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素人がAlbiwayのデザインを分析してみたお話

❇︎このコラムは公開前にAIbiway編集長の了解を頂いてます。

AIbiwayというフリーペーパーをご存知だろうか?

アルビレックス新潟のサポーターの有志が発行しているフリーペーパーで、アウェイ会場において試合開始前に配布されている。

その歴史は古く2005年から刊行され続けている由緒正しきフリーペーパーと言えるだろう。

もちろん僕はAIbiwayのファンなのでアウェイ会場に行くと出来る限りGETするようにしてる。

とても前向きで熱い内容なのでこれを読みながらゴールデンコーラを飲みつつ、選手がウォーミングアップに出てくるのを待つのが最高だ。

余談だがサポになりたての頃の僕はこれを受け取らないようにしてた。

理由は有料だと思ったからだ。

その後フリー(無料)ペーパーと知ってからは、光よりも速く貰うようになった。てへぺろ。

さて今回は表題の通りAIbiwayの内容ではなく、デザインについて分析してみたコラムである。

僕はデザイナーなどではなく、いちサラリーマンに過ぎないがパワポやEXCELを魅せる資料にすることにこだわりを持つ男だ。気持ち悪いとか言わない。

世界広しと言えどもこんな視点でAIbiwayを見て、それをコラムにする変態は僕くらいだろう。

かなりニッチな世界だがここまで来たら引き返さず最後まで読んでみて欲しいと思う。

なぜならAIbiwayのデザインにはニラ○ワ編集長の熱い魂(ソウル)が詰め込まれていると思うのだ。

そう。一人でも多くの人にアルビレックスの魅力を、ひいてはアウェイ遠征の面白さを伝えたいという熱いソウルがだ。

誌面の内容も良いものだらけなので、その魅力を余すことなく伝える為のデザインが随所に施されているのだ。

今回素人なりにそのデザインについて分析をしてみたのでそれについて述べていきたい。

配色

まず僕が普段資料に配色をするうえで、心がけているのは「原理原則に逆らうな」ということである。

これはどういうことかと言うと、例えばリンゴについて説明する資料を作る時テーマカラーは何色にするか?

赤でしょう。

リンゴは誰でも赤をイメージするだからだ。

海だったら青、桜はピンクのように誰もが連想する色にするのが資料の配色における原理原則だ。

例えばカフェの資料なのに真っ赤にしたり、お茶の資料なのにブルーにした日には、見る側にとって非常にストレスとなる。

もっと言えば気持ち悪さが勝ってしまい中身が頭に入って来ない。

ではアルビレックス新潟のイメージカラーは?

いわずもがなオレンジとブルーだ。

その点を踏まえてAIbiwayはどうだろうか?

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タイトルや図形がオレンジとブルーを基調に配色されておりアルビの誌面として違和感がない

一見当たり前のことだがこの基本原則から外れていると、のっけから見て貰えないのでとても大事である。

さらに原色を使わず淡〜い色にしてあるので、とても目に優しい。

そしてオレンジ一つとっても同じオレンジを使い回すのではなく、濃淡を変えたオレンジを配色することで誌面が単調にならないようにされている。

本文のフォントにしても細めのものがチョイスされており、これは長文を読んでも疲れないようにする配慮だろう。

このように配色からしてちゃんと原理原則に沿って作成され、見る人にストレスを与えないよう気遣いがされているのだ。

レイアウト

一番計算されていると思うのがレイアウトだ。

まず誌面に目をやると左上に目が行くだろう。

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そしてそのままZの動きで目線を動かしていくはずだ。

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今も何の違和感無しにスムーズにZの動きで目線が動いたと思う。

これはとても重要で人間は誌面全体に対して、自然とZの動きで視線を動かす習性がある。

なので資料は人間の習性に沿ったレイアウトになっているとストレスフリーとなるわけだ。

今も自然とZで動いたであろう理由はこの誌面がこういう目線の動きをするように設計されているからだ。

ではその理由を紐解いて行こう。

しかしその前に

下の画像を見て欲しい。

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画像にもあるが、最初に右側のリンゴの写真に目線が取られ、その後に左の言葉を読んだはずだ。

それはアイキャッチと言われる効果だ。

目線の訴求力とでも言うのだろうか。

1・人間は大きいものにまず目線が行く

2・目線の訴求力は写真>イラスト>文字

という法則がありこれらは人の本能だ。

上の画像ではリンゴの画像が一番大きくしかも写真だ。

だからどうしても最初に目線が行ってしまう。

一方で我々は左から右に目線を流す習性がある。

だから本能でリンゴの写真に目線が取られた後に、習性によって軌道修正し左に目線が戻ったはずだ。

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なので上の画像の配置は習性と本能がケンカする並びになっている。ストレスがかかるレイアウトなのだ。

これを踏まえてAIbiwayを見てみよう。

誌面にはいくつか図形が点在しているが、最大の面積を取っているのは左上の写真とフォーメーション図だろう。

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①大きくて

②写真

という二つのアイキャッチ効果によって本能的に必ず最初に左上に目線が持っていかれる仕組みなのだ。

そう、Zの動きのスタートポジションに目線がセットされるのだ。

そのあとは習性により左から右へ視線が流れ始める。

つまり人間の本能と習性の両方に則したレイアウトとなっているのだ。

さらに誌面が均一に6ブロックに別れていることも手伝って

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スムーズにZの動きで目線が動くというわけだ。

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このように読む人の目線が迷子にならないように配慮された設計になっているのだ。

これによって僕らは順番を間違えることなく読むことが出来るのだろう。

ちなみに裏面もレイアウトの王道とも言える横3分割で構成されている。

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このように誌面全体がブロック分けされていることにより均一感・均整感を生み出し全体がとてもまとまった印象となっている。

さらにここでまた仕掛けがある。

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この人型のオブジェクトを配置することで、新聞のように肩肘張った印象にならず、誌面に躍動感を生み出しているのだ。(ちなみにこれは自分で気づいたのではなくニ○サワ編集長に会った時に聞きました)

ただ一方で歪な形を本分中に配置すると判読性(読みやすさ)が損なわれるのは否めないと思うが、それよりも躍動感を優先してあるのだ。

つまりべらぼうにオフェンシブなデザインと言えるだろう。

まだまだ他にもレイアウトの工夫がある。

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ブロック分けしてあることで一行が長くなり過ぎず読みやすさを担保してあるのだ。

横に長い文は読んでて疲れるし、目線がズレる原因となる。

工夫はまだある、余白だ。

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ブロックの間に広すぎず狭すぎず適度な余白があることで、スッキリとした印象を与えさらにこの余白が罫線の代わりを成しているのだ。

縦の罫線は横に流れる目線を遮断するのでストレスの一因となる。

ここにもストレス排除の心遣いがあるのだ。

アクセント

さらに誌面にアクセントを加える工夫がしてあることにも気づく。

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図形の端っこに三角形を配置することにより、ここでもまた誌面が単調な印象にならないようにしてあるのだ。

しかも複数の図形に繰り返し施すことで、均一感を生み出すことも忘れないという徹底ぶりだ。

以上、ここまでが僕が気づいたAIbiwayに施されたデザインの力である。

実はこのコラムは公開前にニラサ○編集長に添削して頂いたのだが、その折に編集長のイチ押しポイントを聞いたのでそこにも触れなくてはいけないだろう。

僕は気付かなかったがこのサポソンのロゴがイチ押しポイントとのことだ。

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これを見て分かる人は分かるのだろうが新潟出身のスリーピースバンド MY Hair is Badのロゴをオマージュしてあるのだ。

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つけ加えると昨シーズンのロゴはこう。

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これまた新潟に縁のあるハイスタのロゴのオマージュなのだ。

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アルビレックス新潟のサポーターソングならば新潟の音楽でしょ、と着想を得たのだろう。

どうだろう?読者諸氏もこれで五大陸に響き渡るとまで言われているニラサワ編集長のド変態っぷりを堪能頂けたことだろう。

おわりに

私見だがこれほど読む人への配慮が行き届いたデザインのフリーペーパーはなかなか無いだろう。

非常に真心を感じる仕事ぶりと言えるのではないだろうか。

なのでまだ貰ったことが無い人は是非機会があれば手に取って欲しいと思う。

いちファンとしては1日でも早く次号のAIbiwayを受け取る機会が訪れて欲しいと願う日々だ。

何より彼らが再びAIbiwayをアウェイスタジアムで配布する時、それは新潟のアウェイ遠征復活を象徴づけることだろう。

それがいつになるのかはまだ分からないが、今はその時を指折り数えて待つとしよう。

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