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高尚だが高所な彫刻鑑賞

だいぶ前になるが、仕事でノルウェーの首都オスロに行った。

当時から、大の高所恐怖症で、飛行機に乗るなどもってのほか、たとえ東京から福岡といえども新幹線で移動していたぐらいだったのだが、こればかりはさすがに飛行機に乗らざるをえない。
覚悟を決め、とにかく寝ると決めて乗りこんだ覚えがある。

ところが、緊張ばかりで、そう簡単に寝られるものではない。半日の飛行時間、耐えに耐えた。
耐えた褒美にでもないが、どうしても行きたかった、ヴィーゲラン彫刻公園に行くことができた。

人間・人生を主テーマにした人物像の彫刻が展示された広大な公園だ。他にも行ったところはあるのだが、鮮明に記憶に残っているのは、この公園のみ。いつかまた行ってみたいと思う。

と、思っているだけでも仕方ないので、連休の谷間、日本・箱根にある、彫刻の森美術館に行った。長い間首都圏に住みながら、ここに来たのは初めて。ノルウェーには行けないので、近場でごまかしてみた。

ここにも公園内に彫刻が展示されている。規模は比べるべくもないが、人物像以外にも様々な作品があり、見応えはある。

最後に、幸せをよぶシンフォニー彫刻を見た。見たというより、螺旋階段を登った。そして、登ったというより、恐ろしかった。こんなのだとは知らなかった。あまりの高さに、途中足がすくんで動けなくなった。緊張の汗で濡れた手で、手すりにしっかりつかまり、まっすぐ前を見、一歩一歩階段を踏みしめ、「階段を登る」作業を続けた。ステンドグラスがあるのだが、見る余裕は全くなく、登り降りの数十分、耐えに耐えた。

耐えた褒美も特になく、帰りの電車、ひたすら寝た。

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