見出し画像

ありがとうの花 (140文字小説)

 ジーンズのポケットで、携帯があばれている。

 振動で揺さぶれるように母とのけんかを思いだした。

 あのあと、駈け落ちした。

 息子を産み、いま思い出すのは母の厳しい言葉。

 でもいまならそれもわかる。

 母へ花を贈った。

 数年ぶりに携帯に表示された番号に、私は胸が踊り口元がゆるんだ。

頂けましたサポートは全て執筆に必要な活動、道具などに使用させていただきます。是非、よろしくお願いいたしますm(_ _)m