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語学力を活かして働きたい!

進路選択に参考になる漫画シリーズその1です。今回は、英語や中国語など、語学が好きで語学を活かした仕事に就きたいと考える人にとって参考になる書籍を紹介します。この記事では、著小島さなえ『外国語を使って働きたい!』の概要と、その読了後の感想を書いています。


外国語を使って働きたい!の概要

筆者は大学で中国語を専攻し、中国留学を経験しました。就活では、その経験を活かせる仕事を探そうとします。しかし、語学ができるという長所だけではなかなか就職先が決まりません。企業に就職する際には、『語学ができること』だけでなく、『その力を使って企業に入って何がしたいか』という志望動機が重視されていたからです。筆者はそこで大きな壁に直面します。

その後、語学ができること自体が強みになり、かつ志望動機にもなる翻訳会社に内定をもらいます。そして、翻訳・通訳の仕事にしばらく従事することになります。しかし、校正の仕事が主で翻訳の機会が少ないことから不安を感じ、転職を決意します。その後、筆者は語学力を活かして様々な業種を経験し、最終的には全く別の職業のフリーランスで働くようになるのでした。

筆者の体験談に加え、書籍後半では語学力を活かして働く8名の方へのインタビューが掲載されています。語学力を活かせる職業やその働く姿が紹介されています。

感想

語学力を活かせる職業は多岐にわたる

本書では、語学力を活して働く方へのインタビュー記事が8本載っています。職業は通訳案内、翻訳、日本語教師など、直接語学を扱うものから、システムエンジニア、海外と取引のある企業の人事担当や海外駐在員など、語学+専門性で働くものまで幅広く紹介されています。

特に印象的だったのは、言語に精通しているだけでは仕事をこなすには不十分であるということです。製造ラインのシステム製作を海外で構築する仕事では、語学力を活かしてのやり取りに加えて、プログラミングやシステム関連の専門的知識が意思疎通には必須です。筆者は度々『言語はツール』問題として取り上げていますが、言語ができるだけでは仕事をこなすのには不十分であるということがよく分かります。

納得感のある職につくまでは紆余曲折

インタビューでは学生時代にやりたかった仕事をやっている方よりも、紆余曲折で現在の職に就いた方も多かったです。それでも、今の職がしっくりきていると感じている方ばかりでした。筆者もその1人です。前職での経験やそこで培った力を活かしていたり、自分の好きで本当にやりたいことに現在関われていたりします。

学生時代に目指していた職業に就いている人がごくわずかと言われます。しかし、職業とは不思議なもので、何だかんだ納得して現在の職に就いていることは珍しくありません。それは、今まで頑張ってきたことや、自分の興味があってやってきたことが点と点から線で結ばれ、『こういうことだったのだな』と感じることがあるからではないでしょうか。紆余曲折を経て就いた仕事で充実している姿を見ると、何事も一生懸命やることや、自分の好きという気持ちを大切にすること、等の重要性を感じました。

まとめ

語学ができると引く手数多と思われがちですが、実はそうではないことが分かりました。ビジネスでは語学はあくまでツールであり、その長所を活かして何をするかが重視されます。

また、人生の紆余曲折が描かれており、キャリアを考える上でも、本書はなかなか参考になる書籍です。漫画で気軽に読めるので進路に迷っている生徒にもおすすめできる書籍だと思います。

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