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【皮膚科医推奨】本当に良い保湿剤は?ヒルドイド代わりの市販薬があるよ!化粧水は不要です

 日本の女性は、化粧水や乳液がお好きです。ただ、これらには果たして保湿効果はあるのでしょうか?本当に選ぶべき保湿剤について説明していきます。

① 普通の化粧水は保湿力はないよ!
 化粧水の保湿力について検討した研究があります[J Cosmet Sci. 2016;67:175-83.]。結論から言うと、化粧水と保湿クリームを併用しても、肌の水分量は保湿クリームのみを使った場合とほぼ変わりませんでした!化粧水は塗った直後こそ潤いますが、すぐに効果が失われます。「これまで化粧水を塗ってきた手間暇はなんだったのか!」と思いますが、そもそも基本的に肌は水を吸収しないので化粧水が肌の奥まで浸透できるわけは無いんですよね・・。実際、お風呂に入ってもお肌がプルプルになるわけではありませんから。

 ちなみに、化粧品メーカーの開発の方に「化粧水って効かないのになんで売るんですか?」と聞いてみたら、「日本の女性の方は化粧水の潤った感じが大好きなんです。過去に化粧水抜きのセットを販売してみたら全く売れなくて・・。なので、今は必ず化粧水もセットにしています。」とのことでした。世界的に見ると、化粧水を使うのは日本と韓国などごく一部の女性くらいですね。

 なお、化粧水には保湿効果はありませんが、たとえばビタミンC配合化粧水であれば美容効果を期待できる可能性はあります[Dermatology. 2003;206:316-20.][J Cosmet Dermatol. 2012 ;11:65-71.]。ただ、「ハイドロキノン4%」という塗り薬よりもシミを薄くする効果は劣りますし[Int J Dermatol. 2004;43:604-7.]、費用対効果を考えると特に強く推奨はされません[Indian Dermatol Online J. 2017;8:406-442.]。(ハイドロキノンについては後日のnoteでいつかまとめます。)

 お金持ちの方であれば、「保湿には意味がない」ことを承知のうえで、「美容目的で」ビタミンC配合化粧水を買っても良いかな~、という程度の評価になりますね。あとは、「潤い感が気持ちいいのでやめられない!」という方もコスパを無視するなら使っていいかもしれません。

② 保湿剤は「ヘパリン類似物質」がオススメ
 「化粧水がダメなら何がいいのか?」ということですが、保湿作用がある成分は大きく2つに分けられます。

・エモリエント;ワセリン、オリーブオイルなど
皮膚表面を覆って水の情報を防ぐ。間接的な保湿。 

・モイスチャライザー;ヘパリン類似物質、尿素など
水を多く含むことができ皮膚に水分を供給。直接的な保湿。

 つまり、これらの成分が入っていない化粧水などは、そもそも保湿効果が期待できません。では、これらの成分の中でもどれが優れているのかですが、保湿力の強さに関しては「ヘパリン類似物質」が頭一つ抜けています。「ヘパリン類似物質」を塗ることで「尿素」や「ワセリン」よりも肌の水分量が増えることが示されているのです[日皮会誌. 2007;117:275-84.][臨床皮膚科 2007;61:563-8.]。

 ちなみに、「ヘパリン類似物質」は、病院で処方される「ヒルドイド」や「ビーソフテン」の主成分ですね。また、ヒルドイドには軟膏タイプ、クリームタイプ、ローションタイプ、泡タイプと色々ありますが、たとえばクリームタイプと泡タイプで保湿力の差がないことが示されています[臨床医薬 2018;34;115-21.]。「ヘパリン類似物質」が入っていれば、どのタイプを選ぶかは好みで良いでしょう。

③ 市販の「ヘパリン類似物質」含有商品を選ぶ際は「第二類医薬品」を!
 ここまでで、「普段の保湿には“ヘパリン類似物質”を含むものを選べば良い」と分かりました。ただ、「ヘパリン類似物質」を含む市販の商品は多数ありますが、実は濃度が薄いものも発売されています。間違えて濃度が薄いものを買わないためにチェックしておきたいのが、

 第二類医薬品か?医薬部外品か?

というポイント。今回はシンプルに、「第二類医薬品」と書かれている保湿剤を選べば良いと考えてください。これなら、「ヒルドイド」や「ビーソフテン」と同じ濃度の「ヘパリン類似物質」が含まれています。「ヒルドイド」並の保湿力を得られるかはやや疑問ですが[日皮会誌. 2012;122:371-3.]、「ビーソフテン」並の効果は得られると思います。

 逆に、「医薬部外品」の方は濃度が公表されていない物が多いです。購入する際には間違えないように表示をよく見てください。

④ 結局オススメは?
 最後に、「ヘパリン類似物質」を含む「第二類医薬品」のうち、どれが良いのかをまとめていきます。とはいえ、ここからは好みとコスパの問題になってきます。タイプ別に安いものをまとめてみると、

<化粧水タイプ>
・マーカムHPローション;50g×2で1995円
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 病院で処方される「ビーソフテンローション」と同じメーカーが作る市販品です。成分はほぼ一緒で、見た目もそっくりですね。


 また、コスパという観点では、

病院で月1本ビーソフテンをもらう;1000円程度(診察料など込/3割負担の場合)
Amazon等で月1本マーカムを購入する;968円

なので、月1本のみビーソフテンを病院で処方してもらうのであれば、マーカムを購入するのと費用はほぼ一緒。病院での待ち時間などを考えると、こちらの方がお得ですね。


<乳液タイプ>
・ヒルメナイドローション;50gで1304円
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 こちらは「ヒルドイドローション」に似た感じの薬です。先程のマーカムHPローションよりは少し高いですが、乳液タイプ好きはこれで良いかと。

【追記】乳液タイプで新しい製品が発売予定です。まだ発売前ですが、おそらくこちらの『ヒルマイルド』の方が安くなりそうです☺


<クリームタイプ>
・ヘパソフトプラス;85gで1526円
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 用量が85gと中途半端ではありますが、1gあたりのコスパで考えると市販品では最安です。しっとりした感じが好きな方、肌が荒れていて刺激を減らしたい方などに適しています。


 おそらく上でまとめた商品が最安だと思うのですが、もし見落としがあったら教えていただけると幸いです。なお、どんな商品でも人によって合わないことはあります。その場合は他の市販品に変更するか、皮膚科を受診してみてください。また、保湿剤のみでは落ち着かない場合、必要な保湿剤の量が多くコストが高い場合にも遠慮なく皮膚科を受診してください。ただ、良い皮膚科クリニックの数はかなり限られるので受診前にこちら(良い皮膚科を選ぶ6つのポイント)のnoteをチェックしてくださいね。


最後に、まとめです。

・化粧水の保湿効果は無い!
・保湿はヘパリン類似物質を0.3%含む「第二類医薬品」で!
・月1本保湿剤を使うだけなら、病院受診でも市販薬でもコストは大差なし。
・化粧水好きなら「マーカムHPローション」、乳液好きなら「ヒルメナイドローション」、クリーム好きなら「ヘパソフトプラス」。
・困ったら、これを見てから皮膚科へgo!

 皆様の潤い豊かな生活を応援しております^^

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