花冷えに紅葉 (Twitter140文字小説)
想像よりスッと闖入された。
抗うはずの腹直筋は盾の役目を果たさず、簡単に破れた。
針の痛みがまだ脳に刺さるかもしれない。
尖った痛みではなく、鈍い痛みがじわりと波紋のように広がる。
「……ごめんね」
女が雫を垂らす。
いいから行けと、おとがいで示す。
掌に紅葉。
花冷えだが、まだ早えだろ。
あとがき
悪い男なりの優しさを表現したく、執筆してみました。
ラストをかなり悩んだ記憶があります。
頂けましたサポートは全て執筆に必要な活動、道具などに使用させていただきます。是非、よろしくお願いいたしますm(_ _)m