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なにごともほどほどに (140文字小説)

 その路面電車は奇妙な光景だった。

 乗客全員が頭を垂れている。

 皆スマホに夢中だ。

 じいさんまでもゲームに興じている。

 時代の流れか。下ばかり見るな。

 現実に目を向けろ。

 俺は違うぞ、上を向いて歩く。

 一歩踏み出すと、何かにつまづき倒れた。

 視線が痛い。

 上ばかり見ても駄目だな。

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