「自己紹介」の話し方・伝え方~簡単そうで、侮れない~
面接の場面で、
「では、これまでの職歴含めて、簡単に自己紹介をお願いします」
面接官から、最初に出る質問の定番のひとつ。
こう質問されたとき、
何分くらい話せばいい?
どの程度話せばいい?
このように、悩まれる方も少なくないのではないでしょうか?
私は転職エージェント、再就職支援と併せて12年間、転職支援を経験し、私自身も5回転職を経験。
現職では採用業務もしており、自己紹介の話し方のアドバイス、自分自身も求職者として面接を受けて自己紹介をしました。採用担当として自己紹介を聞く立場も経験してきました。
その経験の中で、私は個人的に、この自己紹介は
・複雑ではないが、かなり重要な部分
と考えています。
簡潔にまとめて話しができればOKなのですが、面接の一番最初であるため、求職者も緊張しやすく、ここで躓くと、第一印象を損なう+自分も焦る。
それにより、その後の面接の展開に大きく響いてしまいます。
人前で話をするのが得意な人であっても、実は侮れないのが、この自己紹介。
この記事では、
どうして自己紹介を十分準備した方が良いのか
自己紹介の具体的な話し方、伝え方
について解説いたします。
① 優秀人材なのに、自己紹介で落とされる
自己紹介について、今でも忘れられないエピソードがあります。
私が過去に転職エージェントとして、あるコンサルティング会社に事業開発の経験者の方を紹介し、1次、2次面接を突破し、最終面接に臨んだ時のこと。
面接が終わり、担当の方から連絡が入ったのですが、結果は、お見送り。
理由を聞き、担当者の方が最初に仰ったのは、
「自己紹介で、8分以上喋っていました」
でした。
面接官(社長、役員の2名)も、話が長いと感じて、ソワソワしたり、腕を組んだりと、「早く終わらせてくれ」という仕草を見せていたのですが、本人はそれも意に介さず、熱弁をふるって話していたとか。
この会社、コンサルタントの基本能力としてプレゼン能力は重視していたこともあり、この自己紹介でほぼ「詰んで」しまい、短時間で面接は終了となりました。
皆さんも、面接でなくとも自己紹介で8分以上相手に喋られると、どうでしょうか?
疲れてしまう方、うんざり感じる方も出てくるのではないでしょうか?
とはいえ、この求職者の方は、非常に優秀な方でした。
有名大学を卒業後、広告サービス会社でトップセールスになった後、業界最大手の教育サービス会社に転職。
ここでも法人営業で成果を上げ、新規事業の立ち上げを担当して稼げる事業になるまで成長させた手腕の持ち主。
バイタリティ、コミュニケーション力、営業ノウハウなどどれも優れており、難関面接で知られている、この会社の2度の難関面接を突破して、最終面接まで進んだ方です。
しかし、そんな優秀人材なのに、仕事の実績や専門スキルが評価されなかった、ではなく、自己紹介でつまづいてしまったのです。
面接お見送りと、その理由を本人にお伝えすると、
「いや…思いの丈を乗せて話をしたつもりだったのですが…」
と、悔しそうにされていました。
私自身の、転職支援者としての力不足を痛感するとともに、このクラスの方でさえ、面接の場で力が入りすぎ、本来の力を発揮できないという事実に直面したのです。
② 自己紹介で、面接側が知りたい事
最初に事例をご紹介しましたが、採用側は、この自己紹介を通じて次のようなことを知ろうとしています。
社会人として積んできた、キャリアの概要
そのキャリア概要が、募集職種とずれていないかどうか
簡潔に分かりやすく話ができるか
2-1 キャリアの概要
ここでポイントとなるのが、「概要」であることです。
日常生活でも、初対面の方に自己紹介をする時、一番簡単なのは、
「はじめまして、田中太郎です。宜しくお願いします」
等、名前だけ言って終わったりします。
場面によっては、「仕事はメーカーで技術者をやっています」「大阪市内に住んでいます」などもつけるかもしれません。
まず、自己紹介ですので、まずはその人の最低限のことが分かれば、それでいいのです。
面接における、”最低限”というのは、募集している仕事に応募をしてきての面接になるため、仕事について最低限のことが伝えられればそれでよいのです。
2-2 募集職種とずれていないかどうか
また、仕事についての最低限とは、その募集職種の仕事と照らし合わせて考えます。
機械設計の募集であれば、設計の仕事をしてきた、ということ。
経理の募集であれば、経理の仕事をしてきた、ということ。
募集職種の仕事に合った人が来ているのかを、採用側は確認したいと思っています。
2-3 簡潔に分かりやすく話す
最低限のことを伝えるとなれば、当然ながら内容は簡潔にまとめておかないと話せませんので、必然的に「簡潔で」「分かりやすく」話をすることを、聞き手からは期待されます。
ここで気をつけたいのは、自己紹介が、面接としての最初のやり取りになる、ということです。
最初ですので、ここで良い感じで話せれば第一印象が良くなり、その後もプラスの印象をもって話を聞いてくれるようになる。
ここで良くない感じになると、第一印象が悪くなり、その後もマイナスの色眼鏡をかけられた状態で話が進んでいく。
前述のコンサルティング会社のように、会社によってはこの自己紹介で良い感じであれば、そこからが本当のスタート。ダメなら、事実上そこでNG、という会社もあります。
自己紹介は、内容自体は複雑ではないがかなり重要な部分というのは、私はこうした点でそのように考えております。
③ 自己紹介の話し方・伝え方
それでは、具体例を基に自己紹介の話し方・伝え方を見ていきます。
幾つか押さえたいポイントがあります。
3-1 名前をフルネームで名乗る
自己紹介ですので、当然ですが最初に名前を名乗ります。意外に言わない方も多いのですが、初対面になるため、聞き手としては違和感を感じます。忘れずに名乗りましょう。
3-2 最終学歴を言う
まず、卒業大学と学部(専攻)は、募集職種にも関連することが少なくないため、一言触れておきます。
3-3 仕事内容の概要を伝える
社名は、言っても言わなくてもどちらでも大丈夫ですが、転職回数が多めの方は、時間短縮のため、言わずに「○○メーカー」「外食産業」等の言い方でも良いでしょう。
仕事内容は、経験職種、担当業務、扱っていたものなどを伝える程度で問題ありません。部署名や人数、細かな業務内容まではこの時点では必要なく、後で話す機会がありますので、その時に話すようにします。
3-4 締めの言葉
「(簡単ですが)以上です。宜しくお願いいたします」等の締めの言葉を忘れずに伝えます。
これも、上記の仕事内容の概要まで話し終えると、そのまま黙ってしまう方がいらっしゃいますが、聞き手からすると、話が終わったのかどうかわかりません。「え?以上ですか?」などと聞き返されないように、締めの言葉を入れるようにします。
3-5 自己紹介の時間
1~2分程度で収まれば良いでしょう。職歴が短い方などは、40~50秒でも違和感はないと思います。
2分以上になると、聞き疲れをする方も出てきますので、注意した方が良いでしょう。
④ まとめ
自己紹介は、内容自体は複雑ではないものの、第一印象を決める部分になりますし、面接のはじめは緊張感が一番高い状態にもなるため、油断なく、十分な準備をされるのをおすすめします。
最後までお読みいただきまして有難うございました。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?