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一目惚れ【ショートストーリー/ほっこり】

一目惚れだった。
出会って三ヶ月。
私たちは一緒に暮らし始めた。

住んでみて見えてくることもあったけど、やっぱり幸せのほうが大きい。
君はいつも私を夢中にさせて、時々甘える。

ご飯を食べるときも、寝るときも一緒。
お風呂だけは、君はまだ遠慮がち。

好き。
大好き。

ベッドで君を見ながら呟く。
自分の語彙力のなさが悲しくなるけど、「好き」って言葉が、一番私の気持ちを現してる。

友達にも惚気(のろけ)る。
え~とか言いながら、私の話に付き合ってくれる友達。これも幸せ。羨ましい、私も欲しいって。軽いノリじゃ良くないけどね。でもその気持ち、分かる。

最近は私がくっつこうとすると、嫌がるような仕草を見せたりする。
嫌なのかな、くっつきすぎ?
でも夜になるとまたくっついてきたり、私は君に振り回されてる。
でも、見つめられると許しちゃう。

仕事で遅くなった。
君は一緒に御飯食べられなくて不機嫌。
ごめんね、すぐ用意する。

ご飯を作ったら、君は喜んでくれたけど、私は食欲ない。課長にあんなふうに言われるなんて、転職しなきゃ先がないかな……

「……!」

気づくと、君が寄り添ってくれてた。
あったかい。

「大丈夫かな? 私」

「にゃあ!」

心配するなって、言ってくれてるみたい。
ありがとう、モカ。
私の愛しいダーリン。

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