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娘の魂胆 (140文字小説)

 とんとん、ととん。

 リズミカルに肩が跳ねる。

 娘が珍しく、叩いてくれている。

 なにか魂胆があるのだろう。

 五千円まではねだられてやるか。

「ねぇ、お父さん」

 来たな。

「なんだい?」

「お願いがあるんだけど」

「いくら欲しいんだ?」

「十万!」

「十万!?」

「うん。堕胎費用で」

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