【法要ではなく祭典を・・・】

明日のことなんて誰にもわからないとか、
よく言われたりするけど。

ホントにそうだな～と思う。

つい先日、
嫁ちゃんのお母さん（僕のお義母さん）の、
一周忌だった。

それについて、
嫁ちゃんはこのように綴っている。

僕も、ちょうど１年前のことを、
今でもハッキリと覚えている。

仕事で香港に視察へ行くことになり、
嫁ちゃんにも僕が働く予定の現場がどんなものか、
知っておいてもらおうと思って。

「一緒に行く？」と聞いたら、
「行きた～い！」となり。

僕は仕事半分で、
嫁ちゃんはガッツリ観光気分で、
二人で３日間、香港に滞在していた。

嫁ちゃんは初めての香港で、
しかも中華料理が大好き。

香港の様子やご飯も気に入り、
二日目の夜も楽しく終わると思ってた。

一緒に来ていた仕事仲間と、
バーで飲みながらいろいろと話していると。

嫁ちゃんが席を立ち、
少し離れて電話をしている様子が見えた。

でも、何かがいつもと違うなと、
その雰囲気から伝わっていた。

そして、席に戻ってくると、
顔は青白く目には涙が溜まったいた。

ただごとではないと思い、
嫌な予感が頭をよぎり、すぐにお店を出た。

さっきの電話は、
嫁ちゃんのお母さんが亡くなったという、
日本のお義父さんからの連絡だった。

香港に渡航する少し前。

お義母さんの具合が悪そうだという話を、
僕も事前に聞いていたので。

「どうする？日本に残る？」

と聞くと、

「いや、行く」

と答え、一緒について来てくれた。

ただやはり、
渡航中もずっと気にはなっていた。

お義母さんの具合はどうなんだろう？
今、どうしているんだろう？

二日目が終わり、仕事の話もひと段落し、
帰国前日の夜を楽しんでいた矢先に。

バーで電話する嫁ちゃんの様子を見た瞬間、
嫌な予感がふと頭をよぎっていた。

でも、まさかという気持ちだった。
明日、日本に帰るというタイミングで。

事態がこうも急転するとは、
考えてもみなかったから。

翌日、日本に帰ったが、
フライトの関係でお通夜に間に合わず、
夜に式場へ着いた。

急な事で慌てたであろうお義父さんは、
疲れている様子が伺える。

嫁ちゃんはすぐに棺へ駆け寄り、
お母さんの顔を見ている。

そして、笑いながら涙を流している。
穏やかで静かな時間が一緒に流れる。

そのあと僕も、
お顔を見させてもらったんだけど。

実は、僕がお義母さんとお会いしたのは、
このときが初めてだった。

いろいろと事情があり、
ずっと会うことができていなかった。

だから、これが初対面。

そのとき僕は、悲しいというより、
ただただ感謝していた。

僕が嫁ちゃんと知り合い、結婚して、
今こうやって幸せに暮らすことができているのは、
お義母さんのお蔭でもあるからだ。

置いてある遺影の写真は若い頃のものだったが、
そこに映っているのは、
強さと弱さと無邪気さを兼ね備えた綺麗な女性。

表情や目線、しぐさ、姿勢、恰好などなど、
どれをとっても嫁ちゃんとそっくりだ。

その顔を見つめながら、ふと思った。

肉体を離れた魂がまだここにいるとしたら、
お義母さんの目に僕は、
どのように映っているのだろう。

おそらく、お義母さんからすれば、
僕は頼りないと映っているかもしれないし。

娘の婿として合格点を頂けるのは、
まだまだ後になるか、
そんな時が来るのかさえもあやしい。

その答えは、
嫁ちゃんを見送るまでは分からないし。

仮に見送れても、
僕は死ぬまで落第扱いかもしれないが・・・。

そうやって、
僕が嫁ちゃんのお義母さんと顔を合わせた、
最初で最後の時間が、ちょうど一年前。

そのあと、
四十九日法要から1か月くらいが過ぎたころに、
お義父さんと嫁ちゃんと3人でハワイに行き。

海やリゾートが好きだったお義母さんのお骨を、
ハワイの海と風に向けてお義父さんが蒔いた。

あの旅を計画したのは僕だったので、
お葬式の時よりも多少は、
僕の点数も上がっているかもしれないｗ

そんなこんなで、先日の一周忌。
嫁ちゃんは事前にこう言っていた。

これは一周年記念パーティーだと。
法要ではなく、祭典だと。

一年という時が過ぎ、
故人に思いを馳せながら。

生きている側の人間が、
今を楽しく暮らしている様子を届け、
明るく笑って過ごすお祭り。

生きていれば誰にだって、
いろいろなことがあって当然。

辛いことも苦しいことも、
誰もが何かしら抱えて生きている。

自分だけがそうなんじゃないし、
いつも会うあの人も、この人だって、
口に出していないだけでそうかもしれない。

一見すると世間的には、
いい生活をしているように見える人だって、
他人には理解できない苦労があるかもしれない。

だから、世間に振り回されず、
周りや誰かのことをとやかく言ってるような、
そんな暇があるなら。

今ここに生きているなら、
しっかりと“生”をまっとうしないと、
ホントにもったいない。

悲しいことは、笑いにして。
失敗したことは、ネタにして。

不安や迷いは、好奇心に変えて。
分からないことは、可能性に変えて。

“今”を、この“生”を、
誰のものでもない“自分の生き方”ってやつを、
気の済むようにやったもん勝ち。

一年たって、また一年。
さぁさぁ、いっちょやってみっか！！

ではまた、明日に・・・。
Thank you～♪

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