Story Lab / 白崎 秀仁(しろさき ひでと)

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Story Lab / 白崎 秀仁(しろさき ひでと)

ストーリーテラー。 物語を書いてます。 メンバーシップでは、毎週更新される物語すべて購読可能。 その他、雑談なども書いてます。 問い合わせ hideto.shirosaki@gmail.com

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■どんなメンバーシップ? Story Labは、僕(白崎秀仁)が書く物語(小説や短編など)が読み放題のメンバーシップです。 更新は毎週、複数の物語を連載の形で掲載していきます。 ■コンセプト 「人生で悩んだときは、ストーリーが助けてくれる」を軸に、「あなたが一歩踏み出す力をくれるお話」を、楽しい物語として提供しています。 とはいえ、本屋で買える書籍のように、編集者の手が入っていないため、誤字脱字もあります。見直し時点では気づかなかったストーリー上の矛盾なんてものも見つかってしまうかもしれません。 でも、身軽です。 デジタルなので修正も容易ですし、たとえばいただいたコメントをもとに別の結末を考え、同じ物語の第二の結末のようなものを作ることも可能で、見方によっては読者の方と一緒に物語を作っていくとも言えます。そしてもっとダイレクトに、読者の方からいただいたアイデアもとに物語を書いてみることもできます。 「Lab」なので、実験しながらいろいろな物語を創ってこうと思っています。

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一つの世界から世界の一つに(ショートストーリー)

-1- 高校を卒業する今日、私は校舎の前で振り返って、屋上を見上げた。 高2の春、ゴールデンウィークが明けて一週間経ったあの日、私の人生は終わっていたはずだった。 「卒業おめでとう、相澤」 頭の中に、これまでのことが浮かんできたとき、名前を呼ばれた。 「笠原先生……!」 私は駆け寄って、抱きつきそうになって、慌てて手を引っ込めた。 「思い出してたのか?」 「うん……」 「よく、がんばったよ、相澤」 「先生のおかげ」 「先生はキッカケを提供しただけだよ」

    • 野良犬になったウル 第3話 野良として【連載小説】

      第1話 リンク -1- 少し多めに水を飲んだウルは、レクスのニオイを辿って歩き出した。また陽は高いが、ここからどれぐらい離れているか分からない上に、暗くなれば進めなくなるし、空腹も増す。 森は広く、出口などないような気がしてくる。時々他の動物の気配を感じるものの、立ち止まることなく歩き続けているせいか、近寄ってくるものはいない。縄張りに居座るならともかく、ちょっと通り過ぎるぐらいなら、気にしないのかもしれない。おそらくは他の野良たちも、そんなことにいちいち構っている暇は

      • 死刑遊戯 第10話 行方(最終話)【小説/シリアス】

        第1話はこちら -1- それから一週間が過ぎた。 何事もなく、考え過ぎだったと思い始めていた坂下のもとに、妙な情報が舞い込んできた。   「坂下さん、これ、どう思います……?」   片岡は、青ざめた顔で言った。   「青峰に話を聞く……もしかしたら、ヤツが何か知っているかもしれない……」   坂下は、急ぎ拘置所へ向かい、青峰を呼び出した。   「坂下警部、どうかしましたか?」   「青峰おまえ、何をした!?」   「何とは?」   「おまえの娘を殺した犯人……それだけじゃ

        • 「考えすぎ」を受け入れて(ショートストーリー)

          -1- 俺、何かしたかな 草野祥平(くさの しょうへい)は、友人から「気にしすぎ」とよく言われる。たとえば彼は、電車で座ったとき隣に座っていた人が立ち上がると、あれ、俺なにかしたかな……と考えてしまう。席が空いているのに、あえて女子高生の隣に座るみたいな、ゾワっとすることはしてない。空いている席に座る、ただそれだけ。チラチラと視線を向けることもなく、空きがたくさんあるなら、人と接しない端っこに座る。そのほうが安心感があるから。 席を立った人は、次の駅で降りるのかもしれない

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          野良犬になったウル 第3話 野良として【連載小説】

          第1話 リンク -1- 少し多めに水を飲んだウルは、レクスのニオイを辿って歩き出した。また陽は高いが、ここからどれぐらい離れているか分からない上に、暗くなれば進めなくなるし、空腹も増す。 森は広く、出口などないような気がしてくる。時々他の動物の気配を感じるものの、立ち止まることなく歩き続けているせいか、近寄ってくるものはいない。縄張りに居座るならともかく、ちょっと通り過ぎるぐらいなら、気にしないのかもしれない。おそらくは他の野良たちも、そんなことにいちいち構っている暇は

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          死刑遊戯 第10話 行方(最終話)【小説/シリアス】

          第1話はこちら -1- それから一週間が過ぎた。 何事もなく、考え過ぎだったと思い始めていた坂下のもとに、妙な情報が舞い込んできた。   「坂下さん、これ、どう思います……?」   片岡は、青ざめた顔で言った。   「青峰に話を聞く……もしかしたら、ヤツが何か知っているかもしれない……」   坂下は、急ぎ拘置所へ向かい、青峰を呼び出した。   「坂下警部、どうかしましたか?」   「青峰おまえ、何をした!?」   「何とは?」   「おまえの娘を殺した犯人……それだけじゃ

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          壁越しの恋 第四幕 感情の境界線 (連載小説)

          第一幕はこちら 第四幕 感情の境界線 -1- チャットでのやり取りになると、思った通り、言葉を交わす時間が増えた。三日も経った頃には、数カ月分ではないかと思うほどの言葉がチャットを埋めて、來未の想いはいよいよ強くなった。 お互いの写真も交換して、顔を知ったあとは、想いはさらに加速して、「素敵です」という秀一の言葉に、何度もニヤニヤして、ふと我に返って赤面したりもした。そのことを藍梨に話すと、藍梨は少しからかうようなことも言いながら、「いいね~、來未がそんなふうに自分を

          壁越しの恋 第四幕 感情の境界線 (連載小説)

          野良犬になったウル 第2話 別世界【連載小説】

          第1話リンク -1- 「う~ん……」 スマホの目覚ましを止めるために、辰哉はベッドから這うように起き出した。 夜中に何度か目が覚めて、よく眠れたとは言えなかったが、3時頃に目を覚ましてからは、眠りが深くなったのか、今の今まで目が覚めることはなかったが、体は少し重い。 「ふ、ふぁぁぁ……」 欠伸と共に伸びをして、スリッパに足を通すと、部屋を出た。 階段を降りてリビングに入ると、ダイニングキッチンのほうから朝食の匂いがした。直人は椅子に座って新聞を読んでおり、美和子はフ

          野良犬になったウル 第2話 別世界【連載小説】

          死刑遊戯 第9話 明かされた真意【小説/シリアス】

          第1話はこちら -1- 「なんなんだ、これは……」 坂下は呟いた。 北沢は呆然としたまま、パソコンの前から動かず、目に涙を浮かべている。 「君は犯行に関わってないんだろうけど、少し聞きたいことがあるから、一緒に来てくれるか?」 坂下の言葉に、北沢は微かに頷いた。 放送が終わると同時に両手を上げた男と、放心状態の北沢を連れて、坂下たちは大急ぎで警視庁に戻った。 到着する頃には、メディア集まり始めており、坂下たちは正面を避けて、裏側から中に入った。すぐに上から呼び出し

          死刑遊戯 第9話 明かされた真意【小説/シリアス】

          壁越しの恋 第三幕 恋の体感(連載小説)

          第一幕はこちら 第三幕 恋の体感 -1- 土曜の朝。 スマホの音で目が覚めたとき、時計は8時を少し回ったところを指していた。 來未はゆっくりと上半身を起こして、両腕を思い切り上に伸ばすと、体を動かしてスリッパに足を通した。 カウンセラーである來未にとって、土日というのは休みではなく、平日より忙しいときもある。今日は三件だけだが、朝の九時から夜の九時まで予約が入っていることもある。 スマホを手に取ると、頬がピクっとした。 『たまには会って話さないか? 忙しいだろうけ

          壁越しの恋 第三幕 恋の体感(連載小説)

        記事

          壁越しの恋 第四幕 感情の境界線 (連載小説)

          第一幕はこちら 第四幕 感情の境界線 -1- チャットでのやり取りになると、思った通り、言葉を交わす時間が増えた。三日も経った頃には、数カ月分ではないかと思うほどの言葉がチャットを埋めて、來未の想いはいよいよ強くなった。 お互いの写真も交換して、顔を知ったあとは、想いはさらに加速して、「素敵です」という秀一の言葉に、何度もニヤニヤして、ふと我に返って赤面したりもした。そのことを藍梨に話すと、藍梨は少しからかうようなことも言いながら、「いいね~、來未がそんなふうに自分を

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          小さな「意味」が力になる【ショートストーリー】

          -1- 耐える日々 (もうこんな時間か……) 伸びをしたときに目に入った時計は、21時45分を指していた。俺はノートパソコンのモニターに視線を戻して、キーボードに手を置いたが、数分待っても動こうとしない手をダラリとさせて、天井を見上げた。 明日、上司の笹丘から、「茂上、しっかりしてくれよ」と言われるだろうが、いつものこと。努力はしているつもりだが、やればやるほど仕事は増える。いや、増やされる。 笹丘が異動になる見込みは今のところないが、結局仕事は、耐えるもの。そんなもの

          小さな「意味」が力になる【ショートストーリー】

          壁越しの恋 第三幕 恋の体感(連載小説)

          第一幕はこちら 第三幕 恋の体感 -1- 土曜の朝。 スマホの音で目が覚めたとき、時計は8時を少し回ったところを指していた。 來未はゆっくりと上半身を起こして、両腕を思い切り上に伸ばすと、体を動かしてスリッパに足を通した。 カウンセラーである來未にとって、土日というのは休みではなく、平日より忙しいときもある。今日は三件だけだが、朝の九時から夜の九時まで予約が入っていることもある。 スマホを手に取ると、頬がピクっとした。 『たまには会って話さないか? 忙しいだろうけ

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          野良犬になったウル 第1話 一変【連載小説】

          -1- 窓の外から、鳥たちがはしゃぐ声が聞こえて、ウルは目を開けた。 カーテンの隙間から光が差し込んでいるが、まだ薄暗い。部屋の中は暗く、少しひんやりして、ウルは体を丸めた。 自分の体温で、またウトウトし始めたとき、部屋に明かりが灯った。 「おはよう、ウル」 碧桐美和子(あおぎり みわこ)は、右目をこすって、大きく欠伸をした。その後は、両手を上に伸ばしてつま先を上げる。いつもの動きを確認すると、ウルは立ち上がった。 「今日はちょっと冷えるわね」 美和子は、ウルを撫

          野良犬になったウル 第1話 一変【連載小説】

          対立が行き着く先を描いた名作……とは思えなかった「シビル・ウォー アメリカ最後の日」を見て思ったこと

          ■内戦リスクを描いた映画……? 2024/10/4に公開された「シビル・ウォー アメリカ最後の日」、ご覧になりましたか? アメリカで現実に起こり得ると言われる内戦を描いた映画で、米大統領選が近い時期での公開は、タイミングとしてはベストだったと思います。 では内容は? 僕は楽しみにしていたため、公開二日目に観に行ったんですが、「う~ん……」という感じでした。期待値が高かったので、ギャップが大きかったというのもあると思います。加えて、そもそも映画は、好みや考え方で評価も変わっ

          対立が行き着く先を描いた名作……とは思えなかった「シビル・ウォー アメリカ最後の日」を見て思ったこと

          死刑遊戯 第8話 現実投影【小説/シリアス】

          第1話はこちら -1- 車で現場に向かっていた坂下は、それが現実なのかどうか、分からなくなった。血しぶきを上げて倒れた女は、当然のように動かない。わずか数センチの距離で頭を撃ち抜かれ、夫の前で息絶える……テロ組織の公開処刑ではない。現場は日本で、今自分たちが向かっている場所で起こっていること…… 「坂下警部、今の音って……」 片岡が、ハンドルを握ったまま言った。 「とにかく現場に急げ……」 「まさか……」 「今すぐだ!!!」 「は、はい……!」 SATの手配

          死刑遊戯 第8話 現実投影【小説/シリアス】

          なんで俺と友達やってるんだ?(ショートストーリー)

          -1- 越えられない壁 午後11時。 玄関のドアを開けたとき、ようやく安全地帯に逃げ込めたような気がした。 静けさが心地良い。 話し声も笑い声も、ヒソヒソ声も。 カタカタとキーボードを叩く音も、ドアを開閉する音も。 グラスを合わせる音も、酔って大きくなった声も。 何一つない静寂。 「疲れた……」 無意識に漏れた声に、今日のすべてが込められている気がする。 『上川』 『はい』 『会議で発言するようになったのはいい。けどもう少し大きな声で話せないか? 声が小さいと、

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          壁越しの恋 第2幕 ファーストコンタクト(連載小説)

          第一幕はこちら 第二幕 ファーストコンタクト -1- 一週間ぶりの職場は、少し空気が違う気がした。 何が違うと言われても、具体的なことは分からない。上司の眉間のシワはいつものことで、朝でも昼でも、誰と話していても変わらない。何度も来たことがある場所だからこそ、表面的なことではない何か、違いを感じ取っているのかもしれないが、デスクに座って、さりげなくオフィスを見回しても、答えは見つからなかった。 「おはよう、天利」 「ああ、おはよう」 同僚との挨拶も、特に変化はない

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          黒い砂 テケテケ誕生の物語【一気読み!】

          第1話 -1- 真中瑞江(まなか みずえ)は、目を覚ますとゆっくりと体を横向きにして、向かいの棚に置いてある時計を見た。 時刻は5時50分。目覚ましが鳴るまで、あと10分。少しだけ損をした気持ちになったが、上半身を起こして伸びをすると、床に足をつけた。 目をこすりながら歩き、絨毯と部屋のドアの隙間にある、30センチほどの隙間に並んだスリッパを履いて、ドアを開ける。 家の中は静まり返っており、リビングもキッチンも暗い。ようやく涼しくなってきた10月の朝は、少しひんやりとし

          ¥790

          黒い砂 テケテケ誕生の物語【一気読み!】

          ¥790

          死刑遊戯 第7話 責任能力有無という悪法【小説/シリアス】

          第1話はこちら -1- 『犯人たちの居場所が分かったかもしれません』 片岡の言葉に、坂下は反射的に立ち上がった。 「間違いないのか?」 『まだ、確実とは。でもたぶん、そこで間違いないです。動画配信会社や通信会社に協力してもらって、配信はそこからされてる確認は取れたので』 「どこだ? 都内か?」 『神奈川との境です。というか、エリア的には神奈川県内ですね。一歩進めば都内ってぐらいの場所ですけど、一応管轄は、神奈川県警です……』 「いい。そのあたりの話は、あとで対

          死刑遊戯 第7話 責任能力有無という悪法【小説/シリアス】