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死刑遊戯(小説)

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小説、死刑遊戯のマガジンです。全10話。 2024年9月2日から連載開始。
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記事一覧

死刑遊戯 第7話 責任能力有無という悪法【小説/シリアス】

第1話はこちら -1- 『犯人たちの居場所が分かったかもしれません』 片岡の言葉に、坂下は…

死刑遊戯 第6話 動機の解明という名の延命措置【小説/シリアス】

第1話はこちら -1- 「玉木さん、あなたが所属する弁護士会は以前、日本の犯罪史上、最悪と…

死刑遊戯 第5話 過ぎる期待【小説/シリアス】

第1話はこちら -1- 「犯罪という過ちを犯して、捕まって刑務所に入る。刑期を終えれば、前…

死刑遊戯 第4話 文明人という詭弁【小説/シリアス】

第1話はこちら -1- 「犯人さん、あなたは殺人は死刑だというけど、そうね、たとえば女が身…

死刑遊戯 第3話 環境の魔物【小説/シリアス】

第1話はこちら -1- 「細田さん」 主犯の男は、細田に顔を向けた。 「あなたは、未成年者…

死刑遊戯 第2話 前夜【小説/シリアス】

第1話はこちら -1- 「ここまでは順調だ。残すは明日だけ……」   公開された動画の反応を…

死刑遊戯 第1話 死刑制度の是非を問う【小説/シリアス】

-1- 全国の都道府県にある警察の中で、異質ともいえるほど大きな組織、警視庁。東京というエリアを管轄する警察組織という意味では、神奈川県警とも、長野県警とも同じだが、その規模は桁違いで、5万人以上の職員を有する警視庁は、その役割も多岐にわたり、影響力も大きい。 そんな警視庁の捜査一課で、警部という管理職についたばかりの坂下昇(さかした のぼる)は、一週間前に起こった事件に、頭を悩ませていた。厳戒態勢のような緊張感に覆われ、刑事たちは苛立ちと疲労、焦りを、日に日に濃くしてい