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中学2年生から頂いた本質的な質問に全力で答えてみた

higemeganecurry

ありがたいことに、昨年に引き続き、とある中学二年生向けに「いきること・はたらくこと」というテーマで講演をさせて頂く機会を頂戴しました。

で、講演後に皆様から頂いた質問が、今年もとても考えさせられるものだったので、皆様にも共有したいと思います。

ヒゲめがねなりの回答を記載しますが、ぜひ、ヒゲめがねの回答に目を通す前に、皆さんだったらどのように回答するかを考えてみて頂けたらと思いますし、もし良かったら、「私はこのように考えました!」を教えてくれた嬉しいです!



Q:豊田さんがいいと思った会社の理念はありますか?


 理念とはちょっと違うかもしれませんが、リクルートさんの「自ら機会を作り出し、機会によって自らを変えよ」という考え方が好きです。人生は「主体的であれ」ということだと理解しています。皆さんは、自分の人生を、自分のものとして主体的に過ごしてますでしょうか。そんなことも考えてみて頂けると良いかもしれません。


Q:座右の銘を教えてください。

 一「笑」懸命。出来事は、ただただ出来事でしかなく、それをどう受け止め解釈するかは自分次第。何事にも、必ず良い面・悪い面の両面がある。のであれば、面白い面から物事を捉えて「そう来たか!おもろいなー!」を口癖に、笑って生きていけたら、そんな風に思っています。


Q:どうして人の前に出ても緊張しないのですか?


 緊張してないように見えたかもしれませんが、内心は緊張はしまくってました。でも、緊張は決して悪者ではありません。「緊張感を持ちなさい!」なんてセリフもありますが、緊張とは「集中する」ために、必要な精神的な働きだと思ってます。なので緊張は必要悪として楽しむこと、「緊張とお友達になろう!」ぐらいの軽いスタンスで捉えると、肩の力が良い加減に抜けるかもしれません。

 あとは、やっぱり場数ですかね。前職ハウス食品時代、人前でプレゼンをする機会がとても多くて。期待値ハンターだった豊田は、その期待に応えるべく、プレゼン関連の本を読み漁り、また講師養成塾のようなところにお金を払って通ったりもしました。人前で話すことと向き合い、自分なりの努力を積み上げてきた結果、今のようなスタイルで話せるようになった、というのはあります。これも講演の中でお伝えしてますが、何か自分が成し遂げたいことに、一「所」懸命取り組むことも重要だと思います。


Q:仕事の選び方を教えて下さい(食品業界以外に、就きたかった職業はありましたか。やりがいを持てる仕事を探した方がいいですか。仕事はお金だけじゃありませんか。おすすめの仕事があったら教えてください。仕事を選ぶうえで、一番大切にしたいことは何ですか)

 大学生の頃の自分は、「どの業界で、何がやりたい」という具体的な「やりたいこと」を持ち合わせていませんでした。それでも「就活戦線」はやってくるんですよね。で、通り一辺倒の自己分析のようなことをやってみて、何となく食べることが好きだから、何となくカレーが好きだから、という単純な理由でハウス食品にご縁を頂くに至りました。

 ただ、本音を言えば、世間体を気にしてばかりいた自分は、周りから「良い会社に入れたね」っと言って貰えるような会社であれば、多分、どこでも良かったんだろうな、という気もしてます。「良い高校、良い大学、良い会社に入るのが幸せの道なんだ」という、誰が描いたか分からない「価値観」を盲信していたので、「知名度・安定性(周りが褒めてくれる)」×「好きな食品・カレー」という程度の「考える軸」でもって判断をしたんだと思います。

 でも、この「良い会社」というのは、何なんでしょう。「知名度」や「安定性」、この2つも、もちろん大事な要素かもしれませんが、それだけで測るものではないですよね。世間一般的に良しとしている考えに左右されることなく、「自分が体現したいことが何か」「それを叶えられるステージなのか」を突き詰めるということなんだろうなと、今なら明言できます。つまり、人によって「良い会社」というものは「千差万別」だということですね。
 
 なので、「やりがいのある仕事を選ぶべきか?」「仕事はお金を稼ぐだけじゃないか?」「おススメの仕事はあるか?」といった質問に対しては、「なんとも言えない。答えは貴方の中にしかない。」としか言いようがないのが正直なところ。そして、皆さんは、既に物事を考えるための「ものさし(講義中にやったワークシート)」を手に入れてるので、あのフォーマットも活用しながら自分にとって大切だと思う「軸」を考え、その軸に照らし合わせて、どういう企業が「自分にとって」ベターかを、考え抜いて貰えたらと思います。

 ちなみに、豊田自身がハタラク上で大切にしているのは、「自分自身がワクワクできること」と「自分で時間をコントロールできること」の2つになります。自由な時間というリソースがあってこそ、自分が何にワクワクするかを考えることが出来る。逆に言えば、ワクワクしないことはキチンと線を引いて手を出さないこと。ワクワクしないことに時間を割いてしまうと余白がなくなって悪循環に陥ると考えています。あくまでも、豊田個人が考える大切にしていることなので、この考え方に引っ張られることなく、自分らしい働き方を考えてみて貰えたらなと思います。


Q:佐久穂町に来るか迷いましたか?佐久穂町の好きな所は何ですか?


 1ヶ月の佐久穂町への短期移住、及び、1年の佐久平での2拠点生活を経て、佐久穂町は、あらゆる面で「ちょうどいい」なと思えたので、迷うことなく佐久穂町へ移住することが出来ました。

<佐久穂町のちょうど良いところ>
・四方を山々に囲まれ、水も緑も本当に豊か。景観が美しい。空気も美味しい。
・晴天率が高く、気持ちが晴れやかで過ごせる。星空も本当に奇麗。
・農産物が本当に美味しい。産地が近いことの幸せを日々実感できる。
・夏場の夜の涼しさ。クーラー無しで、安眠できる幸せ(その分、冬場は寒いですが…)
・睡眠の質が高い(とある論文によると、標高800m前後の気圧が、睡眠の質が最も良くなるらしいです)
・げんでる公園や、さくほっこ、茂来館など、子育てに必要な施設が揃っている。どれも奇麗。
・佐久市まで生活圏を広げれば、日々の生活に全く困らない。中部横断道が無料なのもありがたい。
・情報量や選択肢が適度なおかげで、情報疲れ・選択疲れが少なくて済む。
・地域医療のあり方を長く探求されてこられた佐久総合病院が近くにある安心感。
・首都圏までのアクセスの良さ。元々の生活圏が首都圏で、友人達との行き来もしやすい。
・森の幼稚園ちいろば、大日向小中学校など、ユニークな教育環境も選択ができる。
・大日向小中学校を誘致してくれた町なので移住者が居てもビックリされない。移住者を受け入れてくれる土壌がある。
・そんな土壌もあってか、周囲の皆さんが気にかけてくれて、良くしてくれる。心根の優しい方が本当に多い。
・佐久穂町の町づくり総合戦略として「コミュニティ」を大事にされているのも素敵。 

 などなど。ピンポイントで何が好きということではなく、トータルの「ちょうど良さ」が本当に心地よいと感じています。移住して2年経ちますが、佐久穂町に移住出来て本当に良かったと思います。


Q:カレー屋さんを始める時、不安はありませんでしたか?


 子どもが3人も居る中で、超安定優良企業のハウス食品から、どうなるか分かったもんじゃない個人事業主への転身。むしろ不安しかなかったです。それでも、一歩踏み出せたのはなぜか。

 1つは、講演でもお伝えしたかもしれませんが、ハウス食品には、退職して3年以内であれば、原則復職が可能という「ウェルカムバック制度」なるものがありました。ので、万が一起業がうまく行かなくても、会社に戻ることが出来るという安心感があったのは非常に大きかったと思います。
 チャレンジしたくとも、失敗したら人生が破綻してしまうかもしれないという環境下では、やはり挑戦することは難しい。失敗した時に、巻き返すための「代替プラン(命綱)」があるかどうかは、重要な要素だと思います。この代替プランが、精神的なゆとりを生み、健全な精神状態だからこそ全力で挑戦が出来るのだと考えます。そういう観点からしても、ハウス食品は本当に素晴らしい会社だなと今でも思っています。

 1つは、育休中に話し合った家族の在り方。育休時代に妻と「仕事も家事育児も5:5にしていこう」という考え方があったため、カレー屋で稼ぐべき生活費は家計全体の5割で良いことになります。全体の5割で大丈夫なのであれば、週4ランチ営業だけでも十分狙える。だからこそ、そんなに気負わずにチャレンジすることができました。
 余談ですが「脱サラして、Iターンでカレー屋やる!」と話すと、皆さん一様に驚かれますし「妻の反対は無かったのですか?どう乗り越えたんですか!?」なんて質問をよく頂きます。この質問が頻発する裏側には「家計は男性が支えるべきもの」という固定概念が根強くあるということなのかと思いますが、皆さんはどう感じられますでしょうか。
 家事育児を背負い込まされて、やりたことがやれない女性も多々いると思いますが、必要以上に稼ぐことの責任を背負い込んでしまい、やりたことがあるのにやれない男性も多いような気もしています。でも、それって、夫婦どちらにとっても、もったいないなと思うのです。家族の在り方は様々で正解はありませんが、どういう家族をお互いに目指したいのかを夫婦で話し合っておくことは、とても意味のあることではないかと思います。

 もう1つは、世の中にとって有用な事例になりうるのではないかというワクワク感。週4ランチのみ営業で、自然豊かな環境でゆったり暮らせたら、これってワクワクしませんか。もちろん「ありたい姿」と「生活」とを両立させられるかは、実際にやってみないと分からないですし、リスクも伴うチャレンジです。でもだからこそ、あらゆる試行錯誤の上でその両立が成しえたとしたら、人生100年時代を生きる上での1つの豊かな選択肢として、有用な先行事例になりうるのではないかと考えました。
 家族の近くで暮らしたいという「利己的」な動機で始めるチャレンジではありますが、この利己的なチャレンジを突き詰めて先行事例として発信することは、結果的に、誰かに豊かな人生の選択肢を提示するという「利他的」なチャレンジになるのではないか、そんな閃きが生まれた時は、「これは自分が人生をかけて証明するに足るテーマだ!」と思って、本当にワクワクしました。このワクワクが不安を大きく上回ったのもあり、一歩を踏み出すことができました。

 っと振り返って考えれば、「後付け」で理由を書くことは幾らでも出来ますが、本音で言えば、「自分のワクワク」「自分の直感」を信じてアクションをしたことに尽きるんだと思います。間違っても他人の目や世間の評価で判断しないこと、迷ったら直感を信じて自身のワクワクする方へ。もし皆さんがこれから先の人生で判断を悩んだ時には、ぜひこの原理原則に則って考えてみて貰えたらと思います。


Q:カレー屋をやっていて一番「うれしかった!やっていてよかった!」と思う時は、どんな時?

 食べた後に「美味しかったです!」などなど、言葉にしてもらえるのも嬉しいですが、カレーを口に含んだ瞬間に「!!」っといった驚きの表情をした直後に、パーーッと笑顔が弾ける瞬間を見れるのが、本当に嬉しいですね。言葉は飾ろうと思えば飾れますが、素のリアクションにこそ、真実が眠っていると思うので。飲食店をやる素晴らしさは、「お客様の美味しいの笑顔」を間近で見ることができ、自分が誰かの幸せに貢献が出来ていることを実感しやすところにあると思っています。


Q:週4日営業でお金の面で困ったりしませんか?

 はい。今のところですが、何とか生活に困らない程度には暮らしています。なぜ、週4ランチ営業でやっていけるのか、豊田なりに思うポイントを3つほど、お答えさせて頂きます。

①佐久穂町で起業をしたこと
・佐久穂町は人口10,000人ほどで高齢化も進んだ町で、一見すると商売が厳しそうに感じますが、その分、飲食店の数も少ない。人口あたりのお店の数で考えれば、都内でやるのとそんなに大差が無い。むしろ、お店の数が少ないからこそ、新規オープン自体がビッグニュースになるなど、お店の情報が圧倒的に埋もれないで済む。
・都内に比べて、初期投資・ランニングコストが圧倒的にかからないのも地方ならでは。もし都心で同じような町の中心部、駅近商店街の一画で店舗購入して起業しようと思ったら、億単位の初期投資がかかると思います。
・アクセスがしやすい立地にある点。無料で使える中部横断道があるおかげで、広範囲から来店頂けるのも大きなポイントだと考えています。

➁カレー屋という業態を選んだこと
・元ハウス食品のスパイスマスターが創るカレー屋。このキャッチ―なコピーを使えるのは、今のところ、日本で唯一ヒゲめがねのみ。自分ならではの肩書を強みとして活かせている点。
・カレーというメニュー自体、喫食頻度が高く、回転率も高く(さっと食べてさっと帰れるメニュー)、写真映えして口コミされやすく、オペレーションもしやすい(人件費・ロスを抑えられる)。更に、ラーメンと比較すると分かりやすいかもしれませんが、喫食頻度が高い割に競合店が圧倒的に少ない。「ラーメン専門店」はたくさんありますが、「スパイスカレー専門店」は、あまり無いですよね。そんな意外と穴場なジャンルに、自分の強みをはめることができたのが大きかったと思います。

③週4ランチのみ営業という形態を取っていること
・飲食店をやる以上、食べて美味しいというのは大前提ですが、カレーが美味しいというだけでなく、ヒゲめがねが目指す「世界観・生き様」を応援したいというコアファンが付いてくれているため。本人がリピート来店してくれるだけでなく、多くのお客様を連れてきてくれるおかげで、お客様が拡がっている。
・週3の余白時間で、カレー屋とは違う活動を行っており(今回の講演もその一環)、そういう活動を通じて、ヒゲめがねを知ってくれて、興味を持ってくれる人が増える。

そんなこんなで、今のところ、なんとかやっている感じです。が、未来がどうなるか分からないのが商売の怖いところです。なので、ぜひ皆さんにも、カレーを食べに来て頂き、ファンになって頂けたら嬉しいです。


Q:これからも「カレー屋ヒゲめがね」を続けるためには、何が一番大切だと思いますか?

 「お客様ファースト」ではなく「自分ファースト」をぶらさないこと、「お客様のために」ではなく「自分が楽しいからやる」ということかなと思っています。自分自身が心地よく、幸せを感じられている状態でないと、そもそもお店自体に良い空気が生まれず、良い空気が流れていないお店では、お客様に笑顔になって頂けないと思うので。自分本位に、お客様をないがしろにするということではなく、「自分の幸せ」→「お客様の笑顔」、という順番を間違えないということが大事なんだと思います。

 その上で、美味しいカレーを提供するのはもちろん、お店の雰囲気作りや、皆様に楽しんで頂ける様々な仕掛け、どういう想いでやっているお店なのかの発信も含めて、「ヒゲめがねの【カレー】が好きだ」というレベルではなく、「ヒゲめがねの【生き様】を応援したい」という次元で、お客様との関係性を創ること。

 自分ファーストをぶらさずに、お客様とそんな関係性を丁寧に築いていくことが、長く続けていくことに繋がっていくのではないかと考えています。


Q:どうして「ヒゲめがね」という名前なのですか?おもいついた理由を教えてください。

 表向きは、豊田の見た目をそのままに店名にしたということなのですが、その裏では、「周囲の期待に振り回されるのではなく、自分の想いに正直に生きる」という『決意』を込めて名付けています。

 唐突ですが、皆さん「千と千尋の神隠し」で出てくる「カオナシ」というキャラクターを御存じでしょうか。あの映画を見ている中で、カオナシとは何を表しているかにハタと気付くことがありました。カオナシは、相手の期待を探り、相手の期待に応えられると、その期待を飲み込み、成長します。ところが、千と対峙した時に、取り乱します。なぜなら、何が欲しいかを尋ねても、何も要らないと答えるから。そんな人と出会ったことはない、そんな反応をされたらどうして良いか分からない。分からないから過去の経験則から人が喜ぶ「金」を与えようとするが拒絶され、パニックになる・・・。そんなキャラクターに「カオナシ」と名付けたのは、誰かの期待に応えてばかりで自分自身が無い、それは顔が無いのと一緒ではないかとの想いが込められていたのではないでしょうか。

 そしてこの映画のタイトルは「千と千尋の神隠し」。自分の名前を神隠しに合って忘れてしまったのなら、「千」回でも自分に「尋」ねなさい、そんな意図が込められているのではないでしょうか。真実は分かりません、あくまでも個人の推測です。

 講演を聴いて頂いた皆さんは、お気づきかもしれませんが、正に豊田自身、「期待値ハンター」として生きてきた「カオナシ」であり、そのことに悩み、自分は何者かを千回尋ね、ようやく今、このステージに立つまでに至りました。そんな自分が自分らしさを取り戻す大きなきっかけになったのが、一年間の育休であり、育休中の「ヒゲめがね」の姿こそが自分らしい象徴だと思うようになりました。

 これから先の人生も、「自分基準」ではなく「他人基準」で物事を考えてしまうことが多々あるかもしれません。そんな時にも、カオナシにならないよう、自分らしさを呼び覚ましやすいよう「ヒゲめがね」という名前を、カレー屋の屋号とすることにしました。おかげさまで、店名を目にするたびに、お客様に店名を口に出してもらうたびに、「自分らしくあろう」と思い返すことができており、個人的にかなり気に入っています。


Q:自分が本当にやりたいと思っていることをどうやって見つけたらいいですか?

 自分の「個性」を知ることが、何よりのスタートだと思います。

 ということをお伝えすると、たいてい「自分には個性が無くて・・・、どうしたら個性は見つかりますか?」という質問を頂きますが、受け継いだ遺伝子は唯一無二、育った環境は千差万別、世界に1つとして同じ生物は存在しないのは、まぎれもない事実。個性が無いということは、理論上ありえません。まずはその事実を、事実のままに、噛みしめてみましょう。

 そもそも「個性」というと「人より抜きんでた秀でたもの」と捉えているパターンが多いように思いますが、それだけが個性ではありません。「人よりも不得手なもの」も立派な個性です。そこに自信を持っちゃいましょう。そこに自信を持って、「ワタシはここが苦手だからタスケテ―!」と言える人はとても魅力的です。歴史上でも「項羽と劉邦」など、なんでも出来るスーパースターよりも、欠点を魅力にした人間が天下を収めるなんて事例はたくさんあります。貴方の欠点=あなたの個性はなんですか。

 その上で、個性をどう知るか。豊田が考える個性とは、何かが出来るとか出来ないとか、というよりも、どんなことに「喜怒哀楽」を感じるかだと思っています。CanではなくFeelで考えると分かりやすいでしょうか。嬉しいと思ったこと、怒りを感じたこと、悲しいなーと思ったこと、そして楽しいと感じたこと、それらの感情を寝る前にノートに走り書きしてみましょう。これは、誰に見せるでもない、自分だけの秘密のノートです。誰かの目を気にすることなく、かっこつけることなく、感情のおもむくままに書き出してみましょう。これを習慣付けていくと、自分がどういうことに喜怒哀楽を感じる人間かが、自ずと見えるようになってきます。そして、その感情のうごめきは、誰かと比べたり、優劣を付けたりする必要はありません、そのものが自分の個性なんだなーと味わって見て下さい。

 そして、自分自身の感情に気付けるようになったら、どういう状況だと自分は心地が良いのかが見えてきます。この心地の良いと思えるものは人それぞれ異なりますが、それが明確になってくることが、自分の個性を知ることなんじゃないかなーと思います。貴方はどんな時に喜怒哀楽を感じますか?そして、どういう状況だと心地良いですか?そんなことを考えてみると良いかもしれません。

 そして、個性=貴方がどんな状態の時にワクワクするかが見えてきたら、その後は行動あるのみ。ワクワクすることに軸を定めて、どんどん体験を積み上げていきましょう。体験してみて、本当にワクワクするか、それともあんまりピンと来ないかを、自分の感性で分別し、自分のありたい姿を明確にしていきましょう。そうやって、磨き上げていった「ありたい姿」を実現できることが、貴方のやりたいことなのではないかと思います。


Q:幸せな人生を送る方法は何ですか?生きるということは楽しいですか?

 豊田が常々心にとめている言葉の1つに、脳科学者の茂木さんが言われてることがあります。

『不完全な子どもがだんだん完全な大人になっていくのではなく、完全な子どもがだんだん不完全な大人になっていくのである。好奇心を持つこと、箱の外に出ること、自分を変えていくこと。この能力において子どもは完全で大人は不完全だ。大人の最大の野心は、ずっと子ども心を失わないことであるべきだ』

 歳を重ねていく中で積み上げた経験が足かせになり、自分の気持ちに素直に生きることから遠ざかってしまう、そんなリスクがあることを理解しておこうね。というメッセージだと豊田は捉えています。

 そして当たり前ですが、これからも皆さんは歳を重ねていきます。歳を重ねれば重ねるほど、世間体という鎧を背負い込み、ガンジガラメになって身動きが取りにくくなっていく、、、かもしれません。そんな歳の重ね方を避けるために、今のうちから「自分が、本当に大切にしたいこと」と「本当は違和感がありながらも、周囲と合わせて大切なフリをしているもの」を分けて考える癖をつけておくことをおススメします。

 豊田が思うに「幸せな人生かどうか」は、「自分の気持ちにどれだけ素直に生きれたか」と比例するのでは無いかなと考えています。せっかく、唯一無二の貴方として生を受けたのだから、みんなと同じことによる安心感よりも、自分ならではの生き方に楽しみを見出してくれたらなと願っていますし、そんな貴方ならではの個性を謳歌することが、幸せな人生に繋がっていくのではないかと思います。

 生きることは、楽しいです。ハウス食品でバリバリに働いてた頃も楽しかったですが、今はより一層楽しく生きれています。その違いは何かと言えば、幸せな人生の送り方と同様、「自分の気持ちに素直に生きる」ことが出来ているからだと思います。繰り返しになりますが、誰かの借りものの考えではなく、自分が大切にしたいことを軸にして動いていくこと。そういう想いで動いていれば、動いた結果がどうであれ、そこには前向きな学びと成長が生まれるように思います。自分の軸で動く、その結果から学びを得る、さらに自分の気持ちを耕していく。そんなループを繰り返していくことが、人生を楽しむコツなのかもしれません。


Q:どうしても周りの目が気になって、自分のしたいことや意見が言えないときに、自分らしくいるにはどうしたらいいですか?どうやって周りの目を気にしないようにしたのですか?

 なぜ「人」は「人間」って言うんでしょうか。「犬」を「犬間」とは言わないですよね。豊田なりの理解ではありますが、人は、人と人の「間」を意識して生きるイキモノだから。狩猟も稲作も自分一人ではままならなず、日々の糧を得られなければ生きていけない、周りと協調することによって、命を繋いでくることができた。そういう遥か昔からの「生きる知恵」として刷り込まれているのが、「協調する」≒「周りの目を気にする」ということなんだと思います。なので、人の目を気にするのは、人間の本能みたいなものであり、抗う術は無いと思ってしまった方が気が楽かもしれません。周囲の目を気にする自分を否定せずに、そんな自分を認めてあげちゃいましょう。

 いやいや、そうは言っても、人の目を気にせずにガンガン行ける人だっているじゃないですか!?と思いますよね。豊田もそう思います。でも、周りの目を気にせずにガンガン行ける人「だけ」が素晴らしい人なのでしょうか?ガンガン行く人は、道を切り開いていけるかもしれない一方で、無用のトラブルを産み出してしまうかもしれない。逆に、人の目を気にするからこそ、歩みはゆっくりかもしれないが、細やかな心配りにより物事をスムーズに進められるかもしれない。どちらが良い悪いではなく、ただただ「個性」の「違い」でしかない。周りを気にしてしまうということは、一見「弱み」に感じられるかもしれないですが、ただの「個性」です。そしてこの「周りの目を気にしがち」に限らず、どんな個性にも、良い面と悪い面の両面があるものです。であれば、「デメリット」に囚われるて自分自身を否定するのではなく、「メリット」に目を向けるようにすると良いかもしれません。それが自分らしさを理解し、活かす道に繋がっていくように思います。

 少し話しは変わりますが、自分の意見を言えないのは何故か。色々な要因があるかもしれませんが、その中の1つに、「自分の考えが否定されるのが怖い。または否定までされなくても、自分の意見がその他大勢の考えと違うと、仲間外れになるかもしれない」といった「おそれ」が根底にあるように思います。

 ではそのようなおそれがある場合にどうするか。1つのアイディアではありますが、貴方から周りの人に「あなたはどう思ってるの?ぜひ聞かせて!」っと問い掛けてあげるのはどうでしょうか。そして、相手の話しを否定せずに、じっくりと聴いてあげること、ここから初めてみることをおススメします。

 同調性が強く蔓延る日本においては、どうしても「同じ意見=安心・仲間感」、「違う意見≒警戒・敵対感」と捉えがちだったりしますが、よくよく考えると、違う意見を聞けた方が、自分の知らない世界が拡がって面白いんですよね。なので、違った意見を聞けたときほど「そういう考え方もあるんだ、教えてくれてありがとう!」っと感謝を伝えるようにしてみましょう。この「感謝を示すこと」がとても大切なポイントです。

 そういった「聴く」と「感謝」を重ねていくと、「違う意見を言うことは怖いことではなく、相手のためにもなるんだ!何よりも、否定されずに話しを聴いて貰えるって、こんなにスッキリするものなんだ」という気付きが芽生えていきます。そして、そういう気付きを得た人は、自ずと「聴く」のスタンスが変わっていき、互いの話しを聴き合う文化が醸成されていくかもしれません。

 自分の意見をなかなか言えない、という方は、まずは聴き手として違いを認め感謝を贈ることで、そんな文化を創っていく。そんな文化が生まれてくれば、話すことのおそれが消えていき、自然と自分の想いを発露できるようになっていくのではないかと思います。


Q:どうすれば最強のメンタルをつくれますか?

 豊田自身、メンタルは物凄く繊細で、何かあるとすぐにシュンとしてしまいます。ので、この質問の答えは、豊田も切実に知りたいところです(笑)。

 ただ、最強のメンタルを目指す必要ってあるのかなとも思っています。繊細なメンタルを持っているということも、大切な個性だと捉えて、そんな自分を慈しむこと。メンタルがタフな人がやれることは、その人に任せる。メンタルが繊細な自分だから出来ることに集中する。繊細なメンタルを持っているからこそ、出来ることってたくさんありますよね。もしご質問者が繊細なメンタルだと自負しているのであれば、無理に最強を目指すのでなく、繊細さを磨き込む、その方がハッピーなんじゃないかと思います。ありのままの自分で生きましょう。そんな心持ちを持つのが、最強のメンタル、なのかもしれませんね。

 あとは、自分は自分、他人は他人、と線を引くこと。他人が何を想い、どう行動するかは、コントロール出来るものではない、出来ないことに心を砕いても仕方がない、と割り切ること。そして、他人との比較を手放すこと。自分は他人より上だ下だと評価することに何の意味もありません。「みんな違ってみんな良い」から更に進んで「みんな違ってみんなどうでも良い」という次元で周りとの関係生を手放して、ありのままの自分を受け止められるようになると良いかもしれません。


Q:人に夢などを拒否されたり、やめた方がいいなど言われたりしたことはありますか?もしあったとしたら、その時どうしましたか?

 豊田がハウス食品を辞めて、佐久穂町でカレー屋をやりたいと言った時の周囲の反応は

「地方で、カレー屋?しかも週4日ランチしからやらない?子ども3人もいて、養っていかないといけないのに、何を夢みたいなこと言ってるんだよ。世の中、そんなに甘いもんじゃないんだからさ。せっかくハウス食品という大企業に就職できたのに、辞めるなんてもったいない。会社の仕事も楽しくやれてるんだろ?もう良い大人なんだから。ちゃんと考えなよ。」

 といった感じが8割ぐらいだったでしょうか。皆さまご存じ「貴方のことを思って言ってるんだよ」という助言を、山のように頂きました。が、豊田のことを想ってくれる気持ちは感謝して受け止めた上で、結局会社を辞め、カレー屋を起業するに至りました。それは、周りが何と言おうと、「自分のワクワクを中心に、自然豊かな環境で、家族とゆったりと暮らす」という環境を創りたいと思ったから。

 何が言いたいかというと「自分が何かをやりたいと思った時には、どうしても、何が何でも、貫きたいもなのかを考えてみるようにしましょう」ということ。どうしても貫きたいと思えるものであれば、強い反対に会おうと、実行に移してしまうものです。実行に移せず、どうしたら良いか悩んでるいる時点で、その想いはまだ成熟しきっていないということなのかもしれませんし、そのような状態で何かコトを起こしてもうまくいかないような気がします。まだ想いが熟成しきってないのであれば、無理に貫かずに様子を見て、無用な摩擦ストレスを避けるのも一案だと思います。

 話しは少し変わります。何かの記事で読んだのですが、何かにチャレンジしようとする人に「どうせ無理だから止めときなよ。そんなことしたら、色々と迷惑かかるよ。」と足を引っ張り、ストップをかける存在を「ドリームキラー」と言うそうです。なぜ人は人の挑戦にストップをかけるドリームキラーになるのか。

 それは、『自分の想いを発露するよりもルールを守ることを小さな頃から強要される中で、自身の想いは飲み込み我慢するのが生きることなんだ、と叩きこまれてきた。それなのに、その鎖から解き放たれて自由に生きている人の存在を認めてしまうと、自分の生き様を否定することに繋がる。だから人の挑戦を見ると "貴方のためを思って言っているのよ" という枕詞を巧みに使いながら、 "無意識" にアクションを妨げるようになる』んだそうです。そして、この不自由さを飲み込み合うことを無意識に強要し合い、挑戦を止めてしまう風潮が、日本社会の停滞感の1つの要因になっているとか。あくまでも、とある論者の一説ではありますが、皆さんはどう感じますか。

 話しを戻しまして。豊田が一歩踏み出すことができたのは、そういった「ドリームキラー」ではない、仲間と出会えたから。そういった仲間が

『地方で起業!?めっちゃ面白いじゃん!うまくいきっこないって言ってる人は実際に自分でチャレンジした上で言ってるの?違うよね?やったことないのに、なんでそんなこと言えるんだろうね。もし仮に失敗したって、大企業に勤め続けてたよりも、遥かに貴重な経験が得られるだろうし、その経験を糧にしたら、どうにでもなるんじゃない!?そもそも大企業だからといって安泰とは言えない時代になっていくしね』

 と、挑戦を前向きに捉えて応援してくれたから。

 前述の通り「その夢は誰に反対されてでも貫きたいと思えるものか」を自分に問うことが大前提だと思いますが、一方で、やっぱり人は誰からも応援されないと辛いというのも事実だと思います。貴方が、何かに挑戦しようとした時に、応援してくれる仲間はいそうでしょうか。周りを見渡してみて、もし応援してくれそうな方がいなかったとしたら、ぜひ現状の環境の中だけで考えずに、色々な本を読んだり、様々な場所に出かけたり、多様な人にあって話しを聴いたり、自分の世界を拡げてみて下さい。誰と一緒に過ごすのかを、懸命に考えてみて下さい。世の中は広いです、貴方のことを応援してくれる方は、必ずいます。そして願わくば、皆さんは「ドリームキラー」にはならず、互いに互いの夢を応援しあえる粋な仲間であってくれたらと願っています。


Q:豊田さんはつらい過去を持っていらっしゃるのに、どうして立ち直れたのですか?

 辛いことを、悩んでることを、悩んでる自分を、まずは否定しないこと。これが一番大事かなと思います。悩むということは、その悩みに「気付けるようになった」という成長の証だと考えてみましょう。更にいえば、悩みというのは、自分自身を成長させるための種でもあります。その悩みを受け入れ、その悩みはどうやったら解消するかなと考えることが、人生をより豊かにしていきます。なので、辛いことがあった時に、悩んでるな―と思ったら、そのことをあるがままに受け入れた上で「ようこそ悩み!オレ・ワタシ、絶賛成長中!」とつぶやいてみましょう!

 上記を踏まえた上で、あとはテクニック論的なことになりますが、悩んでるなーと思うことを、その「悩んでる事象」と、事象を「どう自分は解釈しているか」に分解をしてみることをおススメします。事象は、起こっている事実なので変えることは出来ませんが、それをどう解釈するかは自分の心持ち次第、いかようにでも捉え方を変えることができます。そして、捉え方を変えると、悩みは、悩みでなくなり、成長の種に変化する・・・ことも多いです。

 もし自分1人では良い解釈が浮かばない時には、本をたくさん読んでみましょう。世の中の本には、皆さんと同じ事で悩み、苦しみ、でも立ち上がったケースがごまんとあります。または、周りにどういう捉え方があるかを聞いてみるのも良いですね。但し、周りの意見が必ずしも正解ということはありません。周りの意見に安易にのっからずに、最後は必ず自分なりに考え、自分で腹落ちさせた解釈を持つようにしましょう。

 あと「悩む」と「考える」の違いを理解しておくと良いかもしれません。悩むは、同じことをグルグルループして次に進まずその思考に留まってしまう状態。考えるは、色々と想いを巡らし、合ってるかどうか分からないが、とりあえずこれをやってみるかと、小さな一歩が踏み出せる状態。悩んでるなーと思ったら、考える状態に移行してみる、つまり小さな小さな一歩で良いから決めてアクションを取ることが重要です。一歩を踏み出すと、違った景色が拡がり、視界が開けることが多々あります。

 っと、40年生きてきて、様々な経験も踏まえたからこそ、上記のように考えることが出来る様になりましたが、自分が中学生の時にこれが出来たかと言えば、全く出来ませんでした。講演でも触れましたが、豊田が中学生の当時は、突如父親が蒸発、自分も反抗期に突入、勢い余ってリストカットするという暗黒時代でした。本当に日々、辛かったと記憶しています。

 では、どうやってその状況を抜けたか。

 まず母親がこのままではダメだと立ち直り、荒れてる子どもたちを、静かに、でも暖かく、見守るようになってくれたことが大きかったなと思います。また、豊田自身も反抗期のトンネルを抜けて、精神的に落ち着いてきたところに、高校進学で環境も変わったのもあって、落ち着きを取り戻していきました。自らがどうにかしたというよりも、周りの環境が変わり、時間が経過していく中で、変化があったような気がします。

 なので、自分でうまく解決できなくて悩んでいる人も安心してください。環境は刻々と変わっていきますし、時間が経つ中で自分自身の心持ちも変化していく、いつの日か抱え込んでいたモヤモヤがパ―っと晴れる時が必ずあります。そう信じて肩の力を抜いてみてください。




以上、中学生の本質的な問いに今年も全力で答えてみた、でした。あれこれ書いてたら、まさかの15,000字を超えてて自分でもビックリ!長文になってしまいましたが、皆さんの思考を刺激する何かしらのきっかけになれば幸いです。

ちなみに、昨年の講演後に頂いた質問と回答の記事はこちら。一部、重複した質問と回答がありますが、良かったらこちらもご覧になってみて下さい。

それでは、皆さま今日も良い一日をお過ごしください!

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