【小説】 透明人間も感染症が怖い
透明人間になれたらどんなことをして過ごそうか、そんな想像を誰しも一度はしたことがあるのではないだろうか。
そうした願望は創作物にも表れている。透明になれるマントは魔法界にも未来のデパートにも存在するし、未来の世界には被ると誰にも認知されなくなる帽子も存在する。
そもそも誰がはじめに透明人間という概念を創造したのだろうか。少し前までの私はそう考えていた。
透明人間なんて空想上の産物でしかなく、その存在はあくまでフィクションだ。そう信じて疑わなかったのである。あの時までは。