55,000円(税込み)だ。

でも、彼はセッションだけじゃなくて、コーチング以外の高額講座も数本持っているし、お話し会と称して全国で有料の会を開き、それの音声ファイルも販売している。

ほぼ、仕事しっぱなし。You Tubeだって毎日あげている。精力的なその仕事っぷりにはマジ、感服です。

そんな彼に憧れたり、救いを求めるセミナー受講者の中には、彼のように「人の心理、メンタルに関わる仕事をして、自分らしく生きたい!」と、思う人は結構いる。

彼らに直接は聞いてないから分からないけど、憧れる要素の1つに「コーチが口にするバブリーな数字の力」は結構ある。(はず)

1億稼ぎたいとは思わないけどぉ・・・・でも、月に30万くらいは欲しいですぅ・・・・とか、思っちゃわないか?

1億の売り上からみたら月30万(年収360万)なんて、もう、超・控えめで欲のない人と、思っていたら間違いだからな。

何故、セッションの価格やコーチになりたいからと会社を辞めちゃう人に私がこんなに反応するのか?

答えは、セミナー受講をした会員さんに社長が自分の96万の個人セッションを個別で売っていた、カスのようなコーチング会社のスタッフをしていた私の過去の傷がうずくから。

と、言うワケで業界の病みを語ります。


そもそも、1時間55,000円(税込み)のセッションは高いか?安いか?

これね、「ちょっとしたセミナーや講座を受ける」と、したらまだ許される価格なんじゃないかな。

ただ、数日間のセミナーに匹敵する1時間って・・・・・と、疑問に思う人もいるよね。

それ以前に、買い手の問題もある。これが会社の社長が買うセッションだったら「会社の経費」で落とせる。

しかし、一般の会社員とか、バイトとか、主婦とか「経費で落とせない人」=自分の銀行口座から引き落とされるガチかぶり!な状態だと話しは別。

そーじゃなくても「入ってくる収入が一定数で決まっている」庶民にはマジできつくないか?

さらにアメリカじゃあるまいし、コーチやコンサルの個人セッションを受けたがるリッチで意識高い系の社長と、出会うチャンスがどれくらいあると思う?

こんな市場の状況も知らずに、そのコーチの口から普通に漏れる数字に感銘を受けて会社を辞めちゃう人、リアルに見てます。
(仕事の尊さとかにもきっと理由は他にもあるんだろうけど)

個人セッション・・・・売りづらいよね。マジで。買わせづらいよね。ホント。だって、現物が何も残らないんだよ。

いや、コーチ業が悪いとか不親切とか責めてるワケじゃないけどさ。


じゃあね、今度は彼らが成りたかったコーチ側(お金をもらう側)の問題をちょっと書く。

例えば月に30万の売り上があったら、庶民はまぁまぁ「普通」に暮らせると思うじゃん。

でも、この「月30万」が意外とハードル高いです。

自身の商品(セッション)を1時間1万円と仮定すると・・・・
単純計算で30人集めないといけない。

けど、セッションって売り切り商品だとしたら、毎月・毎月新規で30人も人を集めなきゃいけない計算だ。

しかし、出会った人が全員そのセッションを買ってくれる保証もない。

さらに手取りで30万欲しいとなったら経費とかを上乗せしないとダメだから実質は40〜50万くらいの売上が必要になる。

1時間1万円のセッションが最初は「た、高いかな?」と、感じてもこんな計算すると「マジ、安すぎる!これじゃやっていけない・・・」と変化する。

でも、これが現実。

やってみ、毎月30万の手取りが欲しくて、経費含めて50万の売り上を立てるために50名以上の人に会って、クロージングかけて・・・死ぬよ。

だから「継続セッション」=高額商品を売りたくなるんだ。
「1時間1万円」の売り切りではなくて「3ヶ月30万円の継続セッション」。これなら1人落とせば良いだけだし。

でもね、世の中、社長と庶民、どっちがたくさんいると思う。

圧倒的に売りづらいよね。だから「セッションだけでは食っていけない」の構造になる。

「コーチングは学ぶには良いですが、それで起業するのはかなりキツイです」。講座の最初にまず言って欲しい。(言うワケないけどさ)

勘違いして勝手に影響されて、「自分軸で生きます!」とか言い出して会社辞める人はいるんだから。

この構造的な問題をどー解決したら良いか?

値下げは間違い。
オプションのサービスを付加する作戦効果ない。だって、高いと感じるモンは高いんだもん。

そもそも「高い」と言われる所以だけどさ、多分ね「その人が使えるお金」の基準からしたら「高い」になっちゃうんだ。

だって、ハイヒールに9万も出す人は実は意外といるんだは。男性からしたら信じられないけど、ルブタンとかその辺はそうじゃん。

子供のおもちゃ!?と、思っているトレーディングカードに何万も出す人と同じ。

だからオプション(フォローメールするとか)つけても「高いもんは高い」。

そーすると、一般人の払える「金額感」つーのと、セッション料金が乖離してるのが問題なんだよね。

例えば1レッスン5,000円のお稽古だったら「一般人の金額感」的にはありでしょ。

だったら、コーチ1人で10人のグループセッションにすれば、欲しい金額と、払う方の金額感は限りなく歩み寄る。

これ、ヨガとかメイクとかのレッスンだったら割とありえる構図なんだけど、メンタル系だとちょっと技術が必要。

実際、ヨガでもメイクでも「プライベートレッスン」つー高額商品はあるし。

でも、メンタル系は扱う問題が「超・プライベート」だから技術が必要。

でも、「複数のクライアントを同時にセッション」の技術を磨くのはかなり有効だと思う。(簡単じゃないけど)

例えば2時間3万円のグループセッションがあったとして、これを6人に買ってもらう。3万✕6人=18万。けど税金入れたら約20万の売り上。

この2時間20万・・・2で割って1時間換算したら・・・貰う側にしたら「1時間10万のセッション」。払う側にしたら2時間3万なら1時間なら15,000円と、最初の5万から見たらかなり割安になる。

ね、1時間5万円のセッションが高いか安いか?問題なんて吹き飛ぶ。

1時間10万のコーチングを買ってくれる人は世の中にどれくらいいると思う?
それを考えたら「1対1」にこだわるの馬鹿らしい。

金額の大小はあるけど、この仕組はなかなか良いと思う。

1発芸で高額なセッションを売るよりも、このやり方ならこの仕事(セッションで生計を立てる)が持続可能になるでしょ。

この知恵や工夫を何故かコーチは言ってくれない。つか、言わない?。何故かセッションの基本を「1対1」的な方向にもっていく。

でもさ、色々と対面が難しいご時世。ZOOMなどのツールを使って安心・安全を担保して、生き延びる方法を提示するのも講師の役目だともうのは私だけか?

グループですることで、他の人のセッションが自分にも響いて改善しちゃう「流れ弾」効果もあるし。

と、グループセッションの良いことばかりを書いたけど、基本は「1対1」なのも事実。

最初からグループコーチングは難しいから、まずは1対1で腕を磨いて、そこからグループにチャレンジするのが無難だよ。

経験無しでグループは無理。

で、「1対1」でキャリアを積むのが必須だけど、稼ごうとして高額をつけると「誰も寄ってこない」=キャリアが積めない。

何が言いたいのかと言うと・・・ここで振り出しに戻るんだけど「会社は安易に辞めるな!」と叫びたい。

講師に言いたい!「会社はキャリアが積めるまで辞めるな」とはっきり伝えろ!だし、キラキラした数字を簡単に口にするな。

あと、経験でもう1つ言っておくと、コーチングとかコンサルとかセラピストでセッションしてお金もらうは王道ぽいけど、「それになる方法を教える」のもありだからね。

ようは「セッション」でも「レクチャー」でも稼げる道はある!ってこと。この2方向+「1対1」か「1対複数」か。

受講生が憧れるコーチ、コンサル、セラピストは素晴らしいと思うよ。
よっ!人格者。

けど、足元も見ないで自分を追っかけて崖から転がり落ちる人がいそうなら、そこは一言いってあげなよ。

もし、自分と同じコーチ・コンサル・セラピストの仕事をして、人を助けたいのなら、「キャリアを積んでから会社は辞めな」と。


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