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キャラクターを観る僕のキャラクター



目覚める。
よし、「今日は映画だ」
親の自由時間は早朝だ。


朝4時は至福の時間だ。
子が起きるまで2時間はある。

リモコンを探す。
みつからない。


食器タンス、ティッシュペーパーの箱の中。
洋服タンス。手の届かないところをくまなく探す。


みつからない。
時間が一刻一刻と刻まれていく。



プライムビデオの操作がテレビ画面の横についてるボタンを手動でできるか考えながらリモコンを探す。



ない。



子どもも親もテレビを見すぎるから家族の誰かが
隠したのである。



平日の朝にリモコンがないことはいいことだ。
朝の支度が前に進む。



過去の経験から早朝からテレビを観ると朝の準備が
すすまない。テレビの虜になるからである。


そういう、これまでの朝の出来事が頭に蘇る。


そして、見つからないリモコンを探し続けた。

何ごとも諦めかけた頃に良い結果がでる。
なぜだろう。
何事も一つのことに執着しているときは周りが見えなくなるのか。


何か探しものがあるときには、まずは諦めることが
肝心なのかもしれない。



映画を観るときは、できれば明るすぎない環境がよい。

映画館だって最終的に天井の照明は真っ暗である。
映像に集中するために?周りに気を取られないようにか。

という映画館のような環境は家でも再現できる。
だから、照明は豆電球ほどの明るさにする。
真っ暗じゃないのかよ。

そして、「キャラクター」は始まった。
薄暗い中で、誰もが寝静まったソファに座る。

サングラス付きのメガネを手に取り、
サングラス部分のふちを取り外す。
取り外可能なのだ。
(4週間前程にオンデーズで購入。「OWNDAYS英語のスペルのほうがなんとなく気分がいい」車の運転席の座席にふと置いてしまい、保育園から娘をお迎えしたあと、車に戻り、メガネを座席置いたことを忘れ、自身のケツで座席にSit。頑丈ではないフレームを踏んで、変な方向にフレームは曲がり、治そうと曲げると折れてしまった黒いフチの眼鏡。購入後1時間後の出来事。非常に残念)



よく観える。
メガネをかけた時の見え方と、外しときの見え方を
何度か試す。



と、気づいたら僕は映画の中の一部と一体となり
ストーリーに引き込まれてしまった。


AM5時半

家の2階から物音が聞こえる。


歩く音。微かな話し声。
人が移動をしている。



一瞬、映画のストーリーから現実の世界へ戻る。



「キャラクター」は終盤になっていた。
恐らく残り20分ほどだろう。



足音が近づいてくる。
小さな足音。足の裏が板である地面に着地した
音が近づく。



映像は止まらない。
足音も止まらない。
鼓動も止まらない。
誰も止まらない。
時間も止まらない。



蝉が鳴き出してきた。
遮光カーテンがやや薄明かりになってきている。




4人家族が家の1階に出揃った。
僕のソファーの周りに近づく。


「おはよう」



小学生の娘は言う。
「リモコン見つかった!」




僕の指も止まらない。

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