部下のカミングアウト
どうも。
東野京(ひがしのみやこ)です。
先日部下から「話がある」と言われ、あるカミングアウトを受けました。
今回はそれに対しての思う所などを記していきたいと思います。
部下について
今回の主役となる私の部下は、昨年の夏頃に他部署から移籍してきてもらいました。
年齢は私の一回り上の方で、妻子もあるそうです。
元所属先では人間関係でのトラブル等、あまり良い話は耳にしない方でした。
上司と私は、噂は噂、自分たちの目で見ていないことに翻弄されるのはやめようという方向性で合意し、上手く巻き込んでいければと思いました。
会ってみると人柄も悪くなく、別部署で1から業務を習得してもらうことにも前向きでした。
異動してきてからも本人なりに真面目に取り組んでくれていたと思います。
ミスが多かったり要点を捉えられなかったり察しが良くない部分は感じられましたが、本人なりに一生懸命やってくれている感じはしました。
覚えた時には出来ていたことでも時間が経つと出来なくなったり抜けていることもありましたが、駆け足で詰め込みすぎてしまったのかなと思っていました。
勿論良い所もあります。
お願いした事はすぐに取り掛かってくれますし、本人なりには色々と考えて仕事をしているようです。
自分なりに考えてやっているのは分かっていても、明らかに非効率的だったり気になることがあればついつい声をかけてしまっていました。
秋頃から仕事でのミスが目立ち始め、頻繁に指摘を入れざるを得ないということが気になり始めました。
カミングアウト
それは数日前のことでした。
先述の部下から「お話したいことがあるのでお時間いただけますか?」という連絡が私と上司に入りました。
内容は定かではないが早いに越したことはないだろうと、その日の中で会議室を抑えて面談を実施しました。
会議室で部下が語りだした内容は以下の通りです。
・仕事がつまらない。とにかくつまらなくて仕方がない。
・元所属部署と同じ役職を期待されて異動してきているはずなのに、平社員と同じような仕事しかしていない。自分がやるべき仕事をできていない。
・自分で考えてやっていきたいのに、指示されたことをこなしていくだけになってしまっている。
・辞めることも考えているが、辞めるかどうかはまだ分からない。何も言わずに辞めるのはどうかと思い、とりあえず伝えてみた。
私は部下に問いました。
「では部下さんの思う『自身がやるべき仕事』『自身がやりたい仕事』とは何でしょうか?」
部下から明確な返答は得られず、面談は終わりました。
会議室に残った上司と私とで、今後の方向性だけ簡単にすり合わせてその場は解散となりました。
私の思う所
彼の話を聴いて、まずは反省しました。
部下のモチベーションを上げられなかった、本人に合った進め方が出来なかったのは私の不徳の致すところでしょう。
ただし、部下の言っている事を素直に受け止められていない部分もあります。
例えば、自分がやるべき仕事が出来ていないと言うのならば、私の問いに対して何故その具体例が出てこないのでしょうか?
そう考えると、『やるべき仕事』やその他の理由達は建前なのではないかと思えてきてしまいます。
「仕事がつまらなく感じている」というのはおそらく本音だと思います。そこだけが澱みなく出てきた言葉でした。
その後から出てきた諸々の理由は全部後付のように思えてしまいます。
部下が自分なりに悩み考えて思いついた内容がそれらの理由に相当するのではないかという推測です。
今回話には出てきませんでしたが、私は以下のような内容も彼がつまらなさを感じた要因なのではと思っています。
・日々注意を受ける。
・年下の上司が出来ていて自分ができないのはおかしい。
・自分は出来る人間なのに上手くいっていないのは環境が良くない。
というような内容が自覚の有無は別して彼の中に内在しているのではと思っています。
自尊心が高く自己肯定感に溢れているのは前々から感じられていたので、無意識にそう思っているというのはあながち間違っていないように思います。
今後の進め方を変えてみる
宙ぶらりんの状態が一番良くないので、これまでとはやり方を変えてみることにしました。
今上手くいっていないのだから同じやり方では何も変わりません。
部下が面談で話した内容をベースに進め方のプランを立て、上司にもその内容で承認を得ました。
内容としては以下のような感じです。(書いても支障がなさそうな部分だけ抜粋しています)
○部下さんが思う「やるべき仕事」「やりたい仕事」をリストアップしてもらう。
→(リストアップが終わったら)内容確認の打ち合わせ
→上記に沿って毎日のToDoを策定
(朝にその日の取組の確認、退勤前にその日の進捗確認)
こちらから指示することは極力やめて、自分で考えて動いてもらうことにします。
尻拭いは私が行う形ですが、それは指導者として当然の責任でしょう。
それで好転すれば良し、それでダメならそこまでです。
今までは何をする上でも意図や私がどう考えているか等も逐一伝えていましたが、それも辞めるねと伝えたら部下からは「自分は東野京さんみたいに細かくないので、自分なりにやってみます」と言われてしまいました。
ザルから溢れたものを拾うよりも最初から自分が全部掬った方が楽なのでしょう。
しかし、それをやっていると永遠に自分でやらなければならず、部下も育ちません。
ここで任せられるか、部下を育てられるかは私の今後にも直結する課題だと思って真摯に向き合っていきたいと思います。
とりあえず一日やってみて
先述のアクションプランを部下にも伝えてみました。
今まで部下に任せると何度言ってもやってくれなかった業務についても、自分で考えて進めてくださいと改めて伝えてみました。
初日から上手くいくなんて甘い話はなく、確実時点では受身のままで自分からアクションを起こしてくれることはありませんでした。
ここで見限るのではなく、見守っていくことにします。
どうにもならない事態に陥る前にだけ口を挟むようにして、まずはやらせてみます。
どうしても気になってしまいますが、ここで堪えて任せてみるのが自身の務めだと強く言い聞かせます。
逆に私は相手のせいにせずにもっと個々人にあった指導や進め方が出来るようにスキルアップしなければなりません。
成長の機会をくれた部下に感謝し、今後の糧にしていきたいと思います。
おわりに
もっと無責任に部下に丸投げできるような人間だったら少しは楽に生きられたのかなと思います。
最後までお目通し下さった方、ありがとうございます。
また何処かでお目にかかれたら幸いです。
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